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再会

 ワタツミが巨大な水のうねりを放出して、結城たちを襲う。結城は、その圧倒的な質量と異能の奔流に苦戦を強いられていた。ワタツミの放つ波動は、結城の心を揺さぶり、無力感を増幅させる。


「結城!後ろ!」


 神楽の警告に、結城は反射的に身をひねる。しかし、間に合わない。水のうねりが結城を飲み込もうとしたその瞬間、視界の端に一筋の光が走った。


「結城くん…!」


 その声に、結城は目を見開く。

 アーク・プラザの入り口に、桜と彼女の父である宮司の姿があった。


「桜……!」


 結城は、安堵に満ちた声をあげて駆け寄る。

 桜もまた、無事に再会できた喜びから、涙を浮かべた。


 結城と桜の再会を喜ぶ間もなく、宮司が切迫した声で叫ぶ。

「アーク・プラザの中心に、奪われた神器がある!あれがワタツミを活性化させた鍵だ!」


 その言葉に、結城たちは息を飲む。

 街中の人々が、まるで何かに引き寄せられるかのようにアーク・プラザの中心に集まっていた理由。それが、神器の放つ波動だったことが明らかになった。


 宮司は結城たちに背を向け、周囲に集まったアビスの信者たちを睨みつける。

「神器を奪われた今、アレを鎮める術は使えん。だが……」


 宮司が手印を結ぶと、地面から式神が数体現れ、信者たちに飛びかかった。そして、宮司が放った護符が、信者たちを次々と弾き飛ばす。

「五行相剋!」

 宮司が空に掲げた護符から結界が展開される。ワタツミの巨大な水のうねりが結界にぶつかり、轟音を立てて霧散していく。


「どうやらワタツミの力が少し弱まっているようだ。そのおかげか、桜も目を覚ました」


 宮司の言葉に、結城は頷く。その背後で、呉羽がタブレットを操作し、凛のホログラムに語りかける。

「りんたん、ワタツミの波動を解析してくれ」

「マスター、ワタツミの波動に不規則な揺らぎを確認しましたですぅ」

「…この揺らぎは、ワタツミの制御が不安定になっている証拠だ。今が、神器を取り戻す唯一のチャンスだ!」


 神楽は結城に駆け寄り、まっすぐ結城を見つめた。

「…結城、みんなが道を作ってくれてる…。私たちで…神器を取り戻す…!」


「ここは私に任せて、君たちは神器のところへ向かってくれ!」

 宮司の決意に、結城たちは無言で頷き、アーク・プラザの中心に向け走り出す。しかし、その進路を阻むように、ワタツミの水の塊が大きく揺らぎ、二つの影が姿を現す。

 フードを深く被った教主と、その隣に立つ凪だ。


「お前たちに神器を渡す気はない」


 教主の声が、ワタツミの波動に乗って響き渡る。

 圧倒的な存在感を放つ教主と凪を前に、結城は仲間たちを振り返る。

 宮司が信者たちを抑え、呉羽と凛、神楽が情報分析と援護に徹している。そして、隣には意識を取り戻した桜がいる。

 守るべきものは、確かに増えている。

 結城は、教主と凪に視線を戻し、大切な仲間たちを守るため、その決意を胸に刻んだ。

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