第39話 廃墟防衛戦
「ハァ!! フゥ!!」
ハプルの戦いは、そいつの予想に反して長丁場になっていた。さっき姿を現した刺客はただの一部であり、本当に隠れていた刺客の数はかなりのものだったのだ。
それら全てにハプルは一人で挑む羽目になり、さすがのコイツも苦労をしているようだ。
「ガァ!! ハァ!!・・・ ああもう! 何体出てくるのよ!! もう本当にキリがないんだど!!」
文句をたれながらも向かってくる奴らを一人一人潰していくしかないために、既に息切れしている体を動かしていた。
そんなハプルの様子を見た刺客達は、倒れていく自分の仲間達のことには目もくれず、全然違うことを考えていた。
「オイオイ、そろそろ疲れが見えてきてるぜ・・・」
「どうせならあの女も生け捕りにしようか。奥のガキほどじゃないが高く売り飛ばせそうだ。」
ハプルは刺客の一人が言った台詞に引っかかった。
『奥のガキほどじゃない?・・・ それって、アルフにそれだけの商品価値があるってこと? あの子は一体・・・』
そうして気が少し緩んだせいか、ハプルは剣の動きをずらして相手の一人を仕留めきれなかった。しまったとコイツが思ったのもつかの間、刺客はハプルの持っていた剣を持っていたナイフで弾き、その手から離してしまった。
彼女の剣は宙を舞い、少しハプルから離れた箇所の地面に突き刺さった。
「ナッ!!・・・」
そこからも容赦無く続く刺客達の攻撃に、今度はどうしても素手で勝負しなければならず、女性のハプルではその全てを抑えることが出来なかった。
やがてハプルは数の多い刺客の猛攻に徐々に追い込まれていき、どうにか奥の廃屋に入らせまいと踏ん張ってはいたが、正直のところ、防衛戦が破られるのは時間の問題だった。
「クッソ!!・・・ こんなの、知らない!!・・・」
文句を言いながらハプルが相手の一人の顔面を殴り飛ばして倒すと、その刺客の後ろから剣を持った細身の男が、企みが上手くいったと顔で示すように不敵な笑いをしながらその剣を突き付けてきた。
「しまった!!・・・」
防御するための武器もなく、かといって回避すれば廃墟の中への侵入を許してしまう。どうしようもなくなったハプルは、この一瞬が長く感じた。
『イヤ・・・ こんなの、こんなの!!・・・』
その一瞬の中で、ハプルは自身の走馬灯のようなものが流れた。そこに浮かんできた画像には、どこかのベッドに横たわっている彼女の姿、そして、そんなハプルの姿を易しそうに見ている一人の少年がいた。
『こんなの!!・・・』
ハプルが目の前の死を受け入れられずに反射で目を閉じてしまうと、次の瞬間に高い音が聞こえてきた。
カキンッ!!・・・
「・・・え?」
ハプルが目を開く。その目の先には・・・
「危なかったな。」
「い、イグル?」
・・・そう、この俺が参上したのだ!!
アヒル「『ブックマーク』、『評価』、よろしくね。」
イグル「片言だなぁ・・・」
『魔王子フレンド~私と異世界の赤鬼さん~』もよろしくお願いします!!




