表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

第一印象の重要性

 力のある者が勝つのではない。臨機応変に動ける者が勝つのである。

 これは、師匠の言葉だ。

 彼がいなくなってから数年。俺は、アンタにとって理想な男になれただろうか――。


 街灯に照らされていない狭い路地裏を走る。

『こちら、サード。戦闘姫は三時の方向へ移動する』

 イヤホンから聞こえてくる淡々とした声を頼りに、俺はひたすら足を動かす。

 逃亡を始めてから十数分が経過。日常的に身体を鍛えていない者であれば、脳が休息を求めてやまないはずだ。

 しかし、奴の追うスピードは遅くなるどころかむしろ速くなっている。

 厄介な女だ。そろそろ次の手を打つ必要があるか――。

 俺は胸元につけた小型のマイクに、できるだけ声を殺して問いかける。

「あとどれくらいかかる」

『体力がない犯罪者はすでに捕縛されました。それに比べセカンドは、さすがですね。これだけ走っても息を切らせていない』

「今はそういう答えを求めていない」

『少しイラついていますか?』

 キッと右斜め上を睨む。

 サードが身を隠している場所は、俺が逃げるルートをよく見渡せるところ。すなわち、自分から見て右側に見えるマンションの屋上にいる。

『そう怖い顔をしないでください。整った顔が台無しですよ』

「そう思うならまともな答えを用意しろ。それとも意味のない会話をする余裕ができたのか?」

『……普段通り、であればあと二分で撒けるでしょう』

 その言葉を強調した時点で理解した。

 どうやらサードも俺と同じ気分らしい。彼女が前線で意味のない会話をする時は、余裕がある時か、困った時の二択。

 すなわち、彼女にとってイレギュラーなことが起きているということ。

「現状は?」

『変化なし。犯罪者を利用した第一手を打ったにもかかわらず、戦闘姫との距離を離せていません。分かれ道に差し掛かればほんのわずかでも差を生み出すことができるはずなのに、迷っているそぶりがない』

「向こうも日々研究しているということだろ」

『確かに行動パターンを読まれている可能性は否定できませんが、次のT字路を左』

 サードの指示通り、即座に左折する。

 が、

『いえ、逆走してください』

「は?」

 予想していなかった指示に無理やり足を止めた。

「逆走? まさか真っ向から戦えと?」

『違います。ついに戦闘姫が魔法を使いました』

 魔法。体内に宿るエネルギーを利用し、摩訶不思議を引き起こすこと。誰しもが一度は考えたことがあるだろう。手から炎を出せたらすごいだろうなあとか、つまりはそういうものだ。

 ちなみにサードの言葉は、戦闘姫が空中に足場となる氷床を作り出し、空を移動し始めたことを意味する。先回りして俺の行く手を阻むつもりなのだろう。

「なるほど、それは厄介だ」

 言うが早いか俺の足はすでに動いていた。頭で判断するよりも先に身体が動く。よほど俺の身体は彼女の声を信頼しているらしい。

 あらゆる手段を考えながら走り続けていると、先ほど通り過ぎた十路地で冷気を帯びた空気を感じた。戦闘鬼が魔法を使った影響だ。サードの指示がなければ今頃通行止めに遭っていることだろう。

 脳裏に巨大な氷が浮かんだ。

 悪い印象というものは一番記憶に残るものだ。初めて戦闘姫に遭遇した時の出来事は今でも鮮明に覚えている。

 冷気を自在に操る戦闘鬼。

 そう。戦闘姫ではなく、戦闘鬼だ。

 世間一般から見た場合、戦闘姫はただの少女だろうが、それはあくまでも見た目にすぎない。裏の世界の住人からすれば、彼女は姫ではなく鬼である。

 それだけ魔法犯罪者を捕らえているということだ。

 だが第一印象が悪いのは、相手も同じだろう。今でもこうして俺という犯罪者予備軍を追っているのだから。

 引き続きサードの指示に従い暗所を駆け抜けていく。季節は秋。ちょうどよい寒さが火照った身体を癒してくれる。

「撒けそうか?」

『残念ながら状況に変化は見られず。いえ、むしろ悪化したことがたった今判明しました』

「何があった」

『どうやら戦闘姫はあなたを追い詰めるためだけに魔法を使ったわけではないようです』

 俺を追い詰めるためだけではない、ということは――。

「特定されたのか」

『はい。わらわらと迫ってきます。このままだと強姦されてしまいます。助けてくださいセカンド』

 などと言いつつも、完全な棒読み。

 やれやれ、もう少し感情を込めて発言したらどうだ。これでは使えそうに思えて使えない。

 そう指摘したいところだが、敢えてやめておく。

 サードに向けて右手の人差し指と中指を同時に立てる。

 事前に準備していた策の一つを講じよう。

「どうする、引くか?」

『そう、ですね。私的には引き続きあなたのサポートを行いたいところですが、その判断が一番得策なようです。戦闘姫ではないにしろ、相手は大量生産品を手にした特殊部隊。非戦闘員の私では数の暴力に圧倒されておしまいです』

