月は夜をこえて
地平線から延びる白のスクロールが
女郎花の色を帯びたかと思うと
水色の空へと繋がっていく
淡い白と黄色の筋を残して
縦に伸びた半月が
宇宙の向こう側に飛び立つように
まっすぐまっすぐ昇っていく
あの青はやがて紫紺を色濃く帯びて
漆黒の黒と輝く白に変わってくのだろう
その中を命を乗せた半分の月は
誰もがそこを目指せるようにと
真っ白い光を放ちながら
夜の海を渡ってくのだろう
それはいつか夜を超え
星々の輝く銀の河を超え
永遠の昼のような光の渦をも乗り越えて
果てへ 果てへ
遥か時の彼方まで
命を乗せてどこまでも