飛べない僕
空を飛べなくてよかった。
地に足ついて歩くから、僕は今生きている。
もしも翼があったなら、
すぐにでも折ってしまっていただろう。
空なんて不自由だ。
疲れても、休める枝がなければ飛ばなくてはいけない。
どこまでも続く空に、安らぎなんてあるのか。
僕には、分からない。
空を飛べなくてよかった。
キミのことを、この足で追いかけられるから。
もしも空が飛べたなら、キミはどこにでも行ってしまう。
すぐにでもキョリができてしまっていただろう。
恋は自由だ。
片想いでも、想う気持ちは邪魔されたくない。
どこまでもお慕いする心には、安らぎしかない。
僕には、分かる。
飛べない身体で恋することは、
誰が何を言おうと自由でしかない。