妹の誕生日
妹に誕生日、早く帰って、プレゼント渡さないと・・・妹には秘密で、オコズカイを貯めてぬいぐるみを買って置いたのだ。
あんな、失敗で出遅れるとは・・・・・。
人には、話せない。
特に、妹には、バレたら、俺は死ぬしかない。
シスコン?とかいうのも解っている。
今日の事が、父にばれたら、芋ずる式で、母の耳に、そして妹に・・・
とりあえず、父の口をふさがなければ。
「今日は不幸だぁぁ」
叫びたい衝動にかられながらも、家に帰る一刀。
家に着くと、どおゆう風に入るべきか?
驚かす?りおんが怖がってしまったら、だけでは無く、父や母に怒られるのは目に見えている。
まあ、普通に入るのが、正解なのであろう。
玄関の取っ手に手を掛け、ドアのノブを回す。
カチャっと金属の擦れる音がする。
「ただいま~、りおん~、お兄が帰ってきたよ」
いたって普通の帰宅風景だ。
一刀が目線を前にすると、りおんは、廊下の真ん中で正座をしながら、一刀の帰りを待っていたのだ。
いつもは、ソファの上で漫画を読んだりしていて、一刀が帰ってくるなり飛びついてくるのにだ。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ、いったいどうした、りおん?なにかあったのか?」
「お兄が帰ってこないから、心配で…‥もっと早く帰ってきてよぅ、今日は私の誕生日なんだよ」
泣きそうな声で一刀に訴えかけてくる。
「ああ、ごめん、りおんの誕生日をわすれたわけじゃない、ちょっと、ドジして遅くなっただけだから」
「ドジ?なんかあったの?お兄」
「平気だったから、大丈夫、大丈夫・・・・・・・・ふぅ、聞き返されるとは考えなかった」
りおんは、りおんでかなりのブラコンなのである。、睡眠の時には、必ずと言っていいほど、俺の布団に入って抱き着いてくる。
その他にも問題があるのだ、母に対しては普通にママと呼ぶのだが、ゆりさんに対し、ゆりさんは、ゆりお姉さんって呼んでね、と口酸っぱく言うのだが、ゆり伯母さんと普通に呼んでいる。
この前なんか、便所にこもっているのに、便所のカギを開けて入ってきやがった。
こんな、ゲームの忍者か盗賊スキルみたいなのを持っているには、訳がある。
父の影響が、すんご~~くあるのである。
過去の話である。
酔っぱらって帰った父の服に、口紅の跡を発見した母は怒り、父の胸倉を掴み家から追い出しました。
我に返って、酔いの覚めた父は、義兄夫婦に助けを求めたが、義姉に怒られ、あえなく帰宅。
家の中に入れてもらえず、カギをピッキングで開けることに・・・・・普通は考えつかないだろ・・
しかし、何故か開いてしまったのである。
それ以降、扉のカギを変えても開けてしまうので、とうとう、家のカギは、カードと暗証番号のダブルロックに変わってしまった。
追い出したときは、暗証番号を変えておくらしいのだが。
あるときに、父と母の話に浮気との勘違いの話の中にカギを使わないで開ける話があり、それを聞いた
りおんは父に、教わっていたらしい。
そんなもの、教えるもんじゃない。まして、りおんは、5歳になったばかりだぞ。
怪盗にでもなるつもりか?
ん?そういえば、ベットの下に隠した、誕生日プレゼント、カギ付きのでっかい箱に入れて置いたけど、まさか、開けたりしてないよな・・・・・・・
部屋もカギはしたし、ベットの下に隠していることも知らないはず。
ごまかすために、一芝居をすることにした。
「りおん、ちょっと待ってて、部屋に置いてこないといけないものがあるから」
苦しい言い訳だったのだが、軽くハグをしながら、話すと、りおんは、うなずきながら、母のいる部屋に向かいながら
「早く来てね、お兄」
と言い歩いていく。
ここからの行動を素早くしなければ、予想としては、まず、部屋のカギは、開けられているだろう。
寝るときも、カギは締めているにもかかわらず、朝には、隣に寝ているからである。
ベットの下~と心の中で叫びながらも、部屋に入り、ベットの下をのぞき込む。
「はぁ~~~やられてる」
案の定、箱は開錠されており、中のぬいぐるみは、無くなっていた。
リビングルームに行き座布団に座ると、りおんが隣に来て、耳元で囁く。
「お兄、あのね、ゆり伯母さんに聞いたんだけど、男の人は、大事なものを、ベット下に隠す習性があるらしいって言ってた。ありがとう、お兄、大事にするね」
サプライズの誕生日プレゼントが不発で終わるのであった。
久々の投稿になりました。
工具とは、なんぞや?と言うのも初めまして、そちらを書くのが面白く、手抜きになってました。
1話は、ストックし、もう1話分の構想が出来次第、投稿していたのですが、今は、構想のストックがありません。
というか、工具の話の方と平行に出来るよう頑張りますが、工具の話の方が多いかもしれません。
でも、こちらも、引き続き、掲載していきますので、よろしくお願いします。