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叫騒の歌  作者: 実嵐
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見えている世界と消えた世界

専務を呼ぶために内線で話をしていた。突然、呼び出せといっているので仕事で忙しいのではないかと思うが、こちらも仕事だと自負しているのもあってか聞かないのだ。

「すぐに来られるということなので、少々お待ちください。」

そういうと受付の女性はすぐに自分の仕事へをし始めた。アポを取るための電話もかかってくるのかそれも受け取っていた。担当者に直接の場合と経ていく場合と別れるのだろうから。近くに椅子などなかったので、受付より数歩だけ後ろに下がって待っていた。数分待つと、品格のいい高級そうなスーツを身にまとった知的な男性が現れた。

「若、久しぶりだな。」

「武田もな。」

武田と呼ばれた男性はすぐに会議室がいないかと受付の女性に聞いた。さっきとは対応してくれた人とは違う人が資料とパソコンを確認しながら言った。

「今なら会議室が開いております。応接室では行いようなことはできませんか?」

「君は失敬だな。我々にとっても大切な相談をするんだから。」

それを聞いた彼女はすいませんと平謝りをするごとく言った。武田はそれ以降は強く言うことはなかった。大切な相談をするのだし、警察だというのも入っているのではないかとも考えてしまうのである。彼が専務になれたことを不思議には思わなかった。通された会議室は広々としていた。お茶をすぐに出されていた。

「すいません。」

「謝ることはないよ。若の部下だって来た時にわかっているし、連れまされているっていうのはこいつが認めているってことだから。間瀬も来たよな。」

「あぁ、金融関係にも強くなってもらおうと思ってな。」

間瀬も訪れたことが分かった。桜銀行を顔が聴くといっているのは同級生が専務として働いているからであろうと思えた。

「それで君の名前は?」

「益子といいます。」

「君は若が捜査一課のころからじゃなくて、最近入った子だから連れまわしてもらえているんだね。捜査一課にいたときは相棒がいても相棒が出世気取りでダメな奴だったから1人でよく来てたよな。」

相棒が出世のことばかりを考えていたということでは生稲の時と同じなのだと思った。事件よりも手柄。冤罪を生み出そうと関係ないと思っているような態度を時折見せるのが気に食わないと生稲が言っていた。録画されていると知っていながらも怒鳴ったりすることも多いらしく、裁判用に削除されているのだと嘆いてもいた。それもいずれ手として使えなくなってしまうことも目に見えている。


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