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Multiple  作者: 富士例差音
第2章 I can not believe
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第2章ー3 金の亡者


スビカリはチェルノボグへ目がけて走ってくるそして目の前に来たと思ったら一瞬で後ろへと回っていてそのまま爪でチェルノボグを斜め右上から引っ掻く。そこから血が噴き出す。物凄い痛みにチェルノボグは声も出ずそのまま地面へと手をつく。そしてそのまま蹴り飛ばされ反対側の壁へとぶつかる。ゆらゆら揺れながら必死にチェルノボグは立ち上がりスビカリに負けじと攻撃を喰らわせようとする。しかしスビカリの攻撃は手を休める事がなく襲いかかる。左手、右手と両方の手を交互に引っ掻いている。それをチェルノボグは一つずつ後ろに後退しつつ右の時は左、左の時は右と避ける。そしてとうとうチェルノボグは壁へと追い詰められてしまう。チェルノボグは壁に両手をつきそのままスビカリに向けて手をつけたままドロップキックをした


「どうだこの野郎!!」


スビカリは後方に滑りながら飛んでいくが何事もなかったかのように手の力だけで体を起こす。そしてチェルノボグの左耳目がけて蹴りを入れる。それをチェルノボグは左手でガードし右足で少しジャンプして左回りをしながら左足でスビカリの左頬を180度に回し蹴りする。スビカリは下に屈んでよけすぐさま顔を上げチェルノボグはさっきの攻撃で背を向けたので急いで正面に向き直す。スビカリは両手の長い爪で斜め上からチェルノボグの肩からお腹にかけて何度も辞めることなく引っ掻く。チェルノボグは後ろに退きながら何度もその攻撃を避ける。


「くそ!!こいつ強すぎる!!なんだよ!!どうして」


チェルノボグは攻撃を避けながらスビカリの強さに冷静さを失いつつある。スビカリの爪攻撃はどんどんと速さを増していき遂にチェルノボグは壁へと追い込まれ逃げる場所を失ってしまった。しかしスビカリに爪で攻撃される瞬間に横へと回転しながら避ける。そのままチェルノボグは地面を蹴り上げ反対の壁へと飛んでいく。そして反対の壁に着いたらまた両足で壁を蹴り上げ次はスビカリの元へと棍棒を構え戻ってくる。そして背を向けているスビカリの左横腹目がけて棍棒を振るう。しかしスビカリは背を向けたまま後ろのチェルノボグ目がけて右足でひねりながら蹴りを入れるそれに気づいたチェルノボグはすぐさま足を地面につけすぐさま足を離し体を伸ばし空中で右回転し蹴りを避ける。そしてそのまま後ろへとチェルノボグは後退する。


「おい!チェルノ!!大丈夫か?」


晃孝が押されきっているチェルノボグを心配する。


「大丈夫に決まってんだろ!!俺だってちゃんとやれる」


スビカリはその場で口をパクパクしながらフラフラ揺れてずっと低いうめき声のようなものを上げている。


「俺は負けねェー!!逃げねェー!!俺だって少しは役に立ちてェーからな!!」


チェルノボグの決意を晃孝たちはニッコリと笑いながら聞いていた。その決意を聞いてチェルノボグへの心配は安心へと変わった。


「行くぞぉぉぉ!!スビカリィィィィィィィッ!!!」


チェルノボグは棍棒を持ってスビカリに向けて走り出す。スビカリもまたどでかいうめき声を出しながらチェルノボグの方へと走る。チェルノボグはスビカリの後頭部を狙いながら棍棒を振り抜くしかしスビカリは両手の爪を頭の上で交差させ棍棒をガードする。そしてそのまま交差した手を解放させすぐさま左手の爪でうめき声を上げながらチェルノボグの右横腹に襲いかかる。チェルノボグはその攻撃を避けることができず喰らってしまう。


「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁ、くそったれェェェェェッッッ!!!!!」


チェルノボグは攻撃を喰らってしまうが倒れずに持ちこたえ叫びながらまずは左足で地面を蹴りあげ右足の太ももを上げそのまま左足でスビカリの顔面を蹴り上げる。そしてスビカリは後ろへと倒れそうになるがすぐさまチェルノボグは下にかがみ残ってるスビカリの両足を刈り上げる。スビカリは空中で無防備になりチェルノボグはそのままスビカリの上まで移動しお腹に向けて肘で地面へと突きつける。


