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叫騒の歌  作者: 実嵐
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異変

朝になると捜査一課のほうはあわただしいのを装っているように見えた。世間からえらく叩かれてしまっている理由を探っている。物取りと決断したのだが、週刊誌の記者が嗅ぎつけたのか1人の刑事に声をかけたのだという。それをお粗末に対応したのがいら立ちを誘ったのかわからないが敵に回す結果になったのだ。刑事部長も上に怒られたのだ。総括しているつもりだったのだろうが、できていなかったとして・・・。

「大変そうですね。」

「ことの発端は誰か知ってるか?」

「いいえ。」

益子が首を横に振ると若槻が彼に近づいてきてコーヒーを渡した。

「一応は生稲ってことになっているらしいが、あれは生稲じゃないな。生稲の相棒だよ。だけど、この事件が終わったらやめさせられるだろうな。せめての天下り先へと連れていくだろう。口止めの金含めてな。」「詳しいですね。」

「俺も天下り先か此処か選べっていわれたからな。あいつのぬれぎぬをかぶるのはシャレにならないと思ってわざと此処で監視しているんだよ。偉そうにふるまったところで一時の権力だっていずれ知るさ。」

「益子、お前は確か生稲と仲が良かったんだよな。呼んで来い。俺に呼ばれたってな。」

ぬれぎぬを着ている生稲から事情を聴こうとしているのだ。別段、あれだけのことを言っていたとしても許せないことがあるというのだ。自販機コーナーで待っていると付け加えていなくなった。背中には正義という文字が書いているわけでもない。ただ心配だということが感じる。益子はすぐに生稲の席へといった。憔悴しきった顔の生稲がいた。

「上司から怒られたのか?」

「益子・・・。聞いたのか。あれは俺じゃないんだよ。けど、出世したがる奴のそばにいることもわかっているから・・・。」

「若槻さんがお前のこと呼んでたぞ。まぁ、あの人のことだから心配はしていたみたいだ。自販機コーナーで待ってるって言っていたらあってこい。」

何時もとは違う歯切れの悪い返事をした。怒られてもへちゃらだった時期もあった。所轄の時はなりふり構わずしていた。それが警視庁の捜査一課にいったことによって全てをかき消してしまったのかもしれない。生稲を見送った後、間瀬の隣へとついた。

「大丈夫だよ。あの人に会うんだ。生稲君もきっと現実を見たと思うよ。これまでの行動が巻き起こしたことをね。」

「そうだといいんですけど・・・。」

「そうだよ。同期くらい信じてやれ。」

静かな言葉にゆっくりとうなずくしかなかった。


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