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Q.隣にいる魔王から5m以上離れないで世界を救うにはどうすればよいか?  作者: ねここねこ
終章 終わる世界の勇者と魔王
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Q.64 Over deep blue

決起導入編。

「ほう、ではいよいよ神に反旗を翻すというのだな?」


「はい。その為にはテラ様、貴方と貴方の国の力が必要です」


 純白の都市の最深部、王の謁見の間。

 垂れた前髪の隙間を縫って盗み見た彼の王の口元は、微笑によって歪められていた。


「ふん、そう言いつつ駒として扱おうという気概が隠しきれていないぞ?」


「あは、やっぱりバレちゃいました?」


 顔を上げ姿勢を崩す。やっぱりこの人の前では隠し事は意味をなさない。お互い殴り合うような言葉の応酬こそが相応しい。


「読心の能力も『人類の技術』にあったりして。あ……だとしたらこのお話無駄ですね」


「何処の馬の骨とも分からぬ輩が斯様な口を利こうものなら即刻首を跳ねてやったところだがな、貴様は別だセトラよ」


 スルーですか。対外秘みたいなものなのでしょうか。まあかつてのミラ様程度に自信がある人以外は自分の持った力をそう披露しませんよね。「人類の持ちうる技術ならば再現できる」力にも興味深々なんですけどねぇー。私達みたいに未来なんかも視えちゃったりしてるのかが気になるところ。


(お兄様は何だかんだセトラに甘いよねー)

(それは……セトラお姉ちゃんくらいしか対等に話せないからだと思う。……多分シロお兄ちゃんでもだめ。ミラお姉ちゃんは……論外)

(お兄様人間が大好きだもん。自分の国を除けば人間以外はどうなってもいいってくらいに)

(それにしても一国の王にしては礼儀がなってませんわ。あれじゃあお父様に叱られますので)

(あはは……ごめんなさい。お兄様は謙ることを知らないからなぁー)


 ひそりと会話を交わすフレイヤちゃんとソルレーヌちゃん、ルミエールさんの声が微かに聞こえる。それ程までに高評価を得ていたなら嬉しいですけどね。きっとテラさんは私の事ぶっ倒したくて仕方ないだけだと思うんですよ。いや、割と本気で。やー、あそこで勝っちゃわなければなー。どっちみちシロが助けに入ってくれてただろうしって考えちゃうと、とても損した気分だったり。熱くなっちゃった時点でもう負けだったのかもしれませんけど。


「何故なら貴様は駒の扱い用が他とは違う。使い潰し、使い捨てるような真似はせん。良かろう。我が兵力、十分に使うが良い」


「わ、前と違って物分りが良いですね! ありがとうございます!」


(……お姉さんって結構命知らずだよね)

(あれを計算してやるから、セトラお姉ちゃんは……強敵ライバル

(フレイヤちゃんも負けてられないんじゃない?)

(ぐもん。負けてるなんて思ってないもん)


