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叫騒の歌  作者: 実嵐
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収穫とは

「開始当初は会っていただけたのですが、行っても断られるばかりで・・・。」

「過去の事件というものを知っているんですか?」

「はい。知っております。リーチというのが殺人事件にかかわっているといわれましたが、最初だけだったんです。」

業務を怠っているということを口にしたのだ。担当者が1人であるというのも納得がいかない。まるで関係なかったというようだ。怠惰をしたところで見えるのは何であろうか。若槻は豪快にため息をついた。益子にはこの行為の意味が分かった。その姿を見てひたすらあたふたをしている。

「貴方がたの行いというのは昔で終わったということですか。協力にも個人情報がとか言い訳めいたことも言うこともなく、怠惰で人の死を無残な形で終わらせた責任の行く末がこの結果なんて・・・。貴方がたにある信用はなくなったも同然です。」

口早に言うのは実感してほしかったのだろう。他人行儀になって何も見えてこなかったのだ。高木は平謝りにめいた行動と若槻はデータの提出と何時から会っていなかったのかを明確にするためにその情報の提出を要求した。

「貴方が最初に担当していたわけじゃないでしょ。」

「はい、私を含めて2人います。その人達は会ってもくれなかったといってましたが、本当に会いに行っていたのかはわかりません。」

「データ化されていないんですか?」

「されております。それも含めて出しますので・・・。」

会社による管理というのが大きくなるにつれて大切になってくるのに表に出されていなかったことをいいことに隠していた。確かハローバルは株式会社だ。否が応でも株主からの監視の目を逃れていた過ちが此処で発揮されるだろう。若槻は言うだけ言ってすっきりしたのか笑顔を見せた。それは高木に対して圧力をかけているも同然だった。大きな玄関は迎え入れた人を全て歓迎してくれるわけではないことを示していた。益子は先に車へと乗った。若槻のそばで学んでいるのは正義ではないのかもしれない。人として過ちを認めていることも大切で改善をする必要があると伝えていたのにも関わらず無視をしていた結末なのだ。大きなビルから抜けて道路に来た。近くのコンビニで車を止めた。

「どうでした?収穫ありました?」

「益子、収穫はあるんだよ。何処へ行ってもな。収穫のない稼ぎなんてないんだよ。ないことに対する意味も求めればもっとだ。」

「そうですね。今回はハローバルのことが知れましたからね。」

疲れたのか背もたれを倒した若槻を横目に見ながら言った。

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