第2章ー5 For someone
どうも富士例差音です。Multiple読んだら感想くれると嬉しいです。是非レビューもお願いします。完全なる初心者で趣味として始めた身ですが頑張りたいと思います。信じて最後まで見てくれた方だけに感動を与えます。今のままではラストがどうなるかは分からないでしょう笑
ベリトはハルバスの攻撃を受け絶体絶命になっていた。
「無限に刃物が出せるなんて…でもただ多く持ってるだけだろ…」
ベリトは息を荒く吐きながらその場に立ち上がる。完全に無限に刃物を持っているということを信じてはいない。
「俺には刃物を使いこなす力がある…」
ハルバスは立ち上がったベリトに近づき左に持っている長めの剣の方で左から首を狙う。しかしベリトは刃物で盾として防ぐ。次にハルバスは右に持っている刃物の方でベリトの心臓を狙う。しかしベリトはその攻撃を足を高くあげハルバスの右手に合わせ刃物を飛ばす。
「たくさん持ってても当たらなくちゃ意味無いよ」
「もう無いと思ってないか?言っただろ無限にあるんだ…」
と言って後ろからもう一つ刃物を出しまた同じところを狙う。ベリトは次は反対の足で合わして刃物を飛ばす。そしてすぐに長めの剣の方も刃物を弾き、後ろへと後退する。そしてすぐさまベリトはハルバスへと向かう。ハルバスは向かってくるベリトに対し後ろからたくさんの刃物を取り出し狙って投げる。ベリトはその一つひとつを的確に避けてハルバスへと近づいていく。そしてベリトはハルバスの心臓を狙い貫く。しかしハルバスはベリトの手首を掴み寸前の所で止める。そしてそのまま掴んだ手を回し後ろへと背負い投げする。ハルバスは地面に落ちたベリトに休む暇も与えなくベリトの顔面を蹴り飛ばす。ベリトは滑りながら飛んでいき木にぶつかり止まった。
「やはり本気を出すまでではないな......」
「僕だってまだ本気じゃないよ…」
「なに…では本気を出せばいい」
「本気を出す時はまだここじゃない…俺にとってしかるべき時が来るんだ…」
「ほう…そして今はしかるべき時では無いと…」
「そうだ………………」
そしてベリトは立ち上がりぶつかった木を壁として両足をバネのようにしてハルバスに飛んでいく。刃物を突き立てハルバスを狙うがハルバスはそれを横へと反らし避ける。そして避けられてしまったベリトはその後ろの岩を壁として両足をバネとし飛んでいく。その速さはまさに光のようだ。その光の速さについて行くことがハルバスは出来ずに避けるのが遅くなる。そしてベリトはハルバスの横腹の部分を斬りあげる。そしてそのまま後ろの木につかまって止まる。
「なんだ…物凄い速さ…」
「まだ本気を出してはいない…こんなのこれっぽっちだよ…」
そうしてベリトはまたもやハルバスに光の速さで近づき刃物をふる。ハルバスはなんとかその刃物へと追いつき刃物で返す。しかしベリトが止まることはなく周りを光の速さで飛び回り色々な所からハルバスを狙う。初めの何発かは刃物で返すことが出来ていたハルバスだったが次第にベリトに追いつくことが出来なくなりたくさんの斬撃を喰らってしまう。しかしハルバスは急いでそこでぐるぐるとすごい速さで回転してそのまま後方へと退く。
「まだ本気出さないの?」
「まだだ…お前が本気を出すまではなぁ…」
「だから出さないって…」
そしてベリトは退かれた間合いを一気に詰めハルバスを正面から狙う。しかし避けられるだろうと思いすぐさまハルバスの真上を回転しながら通り後ろから回し蹴りを入れる。しかし首の襟を掴み逃さず360度回転しながら横腹を斬りあげる。そしてそのまま遠くへと放り投げる。ハルバスは血を吐きながら飛んでいき地面へと落ちる。
「君が本気を出さなければ僕の勝ちになるよ…」
「本気を出すまでじゃない…」
「面白い…ここまでやってまだ本気を出さないなんて…」