「どうだこの野郎ォォォォォ!!」


チェルノボグの決死の攻撃がスビカリに直撃する。しかしスビカリには全く攻撃が効いてないようだ。スビカリはゆっくりと起き上がり体をゆらゆら揺らしながら

うぅぅぅぅぅぅぅぅ、うぅぅぅぅぅぅぅぅ、

と何回も何回もうめき声を上げる。そしてそのうめき声は次第に大きくなっていく。そしてスビカリの声はだんだん獣の様な唸る声へと変わっていく。そして急に壁にそって飛び回る。チェルノボグの周りの壁を物凄い速さで着いたら蹴り上げ別の壁に移りまたその次への壁へと移りを繰り返す。そしてチェルノボグ目がけて飛んでくる。さっきチェルノボグがスビカリにやったことをもっとレベルを上げ返されたようだった。チェルノボグはあまりの速さに追いつくことができずスビカリを両手で受け止めるが勢いに負け反対の壁へと吹っ飛ばされる。そしてスビカリは攻撃の手を休めること無くチェルノボグへ尖った爪で襲いかかる。両方の爪を交差しながら起き上がり始めたチェルノボグの胸の辺りを傷つける。チェルノボグはその傷口から血が噴き出す。そしてチェルノボグは意識がぶっ飛びそうになるが手を地面につき持ちこたえる。


「はぁはぁ…昨日の傷がなんだってんだ!そんなん関係ねェー!今はこいつを倒すことだけ…」


息を荒く吐きながら前を見るとスビカリが爪を立てて追撃してくる。


「くそ!何なんだよ!本当にこいつ人間だったのかよ!?」


チェルノボグはそれに対抗してスビカリの顔面目がけて前蹴りするがそれをスビカリは右手で掴み横にずらしながら離す。チェルノボグは負けじとスビカリの顔面目がけてストレートを食らわせるがそれすらも残った左手で捕まれそのまま後ろに背負い投げされる。しかしチェルノボグも負けじと倒れたまま上へと両足をスビカリの顔面を蹴り上げて後転しながら立ち上がりスビカリの顔面に右手で1発左手で1発ずつアッパーとストレートを喰らわせる。スビカリには当たるがしかし全く効いている気配がなく平然としている。そしてスビカリはチェルノボグに爪で何回も何回も無差別に切りつける。チェルノボグはその攻撃を何回ももろに喰らってしまい血が吹き出している。そしてその攻撃が効いていないはずがなく床でもがき苦しむ。


「大丈夫か!?チェルノ!!お前だって限界だろ!!少しは休め!!」


もう見てることが出来なくなった晃孝が倒れているチェルノボグの前へ飛び出てくる。チェルノボグは晃孝の足を掴み止める。


「なんだよチェルノ!」


「人任せじゃ駄目なんだよ…こいつは俺がやるって言ったんだ!!絶対にこいつは俺が倒す!!最後の最後で足掻いて見せようじゃねェェーか!!」


チェルノボグは改めて棍棒を握り返し棍棒を杖のようにしてゆっくりとその場へ立ち上がる。そして晃孝はゆっくりと後ろへと戻っていく。


「見てろよ!!思い通りに絶対いかせねェーからなァァァ!!」


チェルノボグは棍棒を構えスビカリの元へと襲いかかる。スビカリもまた爪を立ててそれに対抗する。チェルノボグは棍棒を斜め左下からスビカリの左横腹を狙う。しかしスビカリは左腕の爪でそれを受け止めて弾き返す。すぐさまチェルノボグは反対の右横腹をさっきと同じように狙う。しかしスビカリも負けじと右腕の爪でそれを受け止める。スビカリの方も仕返しで乱れひっかきを喰らわせるがそれをチェルノボグは必死に左右に避ける。そしてさっきと同じように壁へと追い込まれてしまうがチェルノボグはジャンプをしてスビカリの真上で回転しながらスビカリの後方へと移動する。


「俺の本気見やがれェェェェ!!!」


そしてチェルノボグは棍棒を両手で持ち思いっきりの力でスビカリの後頭部を狙い吹っ飛ばす。しかしスビカリは丁度うめき声を上げながら振り返っていて顔面にクリーンヒットする。やっとスビカリはうめき声ではなく低い声で獣の様にさ叫び吹っ飛んだ。そして建物内を滑りながら飛んでいき反対の壁へと激突する。


「グァァァァァァァァァァァァ、グルぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ、」


スビカリは叫びながら体を揺さぶりながらゆっくりと立ち上がるとチェルノボグを真っ黒な目で強く強く大きいうめき声を上げながら睨み始める。


「なんだなんだ!?こいつ…怒ってんのか!?」


チェルノボグはそのうめき声に対し少し怖気づきそうになるが首を振りながら正常を保つ。そしてスビカリのうめき声はどんどんと大きくなっていく。そしてスビカリのゆらゆら揺れている速度もどんどん速くなっていきスビカリの周りに荒い風が吹き始める。そして長い爪を外に突き出しながらその場でぐるぐる左回転し始めた。そしてその回転はどんどん竜巻の様な形になっていく。その衝撃で床の板がだんだんと剥がれていきチリとホコリが舞う。


