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#バズかいま ~ 知らない間に使い魔がバズってました!? ~  作者: 廿楽 亜久
タヌキ編

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30/31

30話 みんなで一緒に勉強って進まないよね(前編)

 タヌキ騒動から、数週間が経った頃には、すっかり学生たちはタヌキのことなど忘れているらしい。

 人語を話すタヌキも、妖怪のタヌキも、今まで妖怪をフィクションだと思っていれば、衝撃的なことのはずだが、無害そうだからか、瑞希に声をかけてくる人も減った。


 いまだに、あのタヌキの事件を引きずっているのと言えば、ただ一人。


「陽、動画の方、大丈夫?」


 タヌキ親子のために、ポンポコチャンネルという動画配信チャンネルを作った目森だ。


 タヌキ親子がバイト先のゴミを漁るのを防ぐため、広告費などで食費を稼ごうとした結果、AI動画の疑いで、炎上したらしい。


「んー……まぁ、まだちょこちょこ荒らしは来てるっぽい」


 目森が動画をアップする前にも、問題ないか確認してほしいと頼まれ、紬希も含め、動画を確認した。


 内容は、タヌキ親子が、腹太鼓を鳴らしながら、クルクルと回りながら、盆踊りのような踊りを踊っている動画だった。

 紬希は、あまりいい顔をしていなかったが、意外にも、この動画で妖怪バレについては心配ないと判断したのは、白亜と黒天のふたりだった。


 現状を見る限り、こうなることを予想していたのだろう。


「もう、開き直ろうと思っててさ。AIだと思うなら、思ってればいい」


 最初こそ、目森も慌てたように瑞希の元に来ていたが、今はすっかり普段通りだ。

 心配して、何度か動画のコメント欄を見に行ったが、AI動画だと断じるもの、その理由を長文で説明しているもの、そのコメントに対して、CG動画であると反論しているものなど。


「っていうか、CGでもないし」


 少ないとはいえ、CG作成が上手だと褒めるコメントもあるが、それも実体としては間違っている。

 現実に、存在しているタヌキが、実際に踊っているのだから、この褒め方も間違っている。

 白亜と違い、瑞希たち関係者以外は、妖怪だとはわからないが。


「なんか、白亜みたいなこと言い出してるし……」


 確かに、白亜も、その姿のまま配信しており、視聴者には、Vactorだと思われている。

 その上で、Vactorだと思うなら、思わせとけ。というスタンスを貫き、視聴者に質問されても、適当に誤魔化している。


 インターネットで何か活動する人というのは、こういう思考になるのだろうか。


「それより、今は、試験だよ。試験」


 動画についている、あまりにひどいコメントだけ削除して、目森は二週間先に迫っている期末試験について口にする。

 その手には、赤点スレスレの中間試験の答案用紙。


「とりあえず、世界史と数学を助けてほしい」

「数学は、私も助けてほしい」

「仲間~~」


 瑞希も目森ほどではないが、数学は中々低い点数だ。

 数学ができなくて、文系に進んだ典型例の自覚がある。


 できない仲間だと、瑞希と目森でハイタッチをしていると、感じた視線。

 真桐だ。

 呆れるように瑞希たちを見つめていて、つい合わせた手を握り合ってしまう。


「いや、波奈さんや。波奈さん。波奈さんは、大変優秀なのかもしれませんが、わたくし共は、数学は数字の羅列にしか見れないのですよ」

「数字の羅列だよ。というか、私だって別に優秀じゃないし」

「でも、赤点と戦ってないじゃん」

「瑞希だって、赤点まではいかないでしょ」

「まぁ……それは確かに」


 流れで、目森の手を取ってしまったが、瑞希自身、赤点というレベルの点数を取るような状態ではない。

 それこそ一番苦手な数学であっても、進級に関わるような点数は取っていない。


「え、ここで裏切る? 補習仲間コースでは!?」

「いや、気を抜いたら、補習になるかもだけど……」


 もしそんなことになった日には、白亜に何を言われるか。

 というか、他の使い魔たちも心配して、ものすごく気を使いかねない。それは、すごく気まずい。


 そのためにも、瑞希は補習にならないような、点数を取らなければいけない。


「その気まずさは、ちょっとわかる。はぁ……使い魔かぁ……使い魔……」


 目森が、白亜たちのことを思い出しては、表情を緩めているが、何かに気が付いたように、瑞希の方へ顔を向ける。


「日本史とかなら、使い魔の人たちに教われば、余裕では? 実際にその時代、生きてたんでしょ?」


 名案だと目を輝かせている目森。

 純粋な勉強目的以外の目的も、思いっきり見えている。


「教科書に載ってるのと、現実は違うからなぁ……それに、話が長くなるから、試験に間に合わないよ?」


 その昔、瑞希も同じことを考えたことがあった。

 物知りな子睦に教わろうとしたところ、ひとつの内容を教わるために、試験には出ないような雑学が大量に出てきて、一日で子睦に教わるのはやめた。


 その上、教わったことが教科書と違うことだって多く、試験勉強としては、あまり役に立たないことが多い。


「というわけで、みんなに頼るのは、おすすめしません」

「えーじゃあ、普通に勉強会しようよ。真桐先生をご招待して」

「それは名案ですね」

「えー……まぁ、いいけど、公式暗記して以外、教えられないからね」

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