理由
「...は?」
明らかに脳が追い付かずに思考停止をしている俺に、男は目を覚まさせるために言葉を続けた。
「勿論、世界というのは人名などではない。地球、Earth、母なる大地の意思だ。」
「...何を言って...」
逆に混乱してきた俺に男はある質問をしてきた
「君は"最後の審判"という言葉を知っているかね?主にアブラハム系の宗教で使われているが、言葉通り天に座している神がその義に照らして、人間を裁く...簡単に言えば世界の終焉を意味している。」
男は更に言葉を続ける。
「一般人は知らないだろうが、世界は周期的に終わりを迎え、また再生をするんだ。...そして今が3度目の周期の...終わり頃だ。」
「...本気で言ってるのか?」
常軌を逸した言動にこいつは狂人なのかと疑い始めた俺に男は続く。
「本当だとも。...先程も言ったが世界には意思がある。自分の役目を拒もうとする者を排除する意思がな。」
「ちょっと待てよ。その話を百歩譲って信じたとしても納得がいかないな。なんで俺と奏音が狙われたんだ?俺達は世界の役目なんて拒もうとしてないぞ。」
「世界は魔術防衛協会の我々を危険視している。
いや、もっと広く言えば、魔術師全般をな。その点、君については調べるまでもなかった。君からは魔力の流れを明らかに感じ取れる。つまり、君は魔術師、いや魔術師の血を引き継いでいる系統者だ。」