ハルバスは遠くからベリトに向け無数の刃物を投げて攻撃をする。ベリトはそれを光の速さで全て避けていく。しかしさっきよりも量が多くなっていて近づくことが出来ずに横へと避ける。ハルバスはベリトが避けた先にも刃物をたくさん投げる。ベリトは何回もその刃物を避けるが近づくことが出来ずにハルバスの周りを円状に避ける。
「上手く近づけない…近づいたら確実に一本当たる…」
昨日の痛みがまだ完治していないベリトにとっては攻撃をもう喰らいたくは無かった。次喰らってしまったら倒れてしまうかもしれない。しかしハルバスは無限に刃物を持っているのでずっと刃物を投げ続けている。
「もう突っ込むしかないのか…攻撃を喰らってでもここで決める!!」
そしてベリトはその無数の刃物を避けながらハルバスへと向かっていく。しかし近づくにつれ刃物を避けづらくなってきてその無数の刃物をすべて喰らってしまう。ベリトは前で腕を交差させ防御態勢をとるが刃物攻撃はずっと続く。
「くそぉ…このままじゃ絶対に負ける…進もう…」
ベリトはその無数の刃物を全て喰らいながらハルバスの方へと近づいていく。しかし喰らいながらだと走ることが出来ずゆっくりと近づいていく。その間ベリトはどんどん体力が消耗されていく。ベリトの体はもう切り傷だらけだ。そこからは血が流れ出していた。
「ほう…この刃物も喰らいながらも倒れないとは…面白い…」
「さすがに倒れそうだよ…でも倒れちゃいけないんだ…僕はここで…倒れちゃいけない…」
そしてベリトはハルバスにあと数メートルの所まで近づいてきた。そして後は一気に詰め寄りハルバスの腹部を数回斬りあげた。
「やるな…くっ…効くぜ…」
「思ったより全然攻撃が入ってない…くそぉ…」
そしてハルバスは横へと首を向けて血を自ら吐いてまたベリトを見て回し蹴りをして引き離す。そしてその距離を一気に詰めベリトの左横腹の所を回りながら斬り、よろめいたベリトを見逃さずすぐさま逆の横腹を斬りあげる。そして最後の攻撃は腹に突き刺した。ベリトは血を吐いて腹部を手で抑える。手を抑えているが血はそこから流れだしている。ベリトは荒い息を必死に整えている。そして目の前のハルバスを見てすぐさま横蹴りを入れてハルバスを吹っ飛ばす。そしてベリトは地面へと手をついて崩れる。
「はぁはぁ…血が止まらない…大沼の時も本気を出してなかったんだね….」
「その通り…あの時はまだほんの一部だ…」
「まだあの時見た2形態目も残ってるのに…」
「まぁそれを見ることが出来るかどうかは分からんがな…」
「僕は負けないよ…」
ベリトは光の速さでハルバスへと近づく。ハルバスはその驚異的な耐久力に驚いている。
「腹の傷はどうした…そんなに動けるはずは無い…」
「治したよ…回復力は人並みにあるんだ…」
「ふふっ…面白い…でもそれを教えたことにより俺の勝ちが決まったよ…」
「どうかな…」
ベリトはハルバスの目の前まで来ていた。そしてハルバスの耳を回し蹴りする。そしてよろめいたハルバスの胸ぐらを掴み逃さず、すぐさま刃物でハルバスの右横腹をハルバスの後ろへと斬りあげる。そして左横腹を前まで斬りあげる。そして最後に回転しながらハルバスの腹を横方向に斬りあげてそのまま腹を横蹴りする。ハルバスは血を吐きながら飛んでいく。やっといい攻撃を入れることが出来たとベリトは喜んだ。
「完全に遊び過ぎたな…そろそろ本気を出すとするか…」
ハルバスはその場で体を震わせ始めた。それを見たベリトは光の速さで震えているハルバスに近づき回し蹴りを喰らわせる。ハルバスは第2形態になる事が出来ずに後ろへと吹っ飛ぶ。
「君は第2形態を見たいんじゃ無かったのかい?」
「隙があったから…」
「常識的に待つだろ…」
そしてベリトはハルバスに進化させることを止めさせ追撃する。ハルバスもそれに対抗してベリトを拳で吹っ飛ばす。ベリトは物凄い速さで後ろへと飛ばされる。そして後ろの山にめり込んで止まる。そしてそのまま地面へと落ちる。ベリトはすぐに立ち上がることは出来なかった。それを見たハルバスはこの時を逃すまいと体を震わせ始めた。そうするとハルバスの髪の毛がどんどん伸びていき、その次に手や足から身体中の全ての毛が獣の様に伸び始めた。そして両手を地面へとつき4足歩行へとなった。それは大沼でみた獣のライオンだ。そして地面に倒れていたベリトは立ち上がる。
