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65話 嫌がらせ

更新空いてしまって申し訳ないです。

「名乗りは必要かね?灰雪原の狼?」


 そう言いながらボロギヌを揺らしながら俺に近付いてくる男。


「メリオルダスか」

「クククク覚えてくれていて幸いだ。大きくなったな狼。どうだね?転生魔法は成功したかね?」

「あ、あぁ」


 俺が使用した転生魔法はこいつが噛んでいる部分もあった。

 だから恩義がある。


 それにしても連絡が取れない残り1人がこいつだったとは。


「ちなみに私のグングニルはもっと大きくなったがなクククク………」

「早くその爪楊枝を仕舞うのじゃ!」


 ボロギヌの前部を広げるメリオルダスに向かってそう口にするサタン。

 こいつこの汚い布一枚しか纏っていないのか。


「おっと失礼魔王様。だが私のグングニルを見せつけたく………」

「見せつけなくて良いわ!」


 叱られている。

 しかしこの男は反省しないだろう。


「ルーヴィスお前が女共とイチャイチャしている間も私が何をしていたと思う?」

「知るかよ」

「私は食って寝て星を見て怠けてそれを繰り返して未だに童貞だ」


 世界一どうでもいい情報だな。


「いや、かれこれ100年は………」

「うぜぇからしゃべんなお前」


 ハンニバルにまでそう言われる始末だ。

 いや、


「そうよ〜ん。ウザイし変態でキモイ男は嫌われるわよ〜ん」


 サーラというこの変態にすらそう言われるとは末期だな。


「ウザイとは心外だな。クククク」


 うざいなこいつ。


「星を見ていたから、お前が何をしていたのかも知っているぞ狼」


 そう言って俺を見てくる。


「勇者と遊んでいたらしいな。哀れなものだ。お前に目をつけられて骨までしゃぶられるとはおぉ、怖い怖い」


 喋り方言葉選び、何をとっても人をいらつかせる天才だ。


「狼よ私のように余裕を持つべきだな。私など好きな女が何万回も他人の物になるのを見ている。それでいて不動。まさに余裕の塊という訳なのだよ」


 だからどうでもいい情報を伝えてくるな。


「用はなんだ?」


 魔王が文字通りの万年童貞に質問した。


「お前が引きこもってから世界が色々とおかしい。何が起きてる?」

「川に小石を投げて遊んでいるだけだ」

「小石?」


 聞き返すサタン。


「君らはバタフライ効果というものを知っているか?要するに私は小さな変化で大きな変化が起きることを期待しているわけだ。私には1つ願いがある。その願いを叶えるために小石を投げ続けているのだ」


 髪を伸ばし続けて既に床まで付いている男がそんなことを語る。

 前髪だけは適当に切ってはいるが。


「この先を説明する前に私は1つ君に謝罪せねばならん事があるのだがね?狼」


 そう言って俺を見てくるメリオルダス。


「何だよ………」


 嫌な予感を覚える。


「とりあえず私を君の家まで連れて行ってくれないか?そこで説明しよう。何我慢できなくなったら盛りあってくれればいい。人がしているのを見る以上に興奮するもはないからな」


 変態極まってるな。


「断れば?」

「この続きを説明できなくなる。それで構わないなら、お前が真実を知りたくないと言うのなら構わない」


 嫌な予感がするが仕方ないな。


「分かった」

「交渉成立というわけだな」


 ニヤニヤするメリオルダスを連れて俺は一旦帰ることにした。



「わっ!ダーリンが男連れてきた!何する気?!」

「これはこれは麗しいお嬢さんだな。まさにこの輝きはダイヤを磨き」


 よく話すなこいつ。


「うっわ!髪すっげぇなげぇし!ていうかあんたみたいな奴に可愛い言われても嬉しくねぇし」

「これだから現世の女は嫌いなのだ」


 お前がウザイから悪いんだろ。


「とりあえず名乗ろうか。私は魔王軍四天王の1人メリオルダスという男だ」


 場が凍る。

 幸いなのはここにビクティしかいなかったことか。


「気軽にメリ君と読んでくれても構わないぞ?」


 どういうつもりだ。こいつ。


「え?え?………」


 ビクティが珍しく困惑している。


「お前話していないのか?狼」


 俺を見てくるメリオルダス。

 余計なことを言いやがったなこいつ。


「運命の相手なのに可哀想なものだ。お嬢さんこいつは灰雪原の狼と呼ばれた男、魔王軍四天王の一人だった、ルーヴィスという男だ」

「え?ダーリンが四天王………?」


 目を見開いて聞いてくるビクティ。

 終わったか?まさかこんな形で言われるとは思わなかった。


「………」

「何で黙ってんのダーリン?え?」

「………悪かった」

「てかまじで四天王だったの?」


 聞いてくるビクティ。


「あぁ」

「すごくね?」


 予想外の言葉が返ってきた。


「四天王に選ばれるってすごくね?ってか何で今は人なの?!私ら幼馴染だから知ってるけどダーリン最初から人間だったよね?!」

「それはだな。私が説明しよう」


 ウザイ男が話し始めた。


「な、なるほど………」


 珍しく頭を悩ませているビクティ。


「じゃあメルピッピがダーリンを転生させたってこと?」

「そうなのだよメルピッピが君達を合わせた」

「まじ感謝してるしメルピッピ!」

「君はいい子だな。こいつは全く感謝しなかったというのにデュフフ」


 顔を赤らめているメリオルダス。

 流石だな。


「ていうか運命の相手ってどういうこと?」

「よく聞いてくれたな。それが私がルーヴィスに謝罪しなくてはならない事だったのだな」


 そう言って俺を見てくるメリオルダス。

 まさか………


「私はお前が嫌いだ狼。キモイ、ウザイ、ゴミ三拍子揃ったダニみたいな男だからな」


 お前には言われたくないな。


「私は転生魔法にとある仕込みをした」

「………」


 やはりか。

 こいつが俺に謝ることがあるとすればそれくらいしか考えられない。


「君はサヤを前世からの相手だと考えていたようだが、違う。君の幼馴染は2人いるな?そう。君はずっと運命の相手といたのだよ」


 ビクティがビクっとした。


「まさか………」

「そう。そのまさかだよ。私はあの子の魂がビクティに宿るように小石を投げて運命を変えた。中身はタイプ、しかし外面はそうではない。どうだった?私からの嫌がらせ(プレゼント)は」


 こいつ………やりやがったな。

 ニヤリと笑うメリオルダス。


これからまた更新していきたいと思いますのでよろしくお願いします。


それと並行して新作も書いています。

明日くらいに投稿出来たらな、と考えているのでよかったらお願いします。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 正直たいした嫌がらせではないような気がする? 結果ビクティと結ばれてるんだしね?
[一言] メルピッピ最高じゃん!
[良い点] やはりビクティこそがジャスティスであったか
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