新居の謎のドアの先は異世界に繋がってました。〜これってどうすれば?〜
初投稿です。お楽しみいただけると幸いです。
追伸・季節は春。二葉は15歳です(高校入学2日前)。
「だれ?」
「それはこっちのセリフだけど……!」
そこには知らない少女がいた。
◇◇◇
事の始まりは私、白桃 二葉が立て替え、今日引っ越しをした新居でドアを見つけてしまった事だった。夜中に起きてしまい背徳感はあるが何か食べようの思い自身と双子の妹、三葉との同部屋がある2階から1階へ下りようと階段へ向かって廊下へ歩いている途中に見つけた。そこにドアがある事自体があり得ない。理由は単純。この先は外だから。
試しに側に行ってみても恐怖感は無く、ドアノブに触り何事も起きないので開けてみると同い年くらいの少女がいたのだ。脳が理解するのが拒んでいるのか無意識に閉めていた。私はハッとしてもう一度開けてみる。だがやっぱりいる。
◇◇◇
そろ〜り、と落ちてしまうのではないかと思いながらもあちらへ行ってみた。ちゃんと床があった。でもフローリングではなく、木の床だった。そもそも外のはずなのに外じゃない。その事があり得ない事態で。私も相手も警戒しながらも自己紹介をした。
「私の名前は白桃 二葉。あなたは、誰?」
「私はアマリリス・クリビア。二葉?さんはどこに住んでいるわけ?そんな形の服、見たことないわ」
「日本。こんな形の服、どこにでもあるけど?ちなみにアマリリスさんはどんな田舎に住んでるのよ。よっぽどの田舎や秘境でも知ってる形の服なのに」
「日本?私が住んでいるのはパーチュラカ王国よ?有名な国で知らない人間なんていないのよ?」
その後もここは日本だのポーチュラカ王国だの決着が着かない。それに私、アマリリスさんと言い争いしてる気がするわ……
でも痺れも切らしたアマリリスさんによって木造建ての家の外は連れ出された。そこは満天の星空で、明るく、とても綺麗だった。家の周り以外は木が生い茂っておりこの家は森の中だろう。さらに日本では灯りがない所でしか見えないような場所で。でも私の家は森の中じゃないし、こんな満天の星空は見れない。だからアマリリスさんの方が正しいと思った。そんな時に3つ下の妹、四葉が最近ハマっている異世界の話をしてくれた事を思い出した。「魔法っていいな〜」そう言っていたのを。
背中に冷や汗が流れるのを自覚しながらもアマリリスさんに、
「ねえ、アマリリスさん。魔法って、ある?」
そう聞いてみた。返ってきた返事は、
「?もちろん、あるわ。無い方がおかしいのよ?
──ほら。『ウォーターボール』」
その言葉と水の魔法を目の前で見た事で理解した。というより魔法を見ておいて異世界だと信じない方が可笑しいのだが、この場所は紛れもなく異世界なのだと。だが流石に二葉は現実逃避をしたくなった。否、していた。そんな事を露知らず、
「それより私の事は『アマリリスさん』、じゃなくて『リリー』って呼んで?」
そう言われた。言い争いを、現実逃避をした事を忘れて嬉しくなってしまった。
「じゃあ、アマリリスさんじゃなくてリリーも私の事は呼び捨てで良いよ」
「ふふっ!改めてよろしくね、二葉!」
「こちらこそよろしく、リリー」
「来て来て!こっちに木製の2人乗りブランコあるの。一緒に座って星空、見よ!」
私はその提案に乗った。最初の警戒はどこに行ったのやら。でもこんな満天の星空をじっくりと眺めるのは初めてで、家族に見せたいと思った。そんな時に流れ星が流れた。
「ねえ、二葉は知ってる?流れ星が流れているうちに願いを3回言えたら、その願いが叶うんだって」
「知ってる。リリーは願い、あるの?」
「あるよ。お母さんに会いたい。1ヶ月前に死んじゃったから……。あぁ、気にしないで!そう言う二葉は?叶えたい願い、ある?」
