第32話 同居人
なんで一国のお姫様であるスワームがここに来ることになったのか。単刀直入に言ってしまうと、これも国王様からの頼みだ。
どうにも王様の言い分では、今回の件でこのスカイリブ王国にもかなりの痛手があったらしく、特に周りの組んだ縁談とはいえ、ウルゼ王子の近くにいたスワームには、国民からの当たりも強くなっていたらしい。
王様自身もこんな事態になったことを深く反省したらしく、かといってこのまま王城に彼女の身を置いていては、より彼女を危険な目に遭わせるかもしれないと考えていた。
そこで向こうさんは、スワームを王城ではなく城下町内にあるこの店の中に住まわせ、俺に同居兼護衛をして欲しいと言う事になった。
当然ここでは彼女は『スワーム・キグナス』なんて本名は使えない。王様との取り決めで、ここでの彼女は『シーニュ・デネブ』という偽名を使うことになっている。どうしても憤りは出来たが、それでも俺は嬉しかった。
「イグル! お茶入れたわよ。」
「ああ、ありがとう。スワーム。」
「もう、ここではシーニュって呼んでっていってるでしょ! もう・・・」
どんな形であれ、思いを寄せる彼女と一つ屋根の下で暮らせているのだから。俺にとってこれ以上の幸せなんてない。今のふてくされている姿も可愛い。眼福だ。
ただ一つのことを覗いては・・・
「その顔を今すぐ止めてくれない! 見てて心底気持ち悪いんだけど。」
余計な人物がこの店に一人同居しているということだ。
「うるさいな・・・ てか、しれっとお前までお茶貰ってんじゃねえよ。」
実はこの任務には、俺以外にもスワームに護衛が付いていた。それがあのとき最終的に手柄を全部持っていったハプルその人だ。
彼女は今回の件で勲章を貰い、実質俺の方はその協力によるおこぼれと言う事になっている。つまり、この護衛任務も、手動は俺ではなく、彼女。王様も、内心では俺じゃなくハプルの方を信用しているのだろう。
書いていた物語の展開なら、この時点で俺は王様から揺るぎない信頼を手にしていたはずなのに・・・ ハァ・・・
「どうかした?」
「ん? ああ! いや、何でもない。お茶を飲んでてほっこりしすぎたのかもな。」
スワームに声をかけられて俺はハッとなった。流石に俺がこの先のことを知っている何て言ったら頭がおかしいとでも思われかねないため、その事実は言うことは出来ない。
そのためなんとか誤魔化したが少々変だった気もする・・・
そう・・・ 俺は前世での経験から、この世界で次に起こる物事が分かっている。ただ正直なところ、ハプルの存在が今回も支障を来すことが不安だった。そう、これから起こることに対して・・・
カランカランカラン!!・・・
そのとき、店の正面扉が勢い良く開いた。
サード「これ読んだんなら、絶対『ブックマーク』と『評価』をしなさいよ!!」
キンズ「だ、そうです・・・ 面倒なのでしてあげてください。」
『魔王子フレンド~私と異世界の赤鬼さん~』もよろしくお願いします!!




