「絵が語る」
さっきの看板の前で、目が覚める。
「ここでセーブしてないんだが・・・」
これは、オートセーブというものだろうか。
「本当に、大変だな」
急いで餌をあげないと、すぐに狼が増えてしまうのは少し大変だし、めんどい。
とにかく、走っていくしかない。
軽い餌を持って、勢いよく走りだした。
狼達の攻撃を避けながら、全力で皿の方へ走っていく。
ザラッと、狼の餌を皿の中に入れて、少し離れた。
狼達は餌を食べ終わると、熊と同じように霧の様に消えていった。
看板が、刺さっている。
【おめでとうございます。
いやー、すごかったですね。
かっこいいし怖い狼さん達の餌をあげるがはやくて、よけるのがうまくて、なんかすごかったです。
私がやるとですよ? ちゃんと餌を皿の中に入れても、かっこいい狼さんは私を食べようとするんですよ。
おかしいですよね!
で、隊長。
そろそろ、疲れがドッときて立っているのがやっとだと、私は思っているのです。
なので、日ごろの感謝もこめて! プレゼントを! 用意しました!
いえーい! パフパフ!
まあ、ただのベッドですけど。
えー、次は・・・。あー、鳥かぁ・・・。
動物じゃないんですよ。
次は、壁がせまってくるやつです。
じゃっ、また】
えっ? おわり?
「さすがピエロ。次が鳥だと分かったら、手抜きにしたな」
あいつは動物意外、あんまり興味が無いみたいだからな。
落ちてきた、日記を見る。
十二月二十三日
今日は、少しだけ何かがこっちをにらんでいる様な気がしてさぁ、なんか怖くなっちゃたんだよね。
まあ、いつもと同じはずなんだけど。
疲れているのかな?
でさ、動物達が今日ね? 何体か死んでいたんだよ。
まるで、誰かに殺されたような感じだったんだよね。
何で、そう思ったかって?
動物達の死に方が同じ様にさ、円を描いた血だまりの上に冷たくなって、倒れていたからなんだ。
動物達は、皆傷がいっぱいあってさ・・・。
見たとき、泣いてさ・・・。
でも、昨日までは私を迷わず背後から食べようとするくらい、とっても元気だったんだよ!
ほっ、本当だよ。うっ、嘘ついてないよ!
一体何が起きているの?
んー、なんかのウイルスにでも、集団感染みたいなのに感染したのかな? 分かんないけどさ。
最近日記を書き始めたピエロさん 二日目
えっ、ピエロの動物って死ぬんだ・・・。
ベッドが置いてあった。
「おー、これがベッドってヤツか・・・。わー」
周りには、動物の絵が飾ってある。
「私を見ているようだな・・・」
そして笑っていた。
「今にも、動き出しそうだな・・・」
ゆっくり、ベッドの中に入る。
静かな部屋の中で、目を閉じる。
ガダンッ・・・。
音がして、目を覚ました。
「何の音だ?」
下を見ると、さっきまで壁に飾られていたはずの一枚の動物の絵が裏側になって、倒れていたのだ。
どうして落ちたんだ?
「もとにもどしたほうがいいか」
冷たい一枚の絵を、ゆっくりと持ち上げた。
「・・・えっ?」
笑っているはずの絵が、変わっていた。
赤い血が下に溜まって大きな円をつくっており、その上には笑っているはずの動物が、倒れていたのだ。
「何で?」
私が来た時は、こんな絵じゃなかったのに・・・。
壁に飾ってある絵が、私を睨んでいる様な気がした。
急いで、次の場所へと走っていく。
ギロッと、動物の目が動いた気がした。
【大変です。
鳥たちが死んでしまう前に、餌をあげてください。
お願いします】
「あの部屋、何だったんだ。」
看板に書かれている言葉は、少ないな。
先を見ると、階段の様な物が上へと続いている。
餌を持ち、少し遠くから走っていく。
ズズズッと、音をたてながら私の方へと壁が向かって来た。
行けると思った、その時だった。
「あっ」
ズルッと、足を滑らせていた。
「足が、うっ、動かない」
だが、数秒後足が動き、急いで立つが・・・。
「まっ・・・」
グシャ。
壁が、元の状態に戻った。
赤い血が、ゆっくりと円をえがいている。
何かが入って来て、こう言った。
「上手に出来たでしょう? あの絵の様に・・・」
バットエンドルート
【次の絵はアナタデス】