「遂にしちゃったか…勝てる勝負では無いなぁ…」
ベリトは頭を抑えながら悔しがる。しかし刃物を握りしめ戦闘態勢に入る。まだ気持ちでは負けていないようだ。
「ここからは地獄だ…この形態の俺に勝てる筈がない…」
ハルバスは急に声が図太くなり獣の様な声を発している。
「良し…行くぞ…覚悟しろ…死なないようにな…」
そしてハルバスは体を震わせながら思い切り地面を蹴りあげ物凄いスピードでベリトの後ろへと回り込む。光の速さで動くことが出来るベリトでさえもそれに追いつくことが出来なかった。そしてそのまま突進を喰らいベリトは物凄い速さで後ろの山へとめり込む。しかしベリトはすぐさま光のスピードでハルバスの後ろへと回り込む。しかしハルバスはそれをよんでいて足でベリトを蹴りあげ飛び上がったベリトに噛み付く。ライオンの様に尖った牙はベリトの体を砕いていく。ベリトは物凄い痛みに耐えることが出来なく血を吐きながら声を上げる。そしてハルバスは顔をムチのようにしならせくわえているベリトを近くの岩へと放り投げた。ベリトは一瞬でその岩へと激突する。その岩は粉々になった。
「力の差がありすぎる…」
「楽しいなァ…まだ本気は出していないんだろ?早く出せ本気を…」
「だから言っただろ…本気は今は出さないって…いや出したくないんだ….」
「じゃあ殺すまでだな…」
ハルバスは物凄いスピードでベリトに近づく、そして獣のような尖った爪でベリトに襲いかかる。しかしベリトは寸前の所で刃物で防ぐ。ハルバスはベリトに休ませること無くすぐさま回りながら足で蹴りあげる。しかしベリトはそれも寸前で交わす。ベリトはハルバスに追いつくのがやっとだ。ベリトは噛み付いてきたハルバスを後ろへと寸前に避け、ハルバスの頭の上に手を置きながらそのまま回転しながら後ろへと移動する。そして後ろからハルバスを何回も斬りあげる。しかしすぐさまハルバスは回転してベリトを吹っ飛ばす。ベリトは空中で態勢を整え地面に着地する。
「すぐに死ぬと思ったがまだ耐えてるなァ…」
「僕だってそんな簡単にはやられないよ…君に致命傷ぐらいは喰らわせてあげるよ…」
「それは面白い…やってみろ…」
ベリトはハルバスに向かって光のスピードで走り出す。そしてハルバスの周りを飛ぶ様にまわり始める。これはチェルノボグとの戦いの時に使った技だ。しかしすぐさまハルバスはベリトへと飛びつき噛み付く。ベリトは寸前の所で牙を刃物を射し込み避ける。そのせいで刃物は粉々になってしまい武器は無くなった。そして避けた先へとハルバスは移動してベリトに回し蹴りを入れる。しかしすぐさま手で掴みベリトを地面へと叩きつける。そしてその後山へと放り投げる。ベリトは思い切り飛んでいき山へと激突し地面へと倒れる。山はそこの部分だけえぐり取られている。
「強すぎる…どうにか致命傷だけでも…」
ベリトは正直ハルバスに勝てる気が全くしていなかった。完全に勝負を諦め始めていた。その時遠くから声がした。
「ぉーぃ…ベリトぉ…」
ベリトがその声の方に目を向けるとそこには手を振っている晃孝がいた。スビカリを倒した後のようだ。晃孝はどんどんベリトに近づいてくる。ベリトは来ないでほしいと思った。この勝負は負け試合だから晃孝には来て欲しくは無かった。いや違う。そうではない。
「何弱気になってたんだろう…致命傷を与える?そんなん…」
ベリトはボロボロになりながらもゆっくりと立ち上がりハルバスを見る。そしてハルバスにこう告げる。
「絶対に君を倒す!!」
「このステージをお前はどう乗り越えるんだ?」
「そんなんどうにでもなる…僕の命を持って君を倒す!!」