「私の罪を母さんに言い――忘れて」
気を抜いたからか私の口からポロリと出てしまった。お互いに気まずくなり口を閉ざした。そのまま眠気が来てその眠気に身を任せた。
◇◇◇
私、アマリリスは突然現れ、あっさり警戒を解き隣でぐっすりと寝ている二葉を見て、無表情か作られた微笑みしか表情が出てなかった。表情筋が若干死んでるのかと思いもした。ただそんな事よりも二葉の容姿が羨ましくなった。
何故なら、二葉は銀髪に淡い紫の瞳をしていた。暗くてよく分からないが。一方で私は若緑色の髪に薔薇色の瞳。両親や兄はこの髪と瞳の色は綺麗だと言うが実は銀髪や白銀、白金に憧れている。まあ、瞳の色は黒がいいけど。でも髪を染めるのって嫌だし。
そう思いながら二葉に目を向け、ふと思い出した。口を滑らせたのか「私の罪を母さんに」その後はもう何も聞くな。そういう雰囲気だったから聞かなかったけど……。罪って何なのかな?いつか、言ってくれるかな?そう思い二葉を見ていると身じろぎして左腕の付け根部分が見えて、そこには古傷らしきものがあった。10㎝は超えてるであろう古傷。一体どこでこんな傷……?何故?いや考えるのはやめておこう。
さぁて、それよりも。寝る前までは無かったドア。二葉にとって、ここは異世界。私があちらへ行ったら私にとっての異世界。私があちらに行く事は可能なのかしら?
アマリリスは彼女にとっての異世界はどんな所なのか想像を掻き立てアレやコレやと二葉が目を覚ますまで考えていた。
◇◇◇
「ふぅ〜。無事に顔合わせは終わったわよ。×××××様。これで変更した運命の歯車が動くわ」
「そうだな。あの2人は、いや、白桃家とクリビア家だっけ?この2家は交流してもらわなければ、こちらが困る。せっかく苦労してこいつらの家を繋げたのに。もしも失敗したら俺達があのお方に怒られ罰を受けてしまう」
池の水を使った水鏡から男女が二葉とアマリリスを見ていた。ただそんな事など、見られている事をこの2人は知らない。
◇◇◇
寝てしまっていた。リリーは起きていたようで「おはよう、じゃないか?こんばんは?」と言ってくれた。
「私、そろそろ戻ろうと思う。明日になってもドアがあったら。また来るわ。家族と一緒に。──そういえば、あのドア無くなったりしてないわよね……」
「た、多分、あるんじゃ……」
そろそろ家に戻ろうと思いリリーに別れを告げた時、ふと思った。ドアが無くなってないか。リリーの自信のない声で戻れるか不安になり急いでクリビア家に入り、ドアがある場所へ。
「ちゃ、ちゃんとあるわ。良かった」
「無くなってたらどうなったんだろうね、二葉」
「リリー、考えたくも無いわ」
「だ、だよね〜」
「またね、リリー。また明日」
「うん。また明日、二葉」
◇◇◇
ドアを通って白桃家へ。あちらにいたのは2時間くらいだった。小腹が空いたとは思っていたが、色々な事があり過ぎて食欲が無くなった。なので寝た。
のだが夜中に起きていたせいか(まあ1時間は寝たが)寝坊したようで、双子の妹、三葉がドアを見つけて、開けて、リリーを見て家中にいや、もしかしたらご近所まで響いてたかもしれない叫び声を出した。それを聞いて両親と、3つ下の妹、四葉と7つ下の妹、七葉が駆けつけ、七葉以外が叫び、七葉ははしゃぎ、私はその騒ぎでしっかり目覚め、事情を話した。
すると、両親(主に母)に「何でそんな危険な事したの⁉︎」と説教を受け、妹3人組は両親から説教を受けている私を助けてくれずにあちら側は行き、それを見た両親が妹達を叱り、結局は姉妹4人纏めて怒られるという大騒ぎに発展。その間、リリーと一緒にいたリリーの父らしき人は苦笑いをしていた。
まあ、色々ありながらも家族ぐるみで仲良くなり、一緒に出掛けたりリリー達が私達の世界へ出掛けるのだが、まだ先の話。