「して、セトラよ。シロは来ていないのか?」


 もうこれ以上この話題について話す事はないと判断したのか、人類王は会話を切り替える。

 王様は勇者にご執心のようですね。うんうん、良いことです。どんどん私から興味を無くしてください。そのほうが厄介事に巻き込まれにいかなくて済みますので。

 最早回答へ至るまでには数秒とはかからなかった。此処ぞとばかりに、矢継ぎ早に話し始める。


「シロ達だったら今頃――」


~~~


「うおーーっ!! はえーーっ!! 死ぬーーっ!!」


 時速およそ200km、大陸間を翔ける速さで宙を舞う。天気は快晴。雲を超えていけばきっとそこには

 ちなみにアホみたいに声を上げているのは、俺ではなくウェンだ。昔ならば俺も同様に絶叫を喚き散らしていただろうが、過去数回に渡って行われたミラやガブリエルとの空中遊覧ですっかり高所に慣れてしまったのか、全くと言っていいほど恐怖を感じなくなってしまった。最も、一番の原因は「翼の天使魔法オフィエル」にあるんだろう。「落ちない」事が確定しているのといないのでは、感じる恐怖も大きく変ずる。ミラに飛ぶってどんな気持ちなのかと聞こうとしたこともあったほど憧れていた力が、今この身に宿っている事が上手く実感できない。なんともまあ不思議な気持ちだ。

 と、そんなことを考えていると不意に水の都ラ・ブールでの出来事を思い出してしまう。ミラに落とされかけたりしたけど、あの時空から見た景色はきっと今後も忘れられないだろう。街並みとしてももちろん綺麗だったが、それだけじゃなかった。少なくとも俺の中では。

 

「空飛ぶの久しぶりだな! なんつーか楽しいよ!」


「えー!? なにー? きこえなーい!!」


 この速度で飛行しているのだから当然か。ウェンほどの断末魔じみた悲鳴でも上げなければ声は届くはずもない。

 

 ふと視界の端に映る、雑巾を摘むかのような持ち方で運ばれるウェンと目が合う。同然のごとくブランブランと空中ブランコ状態でいつ落ちてしまってもおかしくない状況。あうあう、と口をパクパクさせ、いい年して泣き出しそうな顔で助けを乞う彼の姿が凄まじく痛ましい。

 確かに。そりゃ悲鳴の一つや二つや三つ、ポンポンと出るだろうな。

 ひどく不憫だった。とても。


「えへへー♪ たのしーねー、おにーちゃーん!」


 そもそもウェンがああなってしまっているのは、俺の手の中でころころと笑っている元天使の我儘のせいなのだ。

 俺がガブリエルを抱えて、ミラがウェンを抱えて(摘んで)飛んでいる。本来ならば逆なはずなのだが、「おにいちゃんじゃないとやーだー!」と普段ならばあり得ない聞き分けの悪さであの邪智暴虐魔王ミラを折らせたのだから恐ろしい。ここで「じゃあ私とシロだけで行くもんっ! ガブリエルちゃんとそこの人間はセトラ達とガーデン行きなさいよ!!」なんて怒りを露わにしなくなった辺りミラの成長が垣間見えるのだけれど、それはまた別の話。

 

「わたしねぇー? こうやってまた空を飛ぶ時は、絶対おにいちゃんに連れてってもらうって決めてたのー」


 きっと恐らくミラたちには聞こえない会話。


「ん、そうなのか?」


「うんっ! あの時とは逆。ほら、わたし、翼をなくしちゃったからねぇー」


 ――あの時とは逆。

 小さな翼でセトラの元へ、どうしても届かなかった距離をその身の全てを以て埋めてくれた幼い天使。間接的にとは言え、俺はこの子の翼をもいでしまったと同義なのだから。

 彼女は人間になりたかったと言っていたが、それでもこの景色を、俺がさっき感じたモノを感じ取ることすら出来ない。可能性の芽を摘んでしまった罪咎は計り知れないだろう。口に出そうものならば、ミラあたりが「あんたがそんなウジウジしててもしょうがないでしょ! ガブリエルちゃんがちゃんと生きているんだからそれでいいの!」などと説教を始めてしまいかねないので黙っておくけど。

 とどの詰まり、だ。それは小さな棘のように、チクリと胸の奥を突いていた。


「――でもね。だから嬉しい。あの時おにいちゃんが見てた景色を、今度はわたしが見せてもらえる。まだ知らなかった景色だから、それをおにいちゃんに手伝って貰いたかったんだ」


「…………そっか」


「へ? おにいちゃん!?」