「いいだろう来い!!本気を出さずに俺を倒そうとするとは…意地でもお前に本気を出してもらうさ…」
そしてベリトは今までに見せたことが無いスピードで獣になる前にハルバスが投げていた刃物の中で長めの剣を見つけそれを拾い武器としてハルバスへと向かっていく。そしてハルバスの足を2回、腹部を2回、手を1回、そして最後に顔面に1回、一瞬のうちに斬りあげる。ハルバスは体の斬られた所から血が吹き出す。そこで初めてハルバスは苦しむ姿を見せた。そしてベリトはすぐさま後ろへと引き次の攻撃へと備える。
「くそ…効いた…だがまだまだこんな攻撃でな効かないぞ…」
そしてベリトはすぐにハルバスの後ろへと光のスピードで移動するとハルバスの頭を横から踵で地面に叩きつける。ハルバスは反動で体が浮き上がる。ベリトはその隙間に足を入れハルバスの腹を上へと蹴り上げる。ハルバスの態勢は縦へと変わる。そしてベリトは最後に刃物で腹を回りながら斬りつけ追撃する。ハルバスは血が噴き出し飛んでいく。
「どうだ!今の僕はさっきの僕じゃないぞ!」
ハルバスはゆっくりとふらつきながらも立ち上がる。そして牙を剥き出しにしながら獣のような鋭くなった目でベリトを睨む。
「いいじゃないか…いい戦いになりそうだ」
ハルバスは物凄いスピードで前足の爪を光らせベリトの腹部を狙う。しかしベリトはその場で飛び、空中で回転しながらハルバスの後ろへと回り込む。しかしハルバスは後ろへと回り込んだベリトを逃がさまいと後ろ足で蹴りあげる。それをベリトは軽々しく回転しながら避ける。そしてそのままハルバスの尻の部分を横蹴りする。ハルバスは回転しながら前へと飛んでいくが途中で態勢を綺麗に直しそのまま地面を蹴りベリトへと襲いかかる。
「今度はこっちの番だ…耐えてみろ…」
「よし…絶対に倒してやる…」
襲いかかって来たハルバスを剣で受け止める。ハルバスは攻撃の手を休めずに鋭く尖った爪で何回も乱れ引っ掻きをする。それを1回1回1本の剣で合わせて受け止める。
「1本ずつだったら耐えられると思うけど一気に来たらどうかな…」
ハルバスは両手でベリトの両横腹を左右から狙う。
「残念でした…獣さん」
ベリトは左右からきた爪を受け止めた。ベリトは2本の剣を使って受け止めていた。さっき拾っていた時にもう1本拾って隠し持っていたのだ。ベリトはハルバスの両爪を受け止めながらハルバスの顎の所を蹴り上げながら後ろへと回転する。そしてそのまま地面を蹴りハルバスに一気に距離を詰め両手でハルバスの腹を交差に斬り、滑るようにハルバスの後方まで進み、また同じように交差に斬りさっきいた元の位置へと戻っていく。斬られた部分から血が噴き出しハルバスは崩れる。
「形勢逆転だね…諦めないで戦ってみるもんだね…これも全部晃孝のお陰だ…」
「くそ…勝てない…俺はこの男には勝てない…何故だ…さっきまでは俺が押してた…どうしてだ…いつからだ…いつから強くなった…くそ…」
ハルバスは血だらけになりながら立ち上がる。
「友情かな…それとも」
「友情だと…それともなんだ…」
「内緒だよ…」
「俺だってカオスティアの家来として良い働きをしなければいけない…だからお前をここで殺す…どうにかして…道連れでもお前だけは殺しておく…」
「無理だよ…僕に君は勝てない…」
ハルバスは顔をしかめながら思い切りベリトへと向かっていく。ハルバスはベリトの腹部に噛み付こうとする。ベリトはそれを剣で横から受け止める。ハルバスは最後の悪あがきとして両手で乱れ引っ掻きしながら振り回す。まずはベリトの左横腹を狙う。それを左の方の剣で受け止める。そして次はベリトの右横腹を狙う。それをベリトは右の方の剣で受け止める。そしてそのまま側転のように横回転しながら回りながらハルバスの顔面を回りながら斬り上げる。