「大量生産品、か。嫌な名称だな」

『当の本人たちは適性がなくとも魔法を使える便利な武器、とでも思っているのでしょう。それを作ってしまったせいで、魔法適性を持たない人の犯罪レベルが上がってしまったというのに。それではセカンド、いつもの場所で落ち合いましょう』

「互いに無事であればな」

 通信が途絶える。

 多勢に無勢という言葉はあるが、情報戦に長けたサードだ。うまく逃げ切るだろう。

 それよりも今は自分のことか。

 彼女に対する想いを放棄し、走る速度を上げる。

 目の前に差し掛かるのはT路地。右に曲がれば街灯が少ない暗所へ、左に曲がれば街灯が多い明所へ。もちろん選択する方は前者――。

 いや、待てよ。

 そこでふと考える。本来の目的について。

 政府の人間に拉致された妹を助けること。

 そう。それが俺たちの目的だ。

 今回は公的機関に関わる研究所を犯罪者に襲撃させ、騒ぎが起きている隙に潜入、妹に纏わる情報を盗み出すことを目的に行動を起こした。

 結果的には無為に終わり、現在このような状況に陥っているわけだが、今だからこそできることがある!

 差し迫ったT路地を左折し、暗所から明所へ続く道に移動する。

 今回は本気の本気。俺たちを捕まえる気が満々であることは、戦闘鬼がサードの居場所を特定しただけで十分だ。

 そう。暗所から暗所へ移動し、敵を欺いてきた俺たちが取る行動を理解して動いていることは間違いない。

 だからこそ、明所へ行けば――。

 まぶしい街灯により視界が極端に悪化する。道は開けた。

「よし、これで――ッ!?」

 直感が急ブレーキをかけた。

 刹那、凄まじい破砕音が鳴り響く。身体が反射的に防御態勢を取り、身を庇いながらバックステップで距離を稼いだ。

 空から落下してきた、もとい撃ち出されたものは巨大な氷塊だった。純度の高い氷が鏡の役割を果たし、俺の姿を映し出す。

「たまには直感に頼るものね。ねえ、セカンド?」

「最悪だ。アンタにだけはもっと良い第一印象を与えておくべきだった」

 戦闘鬼のお出ましだ。

 赤いラインが入っている派手な軍服を着た少女が氷塊の前に降り立つ。長い銀髪と共にミニスカートがふわりと捲れ上がったが、彼女は気にしない。

 ほんの少しの油断。戦闘においてのそれはコンマ数秒であろうと命取りだ。

「相変わらず綺麗な脚をしている。生半可な努力では手に入らないものだ」

「無駄よ。いくら褒めようと第一印象が変わることはないわ。初めて出会った時に感じたもの。それが第一印象よ。所詮あなたがやっていることは、第二第三印象を良くしようとしているだけに過ぎないのだから」

「それで追尾が怠るのであれば、意味はある」

「残念。むしろ先ほどの発言で、よりあなたという存在が脳裏に焼き付いたわ」

「おかしなことでも言ったか?」

「見るところが根本的に違うもの。あなたって、変わった人ね。視線がわたくしの顔や胸に向くのではなく、脚に向く人は初めて。それともただの脚フェチ?」

「考えたことすらないからわからない」

 戦闘鬼の言う通り、俺が一般人の感覚と同じであれば、彼女の脚ではなく顔や胸に目が向いていたのだろうか。

 彼女の容姿が優れていることは一目見ればわかる。別の仕事でモデルをしていると言われても違和感を覚えない。

「どうして逃げてばかりなの? たまにはわたくしの相手をしてよ」

「断る。鬼の相手は常人に務まらない」

「鬼だなんて失礼ね。わたくしが世間一般で何と言われているか知っている?」

「戦闘鬼、だな」

「鬼ではなくお姫様よ」

「だったら見た目通り、頭が弱い女であってほしいものだ」

「残念ながらわたくし、意外と頭は回る方」

「一つくらい弱点はあった方が魅力的に見える」

「完璧な女ほど近寄りがたい?」

「完璧かどうかは、自分ではなく他人が決めることだ」

 俺は後じさるのではなく、半歩前に詰めた。

 ここで戦闘鬼と命のやり取りをする。

 その選択は愚の骨頂だ。二年前に魔法が急速に広まったことで秩序が乱れてしまった日本の犯罪を主に取り締まる特殊部隊、CTT組織のナンバーワンに準備なく打ち勝とうなんて考えるのは、よほどの自信家じゃなければやらない。

