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三、初デートは雲仙島原。大助、謎の更年期らしきものに悩まされる 前編

 初デートそれは苦い思い出(笑)。

 

「はあ」


 大助は思わず溜息をついた。

 出会ってから3か月、ラインのやりとりを交わし、互いの仕事休みの合う4月のはじめにデートをすることになる。



 今。


「・・・3ヶ月」

旦那ちゃんは呟いた。


「なにが?」


「会って初デートまでの間、何していたんだろう・・・(その間)会ってないよね」


「急に何言うの?・・・んー、覚えてないなあ。ほら、あの頃、海外出張とかあって忙しかったし」


「・・・そうか、芽衣ちゃん、昇進試験とかあったっけ」

PCを打つ旦那ちゃんは納得した。



 当日、大助は愛車愛称デミ男に乗り込んだ旦那ちゃんは、だいぶ前にぶつけた側面のドアを芽衣ちゃんに見られないように気にしながら、待ち合わせ場所のジョイフル(ファミレス)の駐車場を目指す。

 大助の実家から芽衣ちゃんの所まで、およそ40分、慣れない道と緊張で頭がもや~となりながら車を進める。

 彼は40歳になってから、ふわふわしたり、急に汗が出たりと体調が不安定だった。

 男性更年期なんてあるのだろうか・・・もしくは芽衣ちゃんストレス?(笑)。


 駐車場にたどり着くと芽衣ちゃんが待っていた。


「こんにちは」


「こんにちは」


 2人は笑顔を交わす。

 彼は彼女に車へ乗ってもらう、途端に沈黙。

 熊本県の長洲港からフェリーに乗り、平港を目指す。

 初デートで3県にまたがる日帰り旅、芽衣ちゃんが近場はほとんど行っている(雲仙島原も彼女に言わせれば近場)ということで、自分で言いだしたこの場所だが、さすがにハードだと思い始めた。

 ちらり、大助は隣の芽衣ちゃんを見た。

 実につまんなさそうに見える。

 そういう顔なのか、うん、そう言う顔なのだろう。

 大助は納得した。

 フェリーの外でカモメを見たりしたが、そんなことはどうでもよかった(笑)。


 港に着くと雲仙方面に車を走らせる。

 その当時の私のカーコンポはCDデッキのみで、さしより差しさわりの無い洋楽とかビーズ等を流していた。

 芽衣ちゃんが突然、大助に話しかける。


「あの、CD持ってきたんで変えていいですか?」


「えっ、うん、いいよ」


 彼女は持ってきたCDを取り出し、曲を流す。

 それは・・・東方神起だった。

 わざわざ持って来る・・・韓流・・・思わず、テンションが下がる大助。


「知ってます?」


「なんか、聞いた事あるような、ないような」


「ですよね」


 車内に東方神起が流れ続ける。

 2人は無言のまま。


 千々石観光センターで名物じゃが串(だったかな?)を食べ、休憩する。

 そこから見える橘湾の素敵な景色は、今の大助には映らない。


 昼食は何にするかという話になった。

 せっかく来たので、地の物が食べたいという芽衣ちゃんは、スマホでこの辺りの名物を検索する。

 

(何でもいいじゃん)


 食にこだわらない大助はそう思った。


「ちゃんぽん!小浜ちゃんぽんが有名ですよ」


「・・・そう」


 車は小浜町へ向かう。

 カーナビが案内する道は狭く、ようやく到着したが、店は潰れていた。

 地元の人に聞き込みをし、人気のちゃんぽん店をようやく見つけた。


 店に入ると、へとへとの大助は思わず、


「ふう」


 と、溜息をついてしまう。


「大丈夫ですか」


 芽衣ちゃんが尋ねる。


「最近、身体の調子が悪くて」


「ふーん、無理しないでくださいね。あれだったら運転変わりますから」


「ありがとう」


「私は身体丈夫ですよ」


「・・・・・・」


「・・・・・・」


「ふーん、ちょっとトイレ」


「いってらっしゃい」


 大助はトイレの中に入ると、天井を見上げた。


(大丈夫かな・・・)


 また溜息をついた。



 予想以上に長くなってしまった初デート編は次回へと続く。

 島原城、芝桜公園と引き続きほぼ無言のデートを続ける2人、進展はあるのか否か、いやあるはずもない(笑)。

 そして、大助の心と体力は持つのか、芽衣ちゃんは愛想をつかさないのか、後編を乞うご期待(笑)!。

 


 結構、記憶の片隅に追いやっていたからなぁ~、ターニングポイントが来るまで執筆は辛いっす。

 でも、ボクがんばる~(Puさん風、笑)。

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