しかしハルバスも負けじとそれを爪で受け止める。受け止められ打つ手が無くなったと思われるベリトだったがハルバスの腕にしがみつき鉄棒の様に前回りしながらハルバスへと近づきそのまま回転しながらハルバスの顔を蹴りつける。ハルバスは地面へとぶつかり反動で仰向けに飛び上がる。ベリトはハルバスより高く飛び上がり真上で3回転しながらかかと落としする。しかしベリトはハルバスの左後ろ足によって吹っ飛ばされてしまう。
ベリトは飛ばされても回転しながら木に綺麗に足をつけそのまま飛んでハルバスへと襲いかかる。ハルバスは牙を剥き出しにしてベリトの攻撃を防ぎにかかる。ベリトは両方の剣をクロスに交差させハルバスにそれを解き放つ。ハルバスの牙とベリトの剣がぶつかり合う。2人がぶつかった衝撃で強い強風が吹く。どちらもこの攻撃を引く気を見せない。どちらも最大の握力を使い相手を押す。これはもうどちらとも力技だ。しかしベリトは地面に足が着いていないので段々威力が弱くなっていく。そしてそのままハルバスに押しきられる。ベリトは回転しながら地面へと着地した。
「物凄い握力だ…普通にやり合ったら完全に押し負けていた…」
「いまいち威力が足りなかったか…でも次はその立派な牙を折れるように頑張るよ!!」
そしてベリトは物凄い速さで地面を右往左往に走りハルバスへと近づく。ハルバスは片方ずつの手でベリトの耳を狙い殴る。ベリトはそれを横へと避けまた元の位置に戻りもう1本は逆の方へと避けまた戻る。そしてベリトはジャンプをしてもう打つ手のないハルバスの牙に向けて回転しながら剣を上から突き刺す。
しかしハルバスはその場で体を横回転させてベリトを近づかせない。ベリトはその回転を喰らってしまい後ろへと吹っ飛ぶがすぐさま空中で態勢を直し地面に着いた瞬間にハルバスの元へと向かい両手を上へと振りかぶり両方の剣を揃えて牙を上から突き刺す。ハルバスは叫びながら悶える。まだ牙は完全に折れてはいない。突き刺さった剣をベリトは残った握力で下へと圧力をかける。
「折れろォォ!!牙!!」
バキ…バキバキ…バキ…
牙は綺麗に折れた。大事な牙を折られたハルバスは口を抑え低い獣の悲鳴を上げながら悶え苦しむ。
「どうだ!!」
ベリトは牙を折ることができ喜んでいる。ハルバスはふらふらしながらボロボロになりながらゆっくりと立ち上がる。
「ふぃ…ふぃいさ…見せてやる…このまま死ぬぐらいなら…」
「なにをする気だ…」
「俺だって…家来だから…死んででもこの男を倒す…今出来る最善のことだから…ここで勝てれば…」
「何かをする気なら…その前に倒すしかない…」
「行くぞ…これが最後だ…この身を滅ぼしカオスティアのためお前を倒す…」
ハルバスはポケットから先程言っていた薬を取り出す。
「おいおい…あの薬…まじか…」
それを見た晃孝は驚きの顔を隠せない。さっき戦っていた普通の人間のスビカリがあそこまで進化したのに強いハルバスがこの薬を使ったら完全に詰みではないか。ベリトもそれに気づきもう急ぎでそれを防ごうとする。
「全部終わりだ…これで戦いは終わる…俺はあの男に勝てる…」
ハルバスはその薬のコルクをとりそのまま口へと運ぶ。
「間に合え…間に合え!!」
ハルバスはまだ薬を飲んでいない。まだ間に合う。この薬さえ防ぐことができれば勝利は確定なのだから。しかしベリトはそれを防ぐ事がもう1歩の所でできなくその薬はハルバスの体内へと入っていく。
「あ…やられた…」
「飲んだぞ…ハハハ…これでお前に勝てる…ハハハハハ」
ドクン…
心臓の鼓動が大きく聞こえる。その途端ハルバスの顔の色が青白く変わり顔がシワシワになる。完全にスビカリの時と同じだ。全身の肉がどんどんと抜けていきこのままだとさっきの第2形態スビカリと全く同じ個体が作られてしまう。しかし体の異変が止まる。
「なんだ…何なんだ…動きが止まった…」
「決まってるだろ…俺がこの薬を開発したんだ…俺が制御出来なくてどうする…見せてやる本当の力を......」
ハルバスはシワシワになった顔でニヤッと笑う。
最後まで見て頂きありがとうございます。次もよろしくお願いします。感想とレビューお待ちしております。