救世主の楽園
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広い学園の広い体育館に、二人の少年は向き合って立っていた。二人の間には、約10mの距離、格好は学園指定の体育着。青い短パンに白い半袖。
その二人の数m離れた場所に同じ格好の少女が一人。
「代太!今日も闘ろうぜ!」
「ああ。じゃあ、ユミ。スタートの合図よろしく!」
「はいっ!じゃあいくよー!よーい……」
ドンッ!と同時に二人の少年は真正面に駆け出した。
三人がいる場所は対鬼の施設、「神宮学園」通称「救世主の楽園」の第二体育館。運良く今は三人の貸し切り状態だ。
学園での生徒は神器の所有者。あとは鬼・神器の研究者と教員が多い。
もちろん調理・清掃の人もいるが。
所有者は此処で自分の神器に合った戦闘法、鬼の知識を叩き込まれる。
二人は組手の真っ最中だ。組手といってもそれは神器を使った模擬戦に近い。
「神器発現!『トラロック』!」
瞬間黒い雲が体育館の天井を覆い、雨が降りだす。
神器『トラロック』は天津ツカサの神器だ。
神器発現時、如何なる場所でも雨を降らし稲妻を起こす。そしてその稲妻を敵に叩き落とす。
彼の実力は学園30番内に入る程であるが、対する結城代太は
「神器発現『誘気』」
学園2000人いるなかで2000番の最下位だった。
が、今の光景はその順位を覆すものだった。
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