敵対しているのかもしや
ハローバルは管理会社であることに過ぎないが、過去の対応はあまりにも悪かった。殺人が起きているにも関わらず何処か他人行儀で親密に思っているように思えなかった。ただ面倒なことに巻き込まれてしまったくらいなのだろう。それと相まって警視庁捜査一課は事件を迷宮入りをそそのかした。結果、何も解決することなく、警察の怠惰を見せているようでもあった。以前は中堅くらいの会社だったのが、今や大企業となっている。
「ハローバルに行くのは初めてか?」
「はい。事件はわかってます。その当時のハローバルは何もなかったといって資料の提出を拒んだと聞きました。」
「拒むくらいならいいんだよ。面倒だっていうのを全面に出していたからね。社長の名前を見ればあの時の奴じゃなくてよかったよ。」
車の中ではうるさいほどの音が鳴っている。若槻が毎回つけているのだ。捜査一課の状況が分かる。漏れてくる声はいったい何に向かっているのかといえるほどだ。車を広大な駐車場に止めた。迷いなどあったらいけない。若槻が昔、師匠と慕った上司が言っていたのだ。正義感より大切なのは事件を解決することだ。間違えた正義を言っても仕方ない。それよりも解決しないと被害者が報われない。くどく言われていた。受付へといった。
「こんにちは。どちら様でしょうか?」
「警視庁捜査一課の若槻です。尾崎さんについて知っている人いませんか?」
警察手帳を見てあたふたしている。ハローバルと気休め程度に制度改革をしたと事件が終わった後、新聞に載っていた。内容が載っていたが、忘れてしまった。担当者が来るといってロビーで待った。以前と見違えるほどの規模に加えて従業員であった。ただ、以前の対応を知ってか取引先も減った時もあったという。その対応した社員はクビになったとも噂がされた。少し小走りをしている小太りの男性が来た。
「リーチを担当しております。高木といいます。会議室が開いておりましたのでそこで詳しく聞かせていただければと思います。」
益子もつられていった。ロビーからそこまで遠くはない。広々としたところであった。昔のこともあってか明らかに構えているのが見え見えである。テキパキというようにお茶やらが用意されている始末だ。
「それでお話というのは何でしょうか?」
「尾崎峰雄という人物を知ってますか?」
「はい、管理人とは定期的に会うという決まりなっておりますので・・・。ですが、此処何回か会えていないんです。」