「おいおい!!まさか!!嘘だろ!!下に屈めェェェェ!!」


チェルノボグは一瞬で悪い予感がした。チェルノボグの声を聞きみんなで一斉に体を伏せる。そして竜巻の様に回っているスビカリは一気に回転を上げる。そうすると爪からどでかい斬撃が円状に飛び出てくる。その斬撃は建物を壊し崩れさせる。その攻撃を何回も何回も繰り返し行う。物凄い突風が晃孝たちを襲い吹っ飛ばされてしまう。チェルノボグは必死にその場でうずくまっている。次第に屋根も跡形もなく崩れさり全て爪の斬撃で粉々になってしまう。そしてそこだけ建物は消え、ただの荒地と化してしまった。


「何なんだ…強すぎんだろ」


その攻撃の後は静かになっていたが瓦礫の中から晃孝がどかしながら出てくる。晃孝以外も何とか怪我をせずに助かることができた。


「まだこんな隠し玉があったとはな…」


チェルノボグは息を荒く吐きながらスビカリの脅威に息を飲んだ。スビカリはその場でゆらゆらと揺れながらこちらをずっと睨む。そして物凄い速さでチェルノボグへ襲いかかる。チェルノボグは恐怖で足が震えて動かない。


「どうする…あいつが来るぞ…動け!!はやく動け!!そうしないと死んじまう…」


チェルノボグは必死に足を動かそうとするが体が完全に避けることを拒否していた。そしてそのままスビカリはチェルノボグの腹に頭突きをして吹っ飛ばす。チェルノボグはぶつかる壁は無くなり遠くまで滑りながら吹っ飛ぶ。


[くそ!!痛てェ…死ぬ…確実に死ぬ…]


チェルノボグは痛みに耐えられず声を出すことも出来ない。しかしまだチェルノボグの心は折れることは無く棍棒を使って立ち上がる。


「いや…諦めねェ…絶対にお前を倒してみせる…」


チェルノボグはスビカリに向かって走り出す。しかしスビカリはうめき声を上げながら遠くから走ってくるチェルノボグに対して左手の爪を横に振るう。そんな攻撃当然当たるはずがないと思ったが、その攻撃はカマイタチの様にその爪から斬撃が襲いかかる。それをチェルノボグは予想することができるはずがなく直撃する。チェルノボグのお腹から血が吹き出す。またチェルノボグは口から血を出しその場に倒れる。もうチェルノボグはボロボロだ。


「あァァァァァァァァァ…ァァァ、くそ…さっきと攻撃の仕方違うじゃねェーかよ…」


スビカリはすぐさま倒れているチェルノボグに対して追い打ちとしてまたあの爪斬撃を喰らわせる。何回も乱れ引っ掻きで斬撃を飛ばす。チェルノボグは手を地面につきながらその斬撃を必死に避ける。しかしスビカリは避けた先へと何回も斬撃を喰らわせる。チェルノボグはそれを1発1発避ける。スビカリはチェルノボグを全く近づかせることはない。


「くそォォォォォォ!!何なんだよ!!俺だって少しはこいつらの役に立たねェーといけねェんだよー!!」


チェルノボグは避けながらスビカリの周りを回り攻撃のチャンスを伺っていた。そして一気にスビカリとの距離を詰める。しかし近づいてくるチェルノボグに対してスビカリはまた左手の爪で腹の部分を横から振るう。またあの斬撃が飛んで来るがチェルノボグは走っている速度を利用し膝から下を地面へとつけ体を後ろへと反らしそのまま滑りながらその斬撃をくぐり抜ける。しかしスビカリはすぐさま斬撃を下の方へと放っていた。チェルノボグはすぐさま膝を起こし両足で跳ね空中で前回転しながら2発目の斬撃を避ける。チェルノボグはスビカリの近くまで進むことが出来ていた。しかしスビカリはチェルノボグの頭から足にかけ縦に右の手の爪を振る。しかしチェルノボグは体を右へと反らし目の前でもその斬撃を避ける。そしてそのままスビカリの顔面目がけて右回転しながら棍棒をバットの様にふりぬく。スビカリはその攻撃を避けることができず顔面をボールのようにされ吹っ飛ばされる。


