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プロローグ



 『何でだ、なんでこんなことになった!!?・・・』



 俺、『イグル・アルタイル』は、目の前の光景にただただ唖然としていた。


 俺は、今ここにて、面前にいる(のち)のヒロインとなる女性を、分かりやすいチンピラの魔の手から助け出してているはずだった。





 なのに・・・ 今起こっているのは・・・



 ザンッ!! バンッ!!


 次々と放たれる魔法。それによって救われるヒロイン。彼女はその表情を笑顔に変え、お礼の声を上げている。


 「ありがとうございます。勇者様!!」





 ・・・ しかし、そんな彼女の顔は俺には向いていなかった。



 「いえ、騎士として当然のことです。お怪我はありませんか?」



 その視線の先にあったのは、俺ではなく、この女騎士だった。これはおかしい、おかしいのだ!!



 何故なら・・・




 俺はこの世界の全てを知っているはずだからだ!!!



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