◇◇◇
一方、池の水を使った水鏡で見ていた2人の男女は、
「よっし!白桃家、クリビア家全員、顔合わせ成功!これで破滅は回避出来るかしら?」
「できるできる!何の為の顔合わせだ?破滅回避の為だろう?心配するな。白桃家が異世界に来るだけで回避する運命なのだから。」
「そう、ね……。白桃家の皆さんには申し訳ないけど、私達が破滅を回避する為とはいえ、強制的に白桃家の皆さんの運命を変えたわ。だから変えてしまった運命のレールをちゃんと歩んでちょうだいな。終わったら、何でも願いは聞くから。──あれ?……ねえ×××××様、運命変えたって事は本来は起きなかった出来事が出来てしまったって事は無いわよね……?」
「……あ、あるかもしれない……!やっばいじゃねーか!確認!確認っ!でないと俺らあのお方に叱られるぞ!」
──1時間後──
「どっ、どうしましょう。起きなかった出来事、ありましたわ……」
「しゅっ、修正しろっ!」
「無理なのっ!先程、試したのに修正が効かないのよっ!」
「まさか、白桃家の奴らが異世界に来て交流する為にはこの出来事を起こさなければいけないのか?」
「ああぁぁぁ!あのお方に怒られ「──私がどうしたって?」──ヒィィッ!出たーっ!!」
「私は幽霊か何かかなぁ?ねえそう思わない?×××××くん?」
「い、いいえ!!滅相もございません!幽霊ではなく俺達にとって至高の存在です!」
「それで?何があったの?理由、教えて、くれる、よね?」
急に出て来た1人の中性的な者の存在によって女の方は顔色が青を通り越して白くなり冷や汗が止まらない状態、男も女の方と同じようになりながら事情を所々、つっかえながらも話した。勿論、全て。その結果、物理的(男女の後ろ)&精神的に雷を落とされた。
「何をしているっ!?こんの愚か者共がっ!破滅回避の為に運命を変えたのは目を瞑る、目を瞑ってやろう。だが、起きなかったはずの運命を確認するのは、当たり前だろうがっっっ!今すぐ謝りに行けと言いたい所だが、今、事情を話してもその運命を回避でにない。むしろ他の運命が追加されるかもしれない。だからお前達、白桃家全員に与えれるだけ強力な加護と魔法を渡せっ!攻撃、防御の両方だ!分かったなっ!?」
その言葉に男女は身を寄せ合いながら首が取れてしまうのではないかと錯覚してしまうほど縦に振り、その中性的な者の指示に従った。
「はぁ〜。何故?何故なのだ……?こういう事は先に確認といつも言ってるのに……。ふぅぅぅ〜〜〜。白桃家、か……。念の為、私も確認しておきましょ。──ん?」
中性的な者は白桃家の資料を見て本来なら起きなかった出来事は白桃家にとって、最悪で1番起きて欲しくない出来事が起こってしまう事に気付いた。
「ちっ!問題ばかり起こしてくれる!あのバカどもはっ!!……もう、しょうがない。こうなったら私の加護を。特に白桃 二葉は他の者より強力にしておいた方がいいな……。すまないねぇ、こちらの事情に巻き込んでしまって……どうか少しでも傷が塞がる事を願うわ、二葉」
最後の慈愛に満ちた微笑みで呟いた言葉は誰にも聞こえなかった。
こうしてこの場所でも一晩中ドタバタ騒ぎになったとさ。
お読みいただきありがとうございました。楽しんで頂けました?と言っても気になる終わり方になったかな?いや、なるのが普通かな?
時間はかかると思いますが連載版を今、少しずつ書いてるのでお待ち頂けたら。連載版でこの短編の謎は解けるので!
活動報告の方にこの短編の誕生秘話を書いてますのでお時間ある時に是非!作者名をポチッと押してもらい活動報告の方に……!(活動報告、ほぼ無いと思いますが)
最後に。いいね等をしてもらえると作者が喜びます。誤字脱字などありましたら、お教えいただきたいです。