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第22話 俺のノート


 「アハハ! 面白い!!」



 織姫は俺の書いた物語を読む度に可愛く笑って見せてくれた。俺はそんな彼女の顔を見るのがとても嬉しく思い、次も見たい、また次もと毎日俺は物語を書いて見せた。



 終いには学校での休み時間でも楽しく書いていくようになっていた。俺自身、まさかここまで創作活動に躍起になるなんて思いもしなかったが、事実そうなのだ。



 だがこの時の俺は、歯止めというものを知らなかった。故に後悔することになったのだ。



 「おい! コイツまた変な話書いているぞぉ!!」



 当時俺のクラスの人気者だった男が、俺の物語を無理矢理奪い取り、皆に向かって晒しあげたのだ。当然周りには先生はおらず、彼を中心に回っていたこのクラスの生徒達は、元から仲がいいか自分の保身のためかのどちらかで俺をさげすんで笑っていた。



 正直こんな扱いには慣れている。人間なんて所詮、自分を守るためなら大して仲のよくない他人など平気で犠牲にするのだと・・・



 しかし今回ばかりは黙っておれない。あの物語は織姫見せるためのものなのだから・・・



 「や・・・ 止めろ!! それを返せ!!!」



 俺の言葉を聞いたそいつは、流れを狂わされたことに腹が立ったのか、表情を一気に冷たくして俺に近付いて来た。



 「何か言った?」



 俺は足を震えていたが、勇気を持ってまた言った。



 「それを・・・ 返せって言ってんだ!!」



 すると男は不気味な笑顔になってこちらに近付き、次の瞬間俺の頬を一切の躊躇も無しに殴ってきた。



 「ウゴッ!!・・・」


 「ちょぉぉっと聞こえなかったなぁ・・・ もう一度言ってよ。」



 俺は痛みにめげず、もう一度ハッキリ言ってやった。



 「返せって言ったんだって!! 何度も言わせ・・・」


 ゴンッ!!・・・



 俺が言葉を言い終える前に、男はまた俺の頬を殴ってきた。そこからはいつも通り・・・ いや、それ以上の仕打ちだった。



 俺はそいつに物語を書いたノートは盗られたまま、放課後になって体育館裏に強制的に連れて来られ、男を中心とする一派にたこ殴りにされていた。



 「ウグッ! アガァ・・・」


 「ほらほらどうしたぁ~? 大切なものなんだろぉ~?」



 男は憂さ晴らしにノートをちらつかせながら俺を殴り続け、俺は度重なる攻撃に反撃の意思をなくして倒れてしまった。あれを人質代わりに取られてしまっては反撃などできない。



 「ウッ!・・・ ウ~ン・・・」



 戦意喪失した俺を見下ろして、男は不快な笑みを浮かべる。



 「そんなにこれを守りたいのかぁ~・・・ そうかそうかぁ~・・・」


 「な、何を・・・」


 「いやぁね、君はもうちょっと自分の立場を分かって貰った方がいいかとおもってぇ~・・・」



 するとそいつは持っているノートを見た。そして・・・









 ビリッ!!!・・・



 「!!・・・」



 男は容赦無く俺のノートを目の前で破って見せた。


桃太「面白かったら、『ブックマーク』と『評価』をしてくれ。そこからもう一つの作品で、娘の活躍を見て欲しい。」


イグル「娘の押し売り・・・」




『魔王子フレンド~私と異世界の赤鬼さん~』もよろしくお願いします!!

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