十一、最終回、尾道で決めろ!誕生日イブにプロポーズを、おまけのエピローグ
ようやく完結します(笑)。
奇しくも2人が出会ってから、やがて一年目になろうとしていた。
たまたま大助の誕生日前後に休みがあった2人は、広島県尾道へ旅に出ていた。
大助は思入れのある(何度か一人旅で訪れている)尾道の地で、やり直しとなったプロポーズを、メモリアルの力を借りて決めてやろうと固く心に決めていたのだった。
・・・おっさん、いくつだよ。
その道中で事件は起きた。
高速の九州道から中国自動車道へ快適に車を走らせている矢先の出来事だった。
普段は安全運転の大助は気分が高揚していたのだろうか、珍しく追い越し車線を調子に乗って飛ばしていた。
ほどなくして・・・ウ~ウ~ウ~。
背後で音がする。
固まる2人。
覆面パトは一度、2人の乗る車を追い抜き、車の後部から電光掲示板を見せる。
「あちゃ~」
はい、速度オーバーで捕まりましたよっと。
「何て日だっ!」
パトカーに乗り込み、説明を受け違反キップを切られる大助。
こんな大事な日になんてことしてくれるんだっ!
ポリスメンを憤怒の形相で見つめる大助、しかしポリスメンは涼しい顔でキップを切った。
トボトボと彼は車に戻った。
「はぁ、免停にはならないみたい」
「良かったね」
芽衣ちゃんは心配していたのか、ホッとした口調で言う。
「でも、これっ」
大助はキップを見せた。
「げ」
恐るべし反則金っ!
大助の気分はふぃーるぶるーで、昼過ぎに尾道についた。
尾道ラーメンの名店「朱華園」で遅い昼食をとると、本日泊まる旅館にチェックインをする。
夕食まで腹ごなしをしようと、近くの千光寺付近の観光地を散策する。
夕焼けに染まる尾道の光景は美しい。
心が洗われるようだ。
石段をのぼり振り返ると海が見える。
瀬戸内海がキラキラと光っている。
千光寺公園の誰もいない、見晴らしのいい場所に着くと、大助はここだと決めた。
(やり直しのシチュはここで完璧)
彼は勝算を確信する。
プレだけど、ここしかないっ。
今でしょ(笑)。
「・・・あのさ」
「うん」
「俺でいいの?」
大助は思わず本音がでてしまった。
「なんで?」
「ほらいろいろあるやん。準社員とか長男とかいろいろ」
「うーん、いいんじゃない」
「本当にいいの?」
「うん」
「結婚してください」
「はい」
2人はしばらく尾道の景色を眺めた。
ただ、手を繋ぎ、ぼーっと眺めていたら辺りが薄暗くなって、夜になろうとしていることに気付いた。
2人はその場を後にする。
夕食は旅館自慢の料理に舌鼓。
・・・夜は・・・おいおい、みなまで言わせる気かよ(笑)。
翌日、2人は小雨降る中、厳島神社、山口県錦帯橋を観光して家路に着いた。
旦那ちゃんと嫁ちゃんのはじまりはこんな感じでした。
おしまい
エピローグ
おしまいっと完成。
旦那ちゃんはパソコンに思いを打ち込むと、胡麻麦茶を一口飲み一息つく。
ここから、結婚までも大変だったんだよなぁと一人、物思いに耽る。
やっぱり結婚って、勢いだから若いうちにしとくもんだよね。
・・・まぁ、(遅くても)悪くはないけどね。
旦那ちゃん嫁ちゃんでは、リア充って思われてるフシがあるからなぁ・・・実際はねぇ。
いろいろあるんだよねぇ。
・・・・・・。
・・・・・・。
「旦那ちゃんと嫁ちゃん~エピソード0.7、結婚への道~」
閃いてしまった。
あっ、待て待て待てっ~フラグが立った(笑)。
「旦那ちゃん、ま~た、パチパチしてるの」
「うん」
「今度は何を書いてるの」
「まぁ、ちょっと」
「ふーん」
「読む?」
「いい」
「いけずう」
「・・・旦那ちゃん」
「ん?」
「下っ、履きなさいよ」
「・・・!いつの間に」
「はっ!笑わせる」
「俺ってさぁ、裸族でしょ」
「知るかっ」
「見て~」
「・・・うん、うん、いつも通りね」
「う、うわーん(泣)」
おあとがよろしいようで。
みなさんに感謝です。