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叫騒の歌  作者: 実嵐
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舞台の脚本

コンビニで緑茶のペットボトルとコーヒーのペットボトル、カフェオレバージョンとなっていた。買いに行ったのは益子であった。生稲と話がしたかったからだ。益子はドアをこんこんと鳴らした。そして、若槻は手を挙げた。乗ってもいいという合図に近かった。

「どうです。いい話できましたか?」

「あぁ、くたばるような奴じゃないことは話していてわかったんだよ。転んでもただじゃあ立ち上がらないやつだよ。立ち上がりながら相手の出方を見る。厄介な奴な部分をもっている。刑事としてはいいことだ。」

「権力ごときにくたばっているじゃ仕方ないですよね。・・・どれ飲みます?」

コンビニの袋をがっばと開けて見せた。若槻は後でいいというように手を振った。そのため、益子はコーヒーのペットボトル、生稲はカフェオレを取った。その様子を見た後に少し若槻は笑顔を見せた。緑茶のペットボトルを持ちながら・・・。

「何が面白いんですか?」

「やけに嫌っていたわりには簡単に和解をしているものだと思ってな。俺なんてこれっぽちも悪くないのに組織から疑いをかけられたんだ。その復讐をしてやろうと思っていてかなった時はうれしいような何処かむなしくなったよ。それは何にしても共通って感じがしてな。」

復讐なんて口で言うのは簡単なんだよと笑った。刑事部長のことだろう。刑事部長には家族がいたのだといった。結婚をしていたが、このことが公になることが決まって離婚になりそうだという。子供の親権も取られてしまうらしい。誇りに思っていた人からの大いなる裏切りでもあったのでしょうがなかったのかもしれない。奥さんとの離婚を泣く泣く受け入れざる負えなかったらしい。天下り先をくれるわけでもないので途方に暮れてしまう。刑事部長には明らかに違う未来は見えなかった。

「自業自得だって言ってしまえるのも楽なんだよ。何ら責任を負わないって言っているのと変わらないから。でも、誰かが同じように背負ってもらうだけで少しは違うものだって此処にいて気づくんだよ。」

車をひっそりと出発させていた。刑事部長にはある程度の罰を受けるべきではないかと思っていた。周りに理解者がいれば起こさなかったのかもしれない。頼ってもらった喜びから間違えた道を選ぶこともないだろう。改めて作り直していく道に誰かが立っていることを期待するしかないのだ。榎並もまた同じようなものであると思う。理解者というのは口だけでは解決も満たされることもないのだ。

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