八、愛の点火フラグはいずこ
思い出しから。
旦那ちゃんは、ふいに嫁ちゃんに聞いてみた。
「ほら、一度時間をおいての後、居酒屋で話し合いして、俺は泣いてないけど嫁ちゃんが泣いてたって思っていた時ってさぁ、嫁ちゃんはどう思っていたの」
「なに、藪から棒に」
「確かに・・・」
「なんか書いてるの」
「・・・」
「その時のこと?」
「・・・うん」
「もう、恥ずかしいわね」
「確かに」
嫁ちゃんは続けて何か言いたそうだったが、あの時思った事を話しだした。
「多分終わったかなと思っていたから、もったいないなあ、思ったわよ」
「ふーん」
「旦那ちゃん、人は良さそうだったしね・・・それにまた婚活するとなるとね大変だなって」
「うん」
「ま、冷却期間中は私から連絡とらないと決めていたから、2週間経って、君すぐ連絡して来たからね。おいおい~って・・・で、旦那ちゃんが、自分を見てっていうから、分かりましたと返事して、次また食事した時に続けようかってなったんだよね」
「そうだったっけ」
「そうだよ」
旦那ちゃんは自分の記憶の曖昧さに驚いた。
「そういや、再デートの時おでこ触った時、手をはじいたよね」
「よく覚えているね。さすが、乙女おじさん。あれはね、おでこがテカテカだったんで、恥ずかしかったの」
芽衣ちゃんの誕生日プレゼントに花と手紙を贈った。
手紙の内容は忘れてしまったけど。
一月ぶりの再会は、大宰府電車デートだった。
車でのデートに疲れを見せていた大助への配慮であろうか。
「おはよう」
「おはよう」
久しぶりの再会に2人はぎこちない。
列車の長椅子にもたれかかり、がたんごとん、がたんごとん2人は揺られる。
大助はふと、太宰府天満宮にあるジンクスを思い出した。
大宰府デートをすると別れる・・・ま、いっか、どうせ一度は駄目になったし。
念の為、芽衣ちゃんにも聞いてみた。
「ここで、デートした恋人って別れるらしいよ」
「ふーん」
終わり・・・気にしてないのだろうか?いや、知らなかったんだろう。
大宰府でお参りした後は、隣接する九州国立博物館で中国故宮展を観た。
芽衣ちゃんは、自慢げに現地の故宮博物院に行ったと言っていたが、大助は展示物に夢中になっていた。
ちょうど昼時だったので、フードコートみたいなところで、昼食をとる。
ベンチに2人腰をかけて、食べ始める。
「ちょっと、熱があるかも」
芽衣ちゃんは朝から咳をしていて、少し顔色が悪い。
「どれどれ」
大助は彼女のおでこに手をあてようとしたら、パシッと手を弾かれてしまった。
「なっ・・・」
驚く芽衣ちゃん。
「ごめん・・・」
謝る大助。
またしても気まずい雰囲気の中、食事の後、駅の方へ向かう。
駅の構内で2人はレンタサイクルを見つけた。
「乗りましょうか」
芽衣ちゃんが声をかける。
「でも、体調が・・・」
大助は気にかける。
「大丈夫、大丈夫」
彼女は笑った。
2人は大宰府周辺をサイクリングした。
のんびりゆっくり、時には冗談で競争をしたりしながら。
芽衣ちゃんの体調もあり、この日は早目にデートはお開きとなる。
「また」
「またね」
また挨拶しあえる喜びを噛みしめる大助だった。
意外と間延びしてしまった再デートの文に、旦那ちゃんは一旦、区切る事を決意した。
なんだこいつら、中学生か・・・いい年してよ~と思った方、正解っ。
だけど~いい年になっちゃうと、いろいろ拗らせてるんだよ~(笑)。
スマートな恋愛が出来たら、とっくに・・・ねぇ。
という訳で、次回「ダイジェスト!愛の点火フラグはいずこ!!」で、再び、君のハートにずっきゅん、どっきゅん(笑)。
次回、ダイジェスト。