 俺は自信家じゃない。自分の力量を把握し、状況に応じて臨機応変に動く戦術家だ。

 戦闘鬼の視線を追いながら懐に手を忍ばせる。

「無駄な足掻きをやめたら? そうやって、懐に隠し持っている何かを手にするそぶりで警戒させ、逃げる算段を立てる。あなたは絶対に戦わない。第一印象は根深く残るものよ」

「バレバレ、か。だったらアンタに危害を加えない存在を逃がしたらどうだ?」

「却下。危害を加えないにしてもあなたは政府が用意した腕輪を装着していない。イコール、犯罪者予備軍」

「魔法使用者証明腕輪、だったか?」

「魔法適性がある者には全員配っているはず。どうしてあなたは着けないの? 持っていないというわけではないはず」

「日常生活で魔法を使おうとは思わないからだ」

「嘘ね。悪いことを考えている連中はみんな着けない、位置情報を与えたくない」

「それだけだったらすでに着けている。魔力を感知した位置情報を即座に転送、映像化。プライバシーの侵害だろう」

「犯罪を未然に防ぐ、犯罪者を捕らえるためには必要なことよ。それに一定のプライバシーは守られているわ。腕輪はネットワークで情報のやり取りをしていて、日々学習をしているの。不要なものを映像化することはない」

「とはいえ、それを好ましいと思っていない連中は存在する」

「一部、ね。すべてあなたのような犯罪者やその予備軍よ。腕輪の装着を義務付けられてから、まともな人はみんな着けているわ」

「だったら俺は、はぐれ者なだけだ」

「着けない理由は何? あなたの真意を知りたい」

 やれやれ。

 表情には出さず、心の内で舌打ちをする。

 人間という生き物は、基本的に相手と目を合わせ続けることができない。

 それが異性であればなおさらだ。自然と顔を背けてしまい、目を合わせないように相手の違う部位などへ視線を移してしまうもの。

 にもかかわらず、戦闘鬼の視線は一瞬たりとて俺の目から離れない。

 否、それ以外の方法を用いても離れさせることができない。

「わたくしもいろいろ考えているの。どうしてあなたは魔法犯罪が起こった現場付近にいることが多いのか。偶然、ではないわよね?」

「さぁな」

「しかも犯罪者と協力しているわけではない。いえ、むしろそれを利用して何かを成し遂げようとしている?」

 正解だ。しかし、俺はポーカーフェイスを決め込み、彼女に悟られないようにする。

「わたくしは、あなたのことが気になって仕方がないの」

「好かれているのか? 俺は、アンタに」

「はぁ、これじゃあ埒が明かないわ。珍しくあなたがよくしゃべるものだから何か得られるかと期待していたけれど、あなたの身体に直接訊くことにするわ。拷問なんて、したくはないのだけれどッ」

 ――来るッ!

 俺にしか見えない魔法陣が出現したことで、身体がいつでも動ける態勢を取った。水色に輝く複雑な模様。そこから出現した冷気が戦闘鬼の手のひらに集まっていく。

 それが次第に形を成していき、一本の武器が出来上がった。

「切れ味抜群、傷はすべて壊死、おまけに傷口からの凍結も促せる。最高の逸品でしょう?」

 氷剣。彼女が得意とする武器の形状だ。

 純度が高く、気泡を一切含くんでいない氷剣が街灯の光を反射する。目暗ましにも使えるそれを俺に向け、戦闘鬼が好戦的な表情を作った。

 対して俺は、目を細めながら彼女の目を見つめ、視界の端で彼女の後ろにある氷塊を捉えた。

「一撃必殺とは羨ましい限りだ」

「得物を用意しないの? 防ぐものがなければ死が待っているだけ」

「避けられるという頭はないのか?」

「それも一つの選択肢。だけれどそれは、現実的じゃない」

「かもな。本来であれば俺も得物を用意していたところだ」

「……何を企んでいる」

「俺から目を反らして、周りをよく見てみたらどうだ?」

「その手には乗らない。あなたの戯言にわたくしは何度も惑わされてきたのだからッ!?」

 黄緑色の閃光が視界に映った。

 刹那、甲高い音が鳴り響き、彼女の利き手にあった氷剣を撃ち落とした。支配を失った得物は液状化し、役目を果たせなくなる。

 想像を遥かに超える反動だったのか、はたまた身体が準備を行っていなかったせいなのか、戦闘鬼が顔を酷く歪めた。おのずと視線も俺の目から離れ、攻撃が放たれた場所と俺を同時に視認できるところへ移動する。

 第二手は成功。さすがサード、俺を裏切らない女だ。

「遅かったな」

「これでも急いだ方です。後で文句を言わせてもらいますから」

 左後方にあった五階建てのマンションの屋上に向けてサムズアップすると、ツインテールに結んだピンク髪の少女がひょこんと顔を出し、銃口を戦闘鬼に向けた。

 サード。戦闘鬼の得物を撃ち落とした張本人、俺の仲間だ。

 戦闘鬼が目を細め、サードを睨む。

「どうしてあなたがここにいる」

「別におかしなことではないと思いますけど。私たちは戦術家。スポーツのように純粋な力を競い合っているわけではありません。敵を欺き、不意打ちを仕掛け、勝機を見出す。それが最も美徳ですから」

