沈黙の水面
イラスト:陽一さま ( http://10819.mitemin.net/ )
指定ジャンル・必須要素:なし
→→ ジャンル:詩
この作品は350字となっております。
ゆらり ゆらり
ただ落ちる雫に耳を澄ませて
ゆらり ゆらり
波紋の上でたゆたい 唄い
白紙のままの日記は投げた
ドコニイルノ
ナニシテルノ
騒がしく鳴る文明の力に
いつだって呑み込まれそうで
最後の砂粒はとっくに落ちて
視線だけですべて伝わるなら
瞼を落とせばシャットダウン
嫌い、だなんて言わなくていいのに
豆電球の光を見ながら
眠ることすらできないままで
思い出すのはあなたの角ばった肩
ドコニイテモ
ナニシテテモ
声もなく振るう自然の力に
いつだって呑み込まれそうで
感情の水滴はとっくに落ちて
思うだけで届くなら
声を枯らしてカウントダウン
好き、くらい言いたいのに
太陽と月を空に見ながら
起きることすらできないままで
思い出すのはあなたの切りすぎた爪
ゆらり ゆらり
ただ落ちる雫に耳を澄ませて
ゆらり ゆらり
波紋の上でたゆたい 唄い
白紙のままの日記は投げた
陽一さま、ありがとうございました。
便利な世の中だからこそふとした時に感じる窮屈さ、未熟さ。
その中では最高にアナログな言葉と声が重要な意味を持ったりして。