第20話 牛尾の思い出
俺は前世の学生時代、いわゆる陰キャといわれるような奴だった。特にクラスになじめているというわけもなく、かといって誰も歯牙にもかけないような存在。趣味と言ったって、人に見せるわけでも無い物語を書くことだけだった。
しかし、こんな俺にもどういう訳か腐れ縁という仲の友人がいた。それが・・・
ガラガラガラガラ・・・
「よ、今日はどうだ?」
「うん、まだましかな・・・」
そこにいた女は、寝間着姿で弱々しくしている。彼女は『降星 織姫』。いわゆる幼なじみってやつだ。
たまたま家が隣同士だったこともあって親つながりで仲良くなり、俺はこうして学校帰りに彼女に会うのが日課になっていた。何故そのようなっているかというと・・・
「ケホッ・・・ ケホッ・・・」
「おい、大丈夫か!? 今日は横になった方が・・・」
彼女は幼い頃から病弱であり、よく風邪をこじらせて学校も通えなくなっている。故に彼女は通信制の学校でどうにか勉学は出来ているが、学園内での友達作りに関しては一切出来る機会が無かったのだ。
「ごめんね、また迷惑かけて・・・」
「いいんだよ。俺はこれが好きでやってんだし。」
俺は織姫をベッドに向かわせる手伝いをし、寝転ばせてからはすぐ側に座って話しかけた。これも日課の一つで、学校に行けない彼女に自分の学園生活を伝えているのだ。正直俺はこれをすることに反対だったが、彼女自身が聞きたいらしい。おかげでつい俺は話を盛っていたりした。
「ほんでさ、そこで俺が言ってやったわけよ!! お前らいい加減にしろよって!!」
織姫は俺の話を聞くと毎度楽しそうに聞いている。彼女のそんな顔を見るのが、この時の俺の楽しみでもあった。
でもだからこそ、俺が話を盛っていることにどこか刺さる物があった。実際の所、俺はクラスで人気者なんてわけでも、ましてやハッキリと意見を言えるような人でもない。どこぞのラノベ主人公並みの陰キャなのだ。
織姫の家を出た俺は、彼女に聞こえないところでため息をしていた。
「ハァ・・・ 俺はいつまでこんなしょうもない嘘をついてんだろ・・・」
このとき、俺は事実を言うことを、まあいいやまた今度、また今度と、必ず次があるかのように引き延ばしていた。
しかし現実はそう都合よく出来てなどいない。俺は、この数日後に、こんな当たり前の事実を衝撃的に突き付けられてしまったのだ。
それはいつものように家に行ったとき、扉を開けて貰って中に入ると、おじさんとおばさんがどこか暗い顔になっており、俺は違和感を感じた。そして彼女に会った後、おばさんに呼び止められて言われた事に、俺は実感が湧くまで時間がかかった。
「もう、あの子は・・・」
「え・・・」
マイナ「ん? 読んだのなら、『ブックマーク』と『評価』をしてくれ。悪い、忙しいので失礼する。」
イグル「なんか、忙しいとこすんません・・・」
『魔王子フレンド~私と異世界の赤鬼さん~』もよろしくお願いします!!