「まんまと騙された、ということね」

 唇を噛み、俺を睨みつけてくる。

「残念だったな。あいつの言う通り、俺たちはアンタと力比べをやっているわけじゃない」

 サードの居場所を特定された。その時点で今までの通信が全て傍受されていた可能性は非常に高いと判断できる。

 つまり、戦闘鬼は俺たちの行動を把握しながら動いていたということ。

 だからこそ、それを逆手に取った。

 サードが逃亡し、戦線から離脱したと見せかける。もともと俺を追っていたのは戦闘鬼一人。これに気付かれなければ、二対一という好状況が完成する。

 戦闘鬼の初撃に対して驚いたふりをしたのも、好きでもないおしゃべりを続けたのも、すべてはこのための布石。

 いくら戦闘鬼といえども、第一印象が最悪だった二人を相手にするのは得策ではない。

 それが分からないほど、馬鹿ではない。

「非戦闘員と言ったのもわたくしを油断させるため、だったのね」

「魔法適性が低い私でも、魔法使用者用に作られた武器、完成品を持っていれば立派な戦闘員ですから。魔力を増幅させる狙撃銃、ブレイザー・ヴェスパイン。音速を超えたレーザー砲。狙撃手としての腕、もう一度見せてあげましょうか?」

「結構。もう十分見せてもらったもの。その程度の距離では外してくれることが期待できないくらいはね。……それで? わたくしを不利な状況に追い込んでどうするつもりなのよ。人質にでもして身代金を要求する?」

 再度氷剣を出現させるわけではなく、無防備なまま俺の方を向く戦闘姫。

「アンタと戦う気はない。金にも興味はない」

「この有利な状況でも逃げの一手を取るというの?」

「愚問だな。今までの行動を見てきたアンタならわざわざ訊くまでもないだろ。しかし、この好状況下だ。少しだけ誘いに乗ってやる」

「意外ね、逃げに徹底しないなんて」

「サードからの催促がない。それだけだ」

 肩をすくめて言うと、彼女は俺から視線を外し、サードの様子を伺った。

 あまりにもの不用心さと無防備さに警戒するところだが、幾度となく彼女に追われてきたからこそ分かる。

 これは罠ではなく、生きることだけを選択した行動である。

 戦闘姫が俺の方に向き直った。

「よほどあの子のことを信頼しているのね。それで、わたくしに訊きたいことは?」

「話が早くて助かる。筒美下綾乃、この名前を聞いたことはあるか?」

 妹の名前だ。知っていれば一番手っ取り早いのだが、

「筒美下、綾乃。残念ながら記憶にないわ」

「そうか。だったらもう一人の方だ」

 政府側の人間。綾乃の拉致に一番関わりの強い者。

「三嶋優斗。こっちはどうだ?」

「え?」

 戦闘姫が意表を突かれたと言わんばかりな表情をした。

「どうしてあなたが先生の名を口にするのよ?」

「先生? その様子だと三嶋優斗のことをよく知っていそうだな」

「ええ、だって先生は――」

「セカンド」

 サードが戦闘姫の言葉を遮った。

 タイムアップらしい。戦闘姫率いる特殊部隊の優秀さに舌打ちをする。

 話を続けたいところだが、こればかりはしょうがない。

 すぐにその思いを断ち切った。

「次の機会に訊こう。二度と遭いたいとは思わないが」

「必ず出遭うわよ。だって、わたくしから捕まえに行くもの」

「ストーカーは勘弁願いたい」

 マンションから恐ろしい速度でワイヤーが降ってきた。地面に突き刺さったそれを掴み取り、一気に屋上へ引き上げてもらう。

 遠くなる戦闘姫の姿。俺の姿を目で追うだけで、やはり追ってくる気はないようだ。

 夜風に流された甘い香りが鼻腔をくすぐった。

「よかったのですか、脳裏に焼き付けるような真似をして」

「リスクを負わなければリターンは見込めない。今回はそれ以上のものを得たから十分だ」

「確かに。戦闘姫に関する情報を集める必要が出ましたね」

「待っていろよ、綾乃。必ず俺はお前を見つけ出す」

「俺は、ではなく私たちはです。それではセカンド、彼女の気が変わる前に移動しましょう」

「そうだな。鬼に変わると厄介だ」

 あらゆる建物の上を移動し、戦闘姫と距離を稼ぐ。

 どうやら秋の肌寒さでは、一度火照った身体を完全に冷ますことはできなさそうだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