「このチャンス逃しはしねェー!!」


チェルノボグは飛んでいくスビカリを追いかけ、先にスビカリの吹っ飛ばされ落ちる着地点まで先回りし、上からスビカリの顔面を地面へと棍棒で叩きつける。そして叩きつけた反動でスビカリは浮き上がりチェルノボグはそれを左手で胸ぐらをつかみ反対側へと投げ飛ばす。スビカリは近くに生えていた木に激突する。完全に次はチェルノボグのターンだ。スビカリはすぐに立ち上がるがうめき声がさっきよりも強くなっている気がした。そしてチェルノボグは戦闘態勢に戻れていないスビカリに追い込みをかける。チェルノボグはスビカリの顔面目がけて棍棒でつくしかしスビカリは下へとかがみ棍棒を避ける。チェルノボグの攻撃はその後ろにあった木にヒットし木が当たった所から真っ二つに折れる。チェルノボグは下へとかがんだスビカリに対し左膝を立ててスビカリの顔面に丁度合うように突き出す。スビカリの顔面へと膝が当たり顔が後ろへと反れる。そして休むこともなくチェルノボグは右足を軸に右回転しながらスビカリの右横腹を左足で蹴る。スビカリはその攻撃をモロに喰らい横方向へと吹っ飛ぶ。スビカリは吹っ飛ばされてしまうがチェルノボグはそれを追いかけ着地する前に上へと後頭部を打ち上げる。


「おらァァァァこれで最後だァァァァ!!!」


チェルノボグはその場で高くジャンプしてスビカリの真上へと来て棍棒を両手で持ち思い切り振りかぶりスビカリの顔面を地面へと叩きつける。そしてスビカリは地面へと崩れ動かなくなった。


「はぁはぁ…やったのか…遂に…」


チェルノボグは勝利を確信し倒れたスビカリに近づく。その時後ろから一つの刃物が牙を向く。それをベリトは戦いで使用した刃物を盾に防ぐ。


「男の戦いの勝利を邪魔するのは良くないなぁ〜」


「ふん…スビカリ…お前には…使えなかったな」


奇襲を仕掛けたやつとは大沼で戦って逃げた追ってだった。その男は普段の姿へと戻っていた。その男とベリトは互いに刃物を解放し反動で後ろへと後退する。


「引き取り人はあなたですね…」


ベリトはその男に刃物を向けながら問う。チェルノボグはその場に手をつき座り込む。


「あぁそうだ…俺が引き取り人のハルバスだ…スビカリには俺の作り出した薬で屈強な悪魔に作り上げたつもりだったが失敗か…やはり使えない金の亡者だ」


「薬だと…なんだそれ」


晃孝が後ろからスビカリの全てを問う。そしてハルバスはスビカリに与えた力について語り出す。


「まず俺の能力はどんな奴でも屈強な悪魔へと作り上げることが出来る。たとえそれが人間でも異世界人でも悪魔でもな…そして俺は開発したんだ薬を…スビカリに飲ました薬は俺の能力を形化させ全ての人に使える様にしたものだ…もうその薬は裏で沢山回ってるしな…」


「そんな薬が…だからあんな化け物みたいに…」


ベリトが倒れて動かないスビカリを見る。


「まぁスビカリには役目をちゃんと果たして貰いたかったなぁ…全く声をかける奴を間違えたか…まぁいいこれでおしまいにしよう…」


ハルバスはそう言ってスビカリの元に歩いて行き、右手をかざす。そうするとスビカリのしわしわになった肉体がウヨウヨ動き出す。そうして上半身の肉がだんだん下半身へと動いていく。スビカリは下半身だけ筋肉がムキムキで上半身は下半身のところまで爛れて乗っかっているだけになってしまった。


「喋れないのも酷だな…しょうがない喉の筋肉は戻してやるか......」


そうしてハルバスは爛れたスビカリの上半身を起こし喉に触り筋肉を下半身から少し戻した。そうしてスビカリは喋れる下半身お化けへと姿を変えた。


「金…金ェ…か…金…金…金金金金金金金金金金金金金金金金金…金」


「喋れるって言ったて金しか言わねェーじゃねェーか!!」


完全に晃孝はスビカリの屑さに呆れている。


「そうさ…こいつの精神だけは帰ることは出来ないからな…」


「金ェェェェェェェェェェェ!!!」


そうしてスビカリは物凄い速さでチェルノボグに近づきどでかい肥大した足でチェルノボグを突き飛ばす。チェルノボグはその突撃してきたスビカリを両手で止める。


「クッソォォォォォォ!!さっきよりも威力増してるぞ!!」


しばらくスビカリの突撃に耐えることが出来ていたが次第に抑えることが難しくなり吹っ飛ばされる。そしてそのままスビカリは物凄い速さで飛んでいくチェルノボグに追いつきチェルノボグを蹴りつける。そしてチェルノボグは上へと打ち上げられる。休む暇を与えることもなくスビカリは全ての体重を使いチェルノボグを踏み潰す。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


