下級人型魔族な私と魔貴公子なあの人
電波が参りました。
魔界な人々シリーズです。
よろしくお願いいたします♪
うーん、なんでこの人腕のなかにいるんだろう?
「ちょっと…離してくださいよ。」
私を完璧に抱き込んで寝るオレンジがかった肌にオレンジの短い髪の男の筋肉質の胸を押し返した。
「なんだ、足りないのか…淫乱め。」
妙に色っぽい声で言って余計だきこまれてキスされた。
い、淫乱…淫乱だよー。
しちまった、知らない魔族と!
見合い前に!
私はエゼル・ヴィアセル、単なる下級人型魔族の女だ。
一応下級人型魔族の義務として高位魔族との集団見合いというか顔見せを近々予定がはいっててさ、まあ、私の住んでるところの黒家の当主は変わり者で下級人型魔族には興味ないみたいだし…なんか翆家の深窓の令嬢を嫁にしたとか聞いたけど…。
「なに考えてる?」
甘く頬をなめながら男性がいった。
「あなた、誰ですか?」
身体の痛みは間違いなくやっちまったといってるけど。
「わすれたのか?」
そういいながら再び抱き込まれて…。
「ヤヘツーサ!ミゼル様のお友達と結婚したってどういうことですの!」
うつらうつらしていたら綺麗な女性の声で目覚めた。
「姉上…夫婦の寝室まで入らないでいただきたいのですが。」
さっきの男性の声がすぐそばでする。
だ、抱き込まれたままですか?
「あら!めでたいのですもの!ミゼル様に会いに来てたのを捕まえたそうじゃありませんの。」
美しい女性が言った。
そう言えば…ミゼルちゃんが魔王妃様になったから橙家のお屋敷で会いたいって言うんで昨日のこのこ来たんだった。
魔王宮なんて大罪をおかして滅されるときいがいいきたくないもんね。
だから、お友達の橙家のご令嬢に場所借りたってミゼルちゃんが言ってたけど…ミゼルちゃんに会う前にこの人にあったんだ。
橙家の使用人に廊下を案内されて歩いていたら向こうから高位魔族の貴公子が颯爽とあるいてきたんだよね。
だから一応下級人型魔族のマナーとして横によってお辞儀したんだよ。
学校で習うしね。
『誰をつれている?』
貴公子が足を止めて私に目を向けた。
『魔王妃ミゼル様のお友達様でございます。』
使用人が慎ましやかに目を伏せたまま言った。
『…下級人型魔族なのか?』
貴公子がニヤリとした。
『さようでございます。』
中級魔族なコボルトな使用人が言った。
『……なるほど…よし決めた。』
貴公子がオレンジの目をきらめかさた。
え?あの何が起こったんでしょうか?
私は次の瞬間貴公子に抱き上げられてた。
『あの~?』
私は戸惑った。
『姉上とミゼル様に伝えておけ、嫁にもらったと。』
貴公子がそういって私を抱きあげたまま転移した。
そこから覚えてない…だいたい私、転移に弱くってさ。
ここまで来るのに飛行獣使ったくらいで…。
「さて、ヤヘツーサも下級人型魔族の妻をめとったことだし、もう橙家も安泰ですわね!お祝いのケーキを焼かないとですわ!ね、イルファセアさん。」
男性とよくにた美人なご令嬢がいった。
扉のところに白い髪に青い羽根の美人がたっていた。
「旦那、おめでとう、私も肩のにがおりたぞ。」
美人が腕組みして言った。
「イルファセア…お前まで覗くなんて…正妻の別棟からわざわざ出てきたのか?」
男性…貴公子が身を起こして言った。
「とりあえず着替えてから話しましょう、ミゼル様も待ってますわ。」
ご令嬢がニコニコ言って部屋からでて扉を閉めた。
「乱入した姉上がいうな…。」
貴公子がお腹を押さえて言った。
「私はどうすりゃいいんですか?」
動けませんけど?
あの正妻様に虐殺されるのかな~?
突然夫の寝床に下級人型魔族なんかいたらいやだよね。
願わくは苦しめないでほしいな。
「すぐに世話をさせる、実家はミゼル様と同じ黒家の領地だったな。」
やっぱりお腹をおさえながら言った。
「お腹が痛いんですか?」
私は貴公子の引き締まったお腹をさわりながら聞いた。
本業は薬師だからなんかきになる。
「誘ってるのか?」
貴公子が私の手を持った。
わー、しまった~。
気を付けよう…不用意な接触。
しばらくして豪華なソファーに座った貴公子の膝の上に抱き込まれたまま思った。
「エゼルちゃん…大丈夫?」
ミゼルちゃんがいつも通りの超美人な顔で言った。
本人は自覚ないし…人界でアルバイトなんかしちゃって魔王様に捕まってるしさ。
「ミゼル様、エゼルというのですか?」
貴公子が聞いた。
あんた、名前もしらない女とあんなことしたんかい!
「え…ええ、エゼル・ヴィアセルちゃんといって頭がよくて薬師してるんです。」
ミゼルちゃんがふるえながら言った。
「薬師か…それはいいひろいものをした。」
くっと貴公子がわらって私に口付けた。
「そうね、ヤヘツーサ胃弱ですものね、良かったわ!さあ、ケーキをどうぞ。」
ご令嬢が二段重ねの苺の沢山のったケーキを切り分けた。
「胃弱…。」
私が見上げると貴公子が微笑んだ。
「姉上がとっぴなことをしなければ私も胃痛を起こさないのですが…。」
貴公子が苦笑いを浮かべた。
「良い嫁をもらったな。」
正妻様が優雅に紅茶をのんで微笑んだ。
高位魔族の正妻様っておうようなのかな?
悪寒とか邪気を感じないんだけど。
「ヤヘツーサ!父に黙って嫁とりとはどういうわけだ!」
扉が勢いよく開いて貴公子とよくにたオレンジの高位魔族が叫んだ。
「お父様、脅かしては行けませんわ!」
ご令嬢が高位魔族をシールドで牽制した。
「ヤヘツーサには最高の下級人型魔族をと。」
高位魔族がいいながら私をみたとたん口をつぐんだ。
「…大事にしろ、害さないからシールドをとけアールセイル。」
高位魔族がそういってシールドが解かれたとたんソファーに座った。
「そうですわよね、かわいいですものね、エゼルさん。」
ご令嬢…アールセイル様がそういって微笑んだ。
凄く大歓迎なのですが…私、旦那様の名前もしらないんですが…。
下級人型魔族に生まれた以上、一定の割合で高位魔族の特徴をすべて引き継がせるための嫁になる可能性があるとはいえ突然はこまるんだよー。
患者様の情報、薬師仲間に引き継がなくちゃだしさ。
気の迷いって言うことで帰してくれないかな?
私、ミゼルちゃんみたいに超美人じゃないしさ。
もっと美人を嫁にしなよ。
「なんだ?」
見上げると貴公子が聞いた。
「うちに…。」
私がいいかけると
「きちんと連絡はさせた、エゼルの部屋は準備中だ。」
貴公子様がそういって首もとにキスした。
「では、私がコーディネートしよう。」
正妻様が麗しい笑いを浮かべた。
あの…やっぱり虐殺コースですか?
私、うちに帰りたいんですけど。
犬に噛まれたとおもって帰してください!
忘れますから~。
駄文を読んでいただきありがとうございます♪