34話 これからのこと
翌日。
起きて身支度を整えていると背後から物音が聞こえた。
「サ、サーガ?」
「どうしたんだ?」
「昨日は………その………」
顔を赤くするリディア。
「ひゃぁ………」
何を1人で顔を赤くしてるんだ。
「すごく………良かったから………」
そう言って俺を見てくるリディア。
そうだな。
「なぁリディア」
「何?」
「結婚するか?」
「け、けけけけけ結婚?!」
驚くリディア。
「いやか?」
「い、嫌じゃないけどそそそそ………その………意味分かってるの?」
「分かってる。責任を取ろうかと思ってな」
「せ、責任って………そんなに身構えなくていいよ?」
慌てふためるリディア。
「いや」
首を横に振ってリディアに近付く。
「ここまでしたんだ。俺はお前を俺のものにする」
「サ、サーガ………うん。私サーガのものになる」
そう言って抱きついてくるリディア。
「やっと言ってくれたよね。そんなこと、私のことが欲しいみたいなこと」
「遅くなったな」
「でも、私なんかでいいの?ビクティ達は?」
「一夫多妻は認められてるだろ?」
「つ、つまりどういうこと?」
「あいつらがどういうことを望んでいるか知らないが俺はあいつらが望むならあいつらとも結婚したいと思っている」
こんな俺を好いてくれているのだ。
蔑ろにしていいのか?
俺はそう思うようになっていた。
それにビクティに対しても罪悪感のようなものを感じている。
「リディアはそれでも構わないか?」
「うん。私はいいよ。むしろ皆で幸せになれていい事だと思う」
そう言って微笑むリディア。
許可は取れたか。
「まぁ、結婚は目の前のゴタゴタが片付いてからになる