転生にて候 (2)
次の日、朝早く起きた一刀は、父を起こしにベットに飛び乗り「早く起きて!あなた」と母の起こす時に言う言葉を真似して起こす。
声変わりのしていない俺の声は、母の声によく似ており、髪が長い為、外にお出かけすると、近所のおばさんたちは、女の子と勘違いをされるのである。
「う~ん…今何時なんだ。龍美、たまには名前を呼んで起こしてくれよ、あなた、あなたばかりじゃなくて
恋人時代みたいにさあ~」
すごい寝坊助である。
しょうがない、もう一芝居打つとしよう。
「好きよ一騎さん、、、もう朝ですよ」
くすくす笑いながら声をかけていると、廊下の扉が少し開き始め、母が笑いをこらえながら、こちらを見ている。
父が仕事の時に母は、恋人時代のことをよくのろけている為、同棲の時のことやらを教えてくる。
こんな話は聞きたくなかったが、母いわく「そこが可愛いらしい」のだ。
父の顔をみると顔がみるみるうちに赤くなっているのだがまだ、夢の中にいるらしい。
しびれを切らしたのか、または一刀を可哀そうに思ったのか母がため息交じりで声を掛ける。
「そんな寝坊助とは、価値観の違いがあるのでしばらく実家に帰らせていただきます」
言葉が終わりきる前に、顔を赤から蒼白に変え、とびおきる父。
母が一刀に小声で「ここまで言わないと、寝坊助は起きないわよ」と小悪魔のような笑みを浮かべる。
起き上がると「すまない、、ごめんね龍美」と間が悪そうな顔をしている父だったが、笑みを浮かべている母の顔を見ると安堵の表情をした。
すぐさま、父の前に剣道の道場に通いたいことを話すと、道場に通うのではなく、父の職場で習わないかと言われた。
頭の上に?がでたが、父の職業は、自衛隊であり、剣道、柔道、空手などを有志で習っているらしい。
しかも剣術もあり「剣術は、一刀流でお前の名前と一緒だぞ」と言いながらほほえむ父。
週3日、仕事終わりに父が迎えに来てから3時間教わることになるが、剣術を学ぶことに異論はない。
母は少し寂しそうであったが、子供の成長を見守るようにしたようだ。
母も昔というより、俺が生まれる前まで剣道をしていて、○○小町だの言われていたらしいし、父との出会いも、練習試合の会場で女子高校に通う母がチンピラなのかナンパなのかをされているときに助けたのが出会いらしく、母は、ものすごい勢いでアプローチしたらしい。
「かっこよかったのよ、一騎さん、男らしくて」
少女時代にでも戻ったような母をみて唖然としている一刀が気を取り戻し「明日から通いたい」と言い放つと父は「顔合わせを兼ねて、道場に行くか」と答えてくれるのであった。
史実を含めネタあつめと苦手なパソコンの打ち込みの為、時間をもらいつつ投稿していきたいと思います。
小文になることを、お許しください。
まだ、ヒロイン及びライバル等はもう少し先になると思います。
早く出せるよう頑張ります。