 急旋回、次いで高度を上げる。

 もっと、もっと高くへ。


「ちょ、こらー! シロってば何処行くのよ!!」


 雲をこの身で貫きかけた所で背後から声を掛けられ、必死な形相で開きかけた距離を詰めながら追いかけてくるミラを認識する。

 やばい、迂闊に離れられないことをすっかり忘れてた。どうも慣れちまった節があるみたいでいけないな。


「悪い、ちょっと寄り道しようと思って」


「『寄り道しようと思って』じゃないわよ! 下手したら死んじゃうんだからもうちょっといたわりなさいよ!」


「悪かったって。でもほら――」


 見せたかった景色、見たかった景色が一面に広がる。足元を見なければ一面そこらじゅうに蒼が広がっていた。地上から眺めるものだった空が、もう手の届くところに在る。在るというより居るの方が正しいのかもしれない。肌で感じる風さえなければ、それこそ海だと信じてしまうほど蒼く、深く染まった天に、そこにいる誰もが暫しの間言葉を失っていた。背面にはいずれ目指すべき場所が。けれどそこへは目もくれずに。


「……ありがとね」


 何秒滞空した頃か、ぽそりと聞こえた天使の声。

 首だけ傾け、振り向いた彼女の顔を見やる。


「えへへぇー」


 ……うわ、すっげえ破壊力だ。

 溢れんばかりの無垢な笑顔。まるでこの世の綺麗な部分の上澄みを体現したような純粋さは、まともに見るのすら眩しくて、 


「な、なんだよ、いつもに増して間延びした声になってるぞ」


 つい顔を逸してしまう。 


「嬉しかったよ、おにいちゃん!」


 ………ああ。


「あ! 見えてきたよー、魔界!!」


 だったら良かった。そう続けようとした言葉は彼女の歓声に遮られた。またもや見知らぬ景色に彼女の声色が柔らかに弾む。嬉しそうに回した腕へとしがみついてくれる彼女には、確かに天使あのときには無かった温もりがあった。

 徐々に速度を取り戻し、本来の目的地へと方角を合わせる。風を割く轟音が意識に主張しかけてくる頃に、悲痛な声が耳へと届いた。

 

「……だ、ず……げで…………!!」


 …………。


「先に言っとくけど、多分帰路も同じ目に遭うぞ?」


 感傷的な気分をぶち壊された八つ当たりにと、過酷な現実を突きつけてやった。ウェンはと言うと余りにもあんまりな現状を前に意識を手放し、命を無防備にもミラへと預けていた。本人に意思はないが愚かである。ミラに命綱を預けて気絶をするなど愚行にも程がある。

 

「あら? ようやく静かになったわね。いい子いい子」


 こんな小さな声が聞こえるはずがない。

 だと言うのにやけに鮮明に聞こえた悦に戦慄し、僅かな時間ながらもガブリエルとの談笑を愉しむことへと心血を注ぐことにした。



「――入れ」


 いよいよ目的地へと辿り着く。わざわざセトラ達と行動班を別けてまで目指した場所。

 かつてこっそりと潜入し、ロノウェと二、三それぞれの思いと言葉と共に交わした此処は魔王城だ。ガーデンとは違った趣の王座のある間を前に、近衛兵と思わしき魔物は重苦しく口を開く。


「なによ! 私が誰か知っての口の利き方なの!? これでも元魔王なんですけどー!」


 ぶっきら棒で乱雑な扱いに腹を立てたのだろう。ミラが扉を前にして近衛兵に食って掛かった。


「お許しを、ミラ様。しかし我々の仕える王は貴女ではないのです」


「ふーん、でもその王様も今はトンズラこいたんでしょ~? だったら私が座についてあげようか? メギドラには荷が重いのよ、やっぱり」


 ……ミラは魔族としての力を身に戻す為にお淑やかさを犠牲にしたのではなかろうか。傲慢さがまた表に出てるというか、成長して居るのは確かなんだが……。どうも見ててハラハラしてしまう。


「いえ……そうですね。この扉を開けてお入り頂いたらよろしいかと。きっと貴女でも納得するでしょう」


「……はん、納得ねえ。私が納得して座を譲るやつなんて片手で足りるくらいしかいないんだけど」


 悪態を着きながらも扉へと手をやる。それに呼応するように、俺はもう逆側の扉へと力を込める。

 白亜の宮殿とはまた異なる優美さ。禍々しくも美しい玉座に腰を据えていたのは、俺達もよく知る人物で――。


「お待ちしてました。おかえりなさい、お姉ちゃん」


