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第45話 ファーストコンタクト

 『星野 牛尾』、アイツと私が初めて出会ったときはいつの頃だったかしらね・・・



 確かまだ私が幼かったとき、病院に入院するほどの症状の悪化はなかったけど、そのときもよく発作が起きて、家の中にこもりきりだった。



 そんな私の楽しみと言えば、自室のベッドの側にある窓から、近所の景色を眺めることぐらいだった。かといって、そこから見えるのも、何も変わらない日常の風景。そして見れば見るほど、私がその普通から逸脱してしまっているのが嫌でも分かってしまった。



 「・・・」



 この日も外の様子は変わらず、私はそのまま窓から顔を離して昼寝でもしようかと思ったとき、ふとどこかから視線を感じた。



 部屋の中からではない視線が気になってもう一度窓の外を見てみると、その出所はすぐに分かった。というか、外を見たその場所にいたのだ。



 「ッン!?・・・」


 「・・・」



 視線の出していたのは、私のいる家のすぐ隣の家。それも同じぐらいのと高さの位置にある窓を開けて、同じくらいの歳の少年がこちらを見ていたのだ。



 一点にジロジロと見てくる少年に私は少々引き気味だったけど、何でそんなにこっちを見るのかが気になり、向こうと同じく窓を開けて話しかけてみた。


 「ねえ!」


 「何!?」


 「さっきからなんでこっち見てんの!?」



 私からの率直な質問に、少年はこう答えてきた。



 「お前! いつもそこにいるよな!!」



 ハッキリ言ってくる少年。要するにこれまでも何度か見られていたようね。その事に顔に冷や汗をこぼして少し返事に困ってしまった。



 「だ、だから何よ・・・」


 「もしかして、体悪いのか!!?」


 「ウグッ・・・」



 この少年、思いの他勘がいい・・・



 「だったら・・・ 何よ? からかって笑うつもり?」



 今にして思えばこの時から私は素直じゃなかった。引きこもりとしては珍しく、会話をすることには特に抵抗はなかった。けど、話し方が分からないがために、ついきつい言葉が口から出て来てしまう。



 少年もいきなりの怒声に驚いたのか黙り込んでしまう。そこにわたしゃ追撃をかけてしまった。



 「何か言ったらどうなの!?」



 そこに彼はこう言ってきた。






 「お前、友達いないだろ! 俺がなってやるよ!!」



 「・・・ ハアッ!!?」



 突然脈絡もない話しに私がついて行けずにいると、彼はこちらが聞きもしていないのに勝手に自己紹介をしだした。



 「俺! 『星野 牛尾』、お前は!!?」



 一方的に振り回されて頭が痛くなったけど、私はそこは素直に答えることにした。



 「『降星 織姫』よ・・・」



 これが、私と牛尾のファーストコンタクトだった。

シーデラ「『ブックマーク』と『評価』、ヨロシクね!!」



フィフス「よろしく、な・・・」




『魔王子フレンド~私と異世界の赤鬼さん~』もよろしくお願いします!!

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