プロローグ2~一方、嫁ちゃんはっ、と補足~
一方、嫁ちゃんはっと。
嫁ちゃんこと吉田芽衣(仮、39・・・ギリ30代・・・かろうじて)は、仕事の分岐点に達していた。
彼女は中堅の地元牛乳生業会社、アーム乳業に勤めていて(一方、大助は大手の平成乳業の下請け倉庫会社で準社員として働いていた)、仕事内容は商品開発だった。
クリームを主に取り扱う会社で他社に、自社クリームのよさをアピールする為、日々ケーキやお菓子作りの開発企画、プレゼンに没頭していた。
さらに海外は香港、韓国などアジア圏、日本は各県を飛び回り、製品紹介や品評会にでるキャリアウーマンだったそうな。
・・・だから婚期が遅れるんだよ。
それは、さておき、芽衣ちゃんは、大助と出会う前後で昇進試験を受けていた。
部長?中間管理職(後、無事、合格するのだが、これが後々ね~と、この話はまた機会があったら)目指しているそうな。
一方、大助は準社員・・・うむ、これいかに。
遅れ続ける婚期に業を煮やした、亡きお義母さんに芽衣ちゃんは連れられ地元ではなく、恥ずかしいだろうからとお義母さんの生まれ故郷にある結婚相談所で、無理矢理登録されたのであった。
そこが大助が足しげく通う相談所だった。
数年たったある日・・・芽衣ちゃんが、たまたま(本当かよ、笑)訪れたら、相談員のおっちゃんから「あんた、遠いんだから、4、5人見繕って紙出しとかんね」と言われたそうだ。
彼女は2、3人の男はファイルから選んだが、なかなか決まらない。そこでおっちゃんが言った。「よっしゃ、とっておきのおススメが2人おる」と、薦められた中の一人が後の旦那ちゃんとなる大助であった。
後に嫁ちゃん曰く「あなたは五番目だった」という名台詞は記憶に残る名言だ。
それもそのはずか・・・彼女がファイルに目を通すと、登録した大助の写真は普段着で、薄っすらハゲていて遠い目をしていたのだった。
そんな訳で、男どもにアポをとるおっちゃん。
当然、大助にもその旨のメールが入る。
とりあえず、会うことにするのは間違えないが、とりあえず人となりを知りたいと、彼は相談所へ訪れた。
「おう来たか」「どういことおっちゃん?」在籍5年(だったかな?笑)もなると、そりゃ相談所のメンバーともフレンドリーになる。
なにかと紹介する度に撃沈する大助に、相談所の人達は何とかしてやりたいという親ごころにも似た気持ちが芽生えていた(いたように思えた)。
「この人と会ってみる?」ファイルを見ると、写真は化粧で真っ白、ややぽっちゃりの芽衣ちゃんがいた。「う・・・うん」「よし、決まった」おっちゃんは満足そうに微笑んだ。
この年になると、まず会うことが何よりも大事であると大助は悟っていた。
会ってみなけりゃはじまらない、動かなきゃなにもはじまらないのだ。
でも、どうせ、今回も・・・大助は半場諦めていた。
そして出会いの当日。
待ち合わせの時間、芽衣ちゃんは相談所に到着していた。
しかし、肝心の大助はそこにいなかった。
待て、次回(笑)。
どうなる?ファーストコンタクトっ。