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叫騒の歌  作者: 実嵐
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ぬれた衣服で戦う

なじみのある常連客は絡んでくる。益子の実家であるから幼いころから眺めるように見ているからだ。彼はレモンチューハイを片手に付け合わせをまとめた料理が乗った大皿じみた形でもって来た。ようは片づけろと言われているようなものなのだ。

「警察ってのは大変だな。組織だとかで押しつぶされることもあるんだろうからな。」

「何処に行っても似たようなものでしょうよ。」

けだるい声で対応してもへべれけ状態の人には効かないのだ。ドアがガラガラとあいた。

「あら、間瀬さんじゃないですか。孝人から事情を聴いたらまだ事件解決していないからって言われたので・・・。」

「調べものでの時間が空いているだけですから。ですから、今日は若槻さんがいないでしょう。」

理解したのかジュースを出してきた。昔ながらの瓶入りだ。間瀬は奥のあいていたテーブル席へと座った。それにつられて益子も向かいの席へと座った。瓶入りのジュースにしているのはコップに注ぐより早いうえに少しでも多く飲んでもらえるからだといっていた。

「此処にくればいると思ったから来たんだよ。」

「何かわかったんですか?」

「尾崎はリーチというSNSの管理人だった。知らないかリーチっていうやつを。」

リーチという名は益子が大学生の時に聞いた覚えがある。そのリーチというSNSによって殺人が起こったが、何故か多くが謎めいたまま、マスコミは取り上げることはなかった。うやむやに時間だけが経っているという感じだ。扱っていた管理会社の責任問題に発展するほどの力をもっていた。

「管理人だからっていうわけじゃないけど、会社もそのことを知って責任としてやめさせたといったそうだ。会社の人事の人間に行って聞いてきたから確かだろう。起こるべくして起こった事件だとしたら刑事部長は懲戒解雇だな。」

「どうして刑事部長がかかわってくるんですか?」

「自分の失態を若槻さんの所為にして事件を解決することなく上がったからだよ。」

間瀬は益子が突っついていた大皿に箸を出しながら言った。刑事部長は捜査一課で今の生稲のような状態であった。現場に行くことも少なく、指示にも従わない部分が多かった。その相棒だったのが若槻であった。所轄時代からフットワークには定評があった。リーチで起きた殺人事件で2人のサラリーマンが亡くなったのだ。1人は他殺であったが、もう1人は自殺ぽっかっただけで管理官もそうとらえるとぬれぎぬを着せる形で終わりを告げようとなったのだ。


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