表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/49

第23話 だったら・・・

 その日の放課後、俺は織姫のいる病院に足を向かわせていたが、その足取りはかなりゆっくりとしていた。



 「・・・」



 白状すると、今日は行きたくなかった。せっかく書いていた彼女も面白がっていた物語を、易々と破り捨てられ、俺はそれを守れなかったのだ。顔だって腫れ、制服も汚れてしまっている。



 一度家に帰って着替えてから出直そうか? いや、いつも行くのは制服でだった。平日の今日それをしなければ彼女に怪しまれる。



 「・・・」



 結局何の対策も出来ないまま、俺は彼女のいる病室にまでたどり着いてしまった。俺はとりあえずの作り笑顔を作り、せめて彼女の心配を煽らないようにしてから入った。



 病室には行ってすぐに俺が見たのは、息を荒くして苦しんでいる織姫の姿だった。顔も赤くし、寝込んでいる。俺は焦ってすぐに彼女の元に行き、声をかけた。



 「織姫! 大丈夫か?」


 「牛・・・ 尾?」



 織姫はか細い声で反応し、掛け布団から手を出して来た。俺はそれを握り、熱が収まるまで見守り続けた。



 しばらくして熱が落ち着くと、織姫はゆっくりと目を開けた。そして俺の顔を見る。



 「ずっと・・・ そこにいたの?」


 「おう、あんま心配させんなよ。」


 「・・・ッン! その怪我!!」



 このとき、織姫は初めて俺の違和感に気付いたようだ。俺は彼女のことを心配して自分のことが頭から抜けていたため、ハッとなる。



 「それ! どうしたの!?」



 織姫は無理に起き上がろうとし、そして俺は止めた。



 「何でもない。道中転んだだけだ。」



 俺は作り笑いをして誤魔化そうとした。しかし彼女はそんな俺を見て表情を険しくした。



 「嘘。何かあったでしょ。」


 「何もないって・・・」


 「またいじめられたんでしょ。」


 「だから何もないって!!・・・ って、え?」



 俺は織姫が言ったことに耳を疑った。すると彼女はこう言い出す。



 「気付いてないと思った? 女は勘がいいのよ。親しい仲ならなおさらね。」



 彼女は勝ち誇ったように笑って見せ、俺は彼女の器の大きさに恐れ入って全て白状した。



______________________



 「そう・・・ ノート、破られちゃったんだ・・・」



 織姫は優しい声をかけてきたが、その中に落胆したのが目に見えて分かった。俺はそれを見て胸が痛くなる。



 「・・・ごめん。」



 俺は気まずくなって病室から出て行こうとすると、彼女が声をかけて止めてきた。



 「待って!!・・・」



 俺は足を止めるが、彼女の顔を見ることが出来なかった。だが織姫はこう言ってきた。



 「牛尾は悪くないよ! 物語なら、また書けばいいし・・・」


 「でも、お前が楽しんでたものを俺は・・・ 守ることも、文句を言うことも出来なかった。所詮俺はアイツらのおもちゃ。使い捨てられるまで楽しまれるんだ。」



 俺が落胆的な気持ちを丸裸にして言うと、織姫は間を置いてこんなことを言ってきた。














 「なら、見返さない?」






 「え?」






 「そいつら、全員見返してやろうよ!!」




 「は?」



 俺は織姫の言っていることの意味が分からなかった。









魔革隊リーダー「・ ・ ・」


イグル「『ブックマーク』と『評価』をしろって圧をかけてるんだと思う・・・ 詳細不明すぎて台詞すらねえじゃねえか!! 




『魔王子フレンド~私と異世界の赤鬼さん~』もよろしくお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