~~~


「とまあ、このような感じだろうな。此処へ協力を仰ぎに来たのと同様に魔界にも手を付けたか。悪魔なんぞと間接的に同盟を組むとは甚だ迷惑な話だが……致し方ない」


「えっ……。私に聞いた意味は……?」


 勝手に一人納得して、勝手に一人で反芻するように話し始める王様。置いてけぼり感が半端じゃないですね。フレイヤちゃん達はもっとでしょうけど。

 それにしても、やっぱり色々見えてるじゃないですかー。……この分だと本気で読心もできちゃいそうですね。


「いや、セトラがシロの話がしたくて仕様がないと言った風だったのでな」


「そっ、そんなことありませんー!!」


「はは、そう焦らなくても良い。悪趣味であると鑑みながらも一部始終・・・・は見せて貰ったからな。魔王の娘だけでなくそこの小娘とも宜しくやっているとは、あれはあれで中々よ。英雄色を好むとはよく言うが程々にと伝えておいてやるがよい」


「……む、小娘じゃない。フレイヤ」


 小声で反論するフレイヤちゃんは可愛いけどひとまず置いておいて。

 み、み、見られてた!? あんな本心丸出しの歴史上まれに見る黒歴史を――!?

 だめ、悟られてはいけません! 心を閉ざして拒絶するのです、私!

 

「……知ってます? 覗きは普通に犯罪ですよ?」


「ははは! 何故法を敷く我が法に裁かれようか! ……。…………いいや、此処は素直に謝罪をしよう。興味があった。見たかったのだ、この星の往く末を。担うものたちが未来へと如何様な種を蒔くのかを」


 大笑いだしたと思ったら、今度は急に憂いを帯びる王様。

 感情の起伏が忙しい方ですね、全く。この人に付き合える人間は余程の変人だと私は思います。


「なに、我とて先は短くない。それ・・くらいは視えている」


 視えている。そう人類を統べる王は口にした。

 視えていても、視えていたからこそ外界を遮断し、自らの手の届く範囲のみを守ろうとした彼が。

 私達はそれほどの信頼を得ているんですね。シロに救われて、伸し掛かっていた重りは取り払われたと錯覚してましたけど、再確認しました。これから対する敵はその覚悟に足る相手なのだと。 


「お兄様……」


 不安そうなルミエールちゃんを見て豪奢な椅子から立ち、彼女の元へ歩み寄るテラさん。


「唯一の不安といえば、そうだな。お前の面倒を見てやれぬ事か。どれ、兄として何もしてやれなかった代わりと言ってはなんだが――」


 何を想ったのか、唐突に反応する魔力に周囲の気がざわめき立つ。

 どこからどう見ても、目の前のソルレーヌちゃんに対して魔法を行使しようと――、


「待てセトラよ。止めてくれるなよ?」


 なおも大気の震えは収まることを知らない。

 おおよそ補助系呪文とは思えない。あれは間違いなく何かを破壊することを目的としている。

 止めるべきだろうか? このままじゃきっとソルレーヌちゃんは……。

 私の混濁した思考を読み取ってか、人類王の顔が僅かにゆがむ。案ずるな。そう問いただされるような未知の感覚に体のコントロールを……奪われる……! 


「ソルレーヌの身に巣食っているのだろう? 貴様等天使をこの国へと招いた覚えはないのだがな」


 膨張した魔力の渦が収縮した瞬間。

 ソルレーヌちゃんの体から吐き出されるように宙へ舞う半思念体。

 

『あらあら、お兄様ったら乱暴はいけないのよ?』


 あれは……魔界でシロ達と交戦した女の天使!?