そしてハルバスはそんな変貌したスビカリを笑っていた。


「あの時はお前に勝利を譲ったが次は仕留めてやる!!」


ベリトが刃物を握りしめ、ハルバスに襲いかかる。ハルバスはニコって笑い刃物を刃物で受け止める。


「勝ったつもりはない…だがお前は俺に勝てない…」


「それは僕の戦いを見てからにしてください!」


両者ともに刃物を跳ね返させ後ろへと後退する。そして両者物凄い速さで敵に近づき刃物を振るう。何回も刃物を振るうたくさんの刃物どうしがぶつかる音がする。左で刃物がぶつかりその次は右次は下と何回も色々な場所で刃物がぶつかる。何発かは両者とも頬などにかすって血が吹き出した。


「まだ俺の力を理解していないようだな…手加減している俺と互角なのだぞ…」


ハルバスは普段の姿でベリトと戦い完全に舐めきっていた。


「じゃあ本気出してみなよ!!!」


「そう言われると尚更嫌になるなぁ…」


まだ両者共に攻撃の手を休めない。ベリトはハルバスの刃物を手を地面につき側転するように避ける。そしてまた避けた先にハルバスは刃物で襲う。それをベリトは刃物で受け止める。剣技の攻防はまだまだ続く。ベリトはどんどん押され後ろへと刃物を刃物で防ぎながら下がっていく。ベリトはそれを後ろにバク転をして避け、またハルバスに狙いを定め一気に避けた分の間合いを詰め刃物を振り抜く。ハルバスは刃物でその攻撃を防ぐがその攻撃を受け止めきれずに後ろへと反れる。そしてベリトはその瞬間を見逃さずハルバスの左横腹から右横腹を斬る。ハルバスはその攻撃を喰らうがすぐにハルバスはその場で回転しベリトの右横腹を回し蹴りして何とか間合いを戻す。


「面白い…あの時より数段強くなっているな…」


「早く本気出した方が身のためなんじゃない?」


そしてベリトは空いていた間合いを一気に詰める。ハルバスもまた刃物を構えベリトを待ち構える。ベリトはハルバスの近くに来て右から首元を狙う。ハルバスはそれを刃物を横で構えガードする。しかしベリトは思い切り振りぬこうとしてくる。ハルバスはそれを上手く後ろへと受け流す。そしてすぐさまベリトの顔面を狙って刃物を突き立てる。ベリトは流された手をすぐさまハルバスの刃物へ合わし上へと弾く。そしてその弾いた反動で左回転しながら敵が正面に来た時にの右下から左上にかけて刃物を振り抜く。ハルバスはそれを刃物の先を下に向けベリトの刃物に合わせてガードする。休む暇もなくすぐさま次の攻撃を仕掛ける。絶え間なく刃物がぶつかるがその中で刃物をぶつかった時に前で回して弾いたり、その刃物に沿いながら避けたり、空中で回転したりして刃物の斬撃を避けたりした。


「敵さん敵さんそろそろ出せるんじゃないの?」


「そんな急がせるなよ…まぁ楽しもうじゃないの」


両者とも刃物の攻防の中でも喋ることが出来る余裕がまだあるようだ。しかし両者とも弾いてすぐに敵の攻撃を避けることができず何発かは喰らっていた。その度血を吐くが気にせず何回も刃物を振り続ける。当たりに金属がぶつかり合う音が大きく響き渡る。刃物がぶつかり合い火花の様なものも沢山見ることが出来た。しかしベリトは刃物の攻防戦の途中で急に地面に手をつき左側転したと思ったらハルバスの刃物に足をちょうど当てて刃物を吹っ飛ばした。そして何も武器がないハルバスに向け刃物を突きつける。そして完璧に1本入ったと確信したベリトだったがハルバスは背中からもう1本のナイフを取り出しその刃物をいとも簡単に止めてしまった。


「どんだけ出てくるんだ!?」


「答えは無限だよ」


と言い少しさっきよりも長めの剣の様なものを取り出した。ベリトはすぐさまハルバスの剣を弾き改めてハルバスの後頭部に向けて刃物を振り抜く。しかし刃物と剣ではリーチが全く違くハルバスに刃物が届く前にハルバスの剣がベリトの腹を突き抜けた。ベリトは血を吐きながらその場に倒れ込む。

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