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スイング・バイ・ニビル  作者: 粂田
9/12

星を渡る船2

 旅は単調だった。退屈な火星の人工衛星とのニアミスの話はやめて、ここで私の旅の目的を説明しておこう。ある時、地球人類はひょんなきっかけで温暖化を止める方法が無いと悟った。光合成触媒の発見によって、空気中の二酸化炭素をあっという間に削減しても、地球温暖化が止まらなかったからだ。すっかりふてくされた環境関連の科学者たちは、「地球の海面は何をやっても結局上昇する」と結論づけて、海抜の低い大都市はすっかり打ち捨てられて都市はことごとく海抜の高い土地に移っていった。(ちなみにナイロビやラパスは海面上昇以前から水没の危険が一切ない都市で、アメリカや日本が遷都でもたもたしている間に世界の中心として発展を加速させた。スイスのベルンは充分に発展していたらしく大きな変化はなかった。)世界中が都市計画ラッシュになり、躍起になって最新の技術で自国の新しい首都を飾りたてようとする中で、レアメタルクライシスが発生した。要は資源が足りなくなったのだ。地球に無い資源は外から取ってくるしかない。特に重金属がありそうな場所は火星、金星、月、太陽系外の地球型惑星だが、火星と金星は近いが本当にレアメタルが掘れる状態で存在するか怪しい。月はもっと怪しい。理想的なのは地球よりほんの少し大きくて、気象が穏やかな惑星だが、そんな都合の良い惑星は太陽系の中には無いため太陽系外で探すことになるが、遠くて時間がかかるため、先遣隊は早く出すに限るといった次第だ。ちなみに私が太陽系外に出張している間に、火星や金星、ガニメデやタイタンもそれぞれ有人や無人で探査することになっている。何にせよ取り掛かるのは早い方が良い。

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