「……全然気が付きませんでした。一体何時ソルレーヌちゃんの中に……!」


 思念体越しでも伝わる原作オリジナルの規格外の迫力に押されてしまう。それでもテラさんはと言うと涼しい顔でふわふわと宙に踊る彼女を見つめていた。


「ふむ、見た限り危害は加えていないようだな」


『ええ。単に情報を得ていただけですもの。こう見えても私、可愛いものには弱いから』


「はっ、原罪の一人・・・・・が何を言う。片割れが恋しくて始めたのは愛の真似事か?」


「あら酷いわ。誰だって平等に愛を振るう権利はあるのよ?」


「……毒婦が。失せるが良い。貴様の勝ちはあろうと我等の負けは有り得ない」

 

 その言葉を最後に、怒りとは異なった、憐憫の情に似た感情のまま思念体を打ち消したテラさん。

 それは神へ見せる嫌悪のようでした。テラさんが人こそを好み、愛し、守ろうとした理由を垣間見た気がして。

 

 彼はソルレーヌちゃんの意識が戻ったのを確認して、次は私の方へと向き直った。その姿は王のものというよりは兄のものだった。肉親を想う、初めて出会ったときにも幾度か垣間見た人類王の人間としての姿がそこにはあった。

 

「……セトラ。今一度希う」


「はい、なんでしょう」


「星を、未来を、人を救ってくれ。終ぞ我には成し得なかった。相手はこのように一枚岩ではない。きっとこの先も厳しい戦いが待ち受けているだろうよ。だが、どうかこの願いだけは叶えてくれないか」


「もちろんです。けど、救うのは私じゃないですよ」


 振り返ると、そこには同じ決意を持った顔が。

 フレイヤちゃん、ソルレーヌちゃん、ルミエールさん。皆想いは変わらない。

 

「私達が、皆で救うんです。そこには貴方も入ってますよ、テラさん」


 って、あの人ならそう言うに決まってる。

 だってそれでこそ、私が付いていこうって思えた人なんだから。


~~~


「手を取り合いましょう。世界を、愛する人を守るために」


「……まさか、ノルンが魔王に、な。ああ、もちろんさ。これ以上頼もしいことはない」


「魔王代理、ですけどね。ほぼ壊滅状態に近い魔界ですが持てる力はすべてお貸しします」


 柔和に微笑むノルン。対象的にミラはやや不満をいだいているようだった。


「なんで前に立つのよ。良いことなんてなにもないってわかってるはずでしょうに」


 それはきっとメギドラとの確執の事だ。妹を案じた思いが不満へと転じる辺り姉妹愛の深さを再確認させられる。 


「お姉ちゃんと同じ。守りたい場所が、人がいるから……」


 それはきっとシャドの事だ。悲しそうに縋る彼女をみる限りまだ彼は姿を現してはいないのだろう。

  

「はあ……。何やってるのよシャドってやつは。未来のお義姉さまに挨拶もなしとか完全舐めてるわ。いい、ノルン? あんたが幸せそうに暮らすのを見届けるまでは絶対に死なせないから。約束するわ」


 死なないよう約束するんじゃなくて、死なせないのを約束するのか。


「はは」 


 ミラらしいなと、ちょっと可笑しくて笑ってしまった。


「な、何よう! 温かい姉妹愛のシーンなんだから黙ってなさいって!」


 その意味をきっとミラはこう答える。

 戦場では想いが強い奴ほど生き残るんだ、と。

 何時だったか、長い封印の中で自分たちが生き残った意味を問うたときの答えだったか。

 

「……うん。うん、帰ってこような。俺も約束する」


 あの時の俺にそんな強い意志があったのか、それはもう今となっては覚えてすらない。

 だけど今回は願う。

 未来を歩めるように、と。

 平穏を掴み取れるように、と。

 

 ――いよいよ最後の戦いが始まる。


え? クアさんがいないって?

やだなぁ、寝てるだけでセトラチームにちゃんといますって。


今回はそれぞれの決意を。

次回引き伸ばしに引き伸ばしましたけど開戦です。


たくさんのブックマークありがとうございます!

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twitter → @ragi_hu514


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