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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

8月2日(月)16:32

作者: 星乃宇宙
掲載日:2025/11/26

 8月に入ったばかりの月曜日。僕はしかめっ面をしながらクーラーの効いたオフィスでメール処理をしていた。

ヴーヴー

「はい。もしもし。」

「お前今オフィス?」

仲のいい同僚からだった。

「うん。そうだけど?」

「俺の机の上に資料置いてない?」

僕の正面の机の上にはきれいにファイリングされた資料がある。

「これを持ってけと?」

「エントランスまででいいから!お願い」

電話越しに手を合わせるあいつが容易に想像できる。

「はぁ。わかったよ」

ファィルを雑に握ってオフィスのドアを抜けた。

蒸し暑い空気が身体にまとわりつく。


正直仕事は嫌いだ。

でも、僕は彼女のために仕事を頑張るんだ。

日曜日のデートで結婚指輪を渡す予定だ。


「はい。資料」

「マジで、ありがとな!」

「お前、借りイチな?」

「今度飲みに行こーな!っあでもお前彼女さんの飯しか食わないか」

同僚は笑いながら、手を振って自動ドアを抜けていった。

少しムッとしたが否定はできないので、僕も軽く手を振りかえす。


___今日、11時半ぐらいに帰るね。いつもありがとう。

送信



ガチャ

僕は、家のドアを開ける瞬間がこの世で一番好きだ。

「ただいま」

「おかえり」

いつ帰ってきても玄関で毎日その笑顔を見せてくれる。

そんな彼女が愛おしくてたまらない。

大好きだ。

リビングに行くといつも温かいご飯が置いてあった。

椅子に座ってご飯を食べる。

その間、彼女も正面の椅子に座って温かいお茶を飲む。

彼女の料理はどれも美味しい。

「いつもありがとう」

俺がそう言うたびに彼女は照れくさそうに微笑む。

シャワーを浴びてベットに行く。

彼女はもう寝ている。

時計は1時を回っていた。

彼女も仕事があるのに、いつも俺を待っててくれた。

ありがとう。

もう一度彼女に言った。


ピピッピピッ

あー、夢か。

彼女が誕生日プレゼントにくれた目覚まし時計を見る。視界が滲んでいる。

8月9日(月)6:15

そーだよな。

夢だよな。


__だって彼女はもうこの世にいないんだから。


昨日、君は僕の目の前で車に撥ねられたんだから。

デートのために新調した白いワンピースは血が滲んで汚れた。


君がいない世界には色がない

君がいない地球はくすんでて

僕の心に光はないんだ


だから、


君と僕はずっと一緒だよ。


ガチャ

いつもより身軽になった身体で家のドアを開けた。

外の光が僕の身体を優しく包み込む。

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