『月の末裔』より
『月の末裔』あらすじ
神崎るりは公園管理の仕事に就いている26歳。
年頃の女性なのに恋にも結婚にも興味を示さず、シルバー人材派遣の老人たちと公園の整備に励んでいる。
そんな五月のある日、松の立ち枯れの対策に派遣されてきた樹木医の青年と出会い、彼女の運命が動き始める。
血に潜む能力に翻弄される彼女は、呪いにも似た怨霊の執着から、果たして解放される日が来るのだろうか?
まずはラスト間際の、主人公・るりの気持ちを詠みました。
朱夏からは 水満ちる地で きみと生く
(しゅかからは みずみちるちで きみといく)
それを受けての、結木草仁の句
緑蔭や きみを守って 守られて
(りょくいんや きみをまもって まもられて)
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公式企画「俳人・歌人になろう!2023」参加作品です。
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『月の末裔』は日本神話をベースに独自の形の『お話のお約束』を作り、その世界観の中でエンタメする作品です。
月の神である『月夜見命』の能力を受け継ぐ一族の、とんでもなく高い能力者であるヒロイン・るりと、妹を大切に思うあまり道を踏み外し、怨霊となって彼女に憑いている彼女の兄・明生。
るりの哀しいさだめを解きほぐし、人として、また一人の女性として生きられるよう手を尽くす本作のヒーローが、土地の神の化身であるクサのツカサ・結木草仁。
(かわかみれいにしては)王道的な、ローファンのエンタメ作品です、けど。
戦い方は、地味地味なのです(笑)。
魔法とか法力とか、そういうのを華々しく使いません。
代わりに?イケメンの木霊さんが複数出てきて、花を添えてはいますけど(笑)。
そのせいなのか単純に力不足なのか、ネトコンの一次通過まではいきますが、そこまでですね~。← ボヤキ
この二句は、地味地味ながら激しい戦いをくぐり抜け、互いの気持ちを確かめ合った二人の心情を詠みました。