表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/14

二、二人お茶する~弾まない会話~

 いや~、思い出すと、ちょっぴり胸が苦しい(笑)。


 相談所にて。

 大助は芽衣ちゃんが座るテーブルの対面に腰掛ける。

 おっちゃんが、いそいそとお茶を運んでくる。

 2人は無言でお茶をすする。

 相談所の閉所時間が間もなくとあって、やたらと追い出そうと急かされる。


「じゃ、後は二人でゆっくり話して」


 2人は止む無なく外へ出た。

 なんとなく気まずい空気が流れていた。

 ここはイニシアティブをとらねば、


「喫茶店でも行きましょうか」


 大助は声をかける。


「はい、どちらの喫茶店で」


「車で来られたんですよね。じゃ、私の後に着いてきてください」


 大助は傷だらけの黒デミオを発進させる。

 ちゃんとついて来てくれるかな、そんな不安を抱えながら、国道沿いにある喫茶店へと入り車を停める。

 車から降りると、大助は外へ出て、芽衣ちゃんの駐車の案内をした。

 ぶーんききぃーっ!男勝りなドラテク(ドライビング・テクニック)で、大助の案内も見ずに停車する。


「・・・行きましょうか」


「はい」


 大助はとりあえず、彼女をエスコートをして店内に入る。

 コーヒーを注文する。


「ごめんなさい、用事があって遅くなりました。待ちましたよね」


 大助は遅刻の非礼を詫びだ。


「ええ・・・でも、ちょっと、勉強したかったので図書館にて時間を潰しました」


 正直に答え、さりげなく棘さす芽衣ちゃん。


「勉強?」


「ええ、昇進の試験があるんです」


「はぁ」


 準社員契約の大助は心にちくり傷みを感じる。


「凄いですね」


「それほどでも・・・」


「・・・・・・」


「・・・・・・」


「・・・はは」


 大助はコーヒーを啜った。


「用事はなんだったんですか」


 突然聞きだす芽衣ちゃん。


(ぎくり!)


「ちょっと、野暮用でして」


「野暮用?」


「はは、そう」


 大助はごくりとコーヒーを飲む。


(これは、聞いとかないと・・・)


 大助は気まずく躊躇しそうになる気持ちを抑え、


「また、会ってくれますか」


 と、尋ねた。


「ええ、私でよければ」


「良かった~」


「・・・・・・」


「・・・・・・」


 会話は一向に弾まない。


「・・・ライン」


 芽衣ちゃんは言う。


「は」


 大助はなんの事?と首を傾げる。


「ライン、交換しましょう」


「・・・はい」


 2人は文明の利器に頼ることにした。

 これが後々まで、絆を繋ぐものとなるとは、その時の2人は知らない。


「今度、デートしましょう」


「はい・・・でも、私、たいがいの所は行ってるから」


(それ言う)


 大助は、芽衣ちゃんのあまりの正直さに面食らう。


「・・・・・・」


「・・・・・・」


「・・・はは」


 大助は残りのコーヒーを飲んだ。

 これは前途多難、あまり期待しない方がいいなと思った。

 勿論、芽衣ちゃんもそう思ったことだろう。


 その日、会話の弾まないまま、2人は別れた。

 とりあえず、次の会う約束をして。


 次回「初デートは雲仙島原。大助、謎の更年期らしきものに悩まされる」お楽しみに。



 さぁ、次回も超微妙です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] やっぱ…面白い…。 面白い…で…いいんですかね…汗m(_ _)m いえ…ほんとに、ほっこりさせて頂きました…(*´ω`*)♡♪ 憂鬱感…ふきとびました…ヾ(o´∀`o)ノ☆彡
[良い点] 長崎と五島福江には行ったことあるのに、雲仙島原は未踏です。次楽しみにしてます! ハードル上げたぞい。
[気になる点] ここから一体どうなるのだろう…… すごく気になります……
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