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叫騒の歌  作者: 実嵐
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話されるときと聞かさせるほう

「なんで貴方がかかわってくるんだ。渉はなくなっているのだから、関係ないはずだ。」

突然の武田の登場に驚いたのだろう。渉が死んだから関係ないと言い切る姿は何処か幼稚にしか見えなかった。隠れたところが一切見えなくなっている。上司であることはわかっていても専務だということはわかっていないのだろう。いかに渉の件を適当に映っているかがよくわかっている。若槻はステージを少しうろついた。ヒーローショーチックにしてみたのだ。

「そう簡単に切り離せない人間だということをご存じないのですね。あれほどまでに桜銀行を利用しておきながら内部のことは知らないんですね。義理の息子であってもいなくてもよかったんですから。」

「何を言っている。彼は渉の上司だ。そこらの課長くらいの人間のためにごたごた言うなんて無駄だ。」

若槻はふっと笑った。不敵な笑みだ。企む人間ほど見せる表情だ。課長クラスと揶揄するのは簡単だ。桜銀行のホームページを見たりすれば立場が分かるのに知っていないことにあざけわらうしかない。

「彼は専務ですよ。だから、今回の事件においては活躍してくれました。」

「えっと・・・。」

「可笑しいとは思いませんか?何故、榎並渉の葬式の後の会話がとられているのかというのが・・・。彼が撮ってくれたんですよ。気づいていなかったということは嘘をつきようのない事実となる。そうなるとと思って調べましたよ。貴方、旧姓、小田切渉に脅されていたんですね。尾崎峰雄にも。」

尾崎峰雄は明星のウエイターをしていたのなら暴力団とかかわりがあることを知っていた。金に困っていたので脅したのだろう。最近では秘書が動いてくれないので、自分で手を下した始末だ。その証拠も挙がっており、指紋に加えて声紋もあるのでいろいろと罰が加わっていく。

「渉は高校生の時に同級生に誘われて詐欺にかかわろうとしたが、おじけづいて逃げた。その時に秘書の作った資料を見たらしい。書かれていた名前の外に書かれていたを疑問に思ったらしい。」

住所も書かれていたが、榎並邦彦という名は知られていたので音の消した携帯で撮ったのだ。そして、脅してきた。大学生になって金欲しさに脅した。最初はまだ金額は少額だったが、どんどん膨れ上がった。尾崎もまたウエイターをやめさせられたこともあり、リーチの管理人なので公に暴いても構わないなど言ってきた。

「パーソナル環境開発の時や高木幸喜のときはうまくいったのに・・・。」

「そうそううまくいきませんよ。それに貴方は秘書に粗末な扱いをしていたのが募ったと思ったほうが利得ですよ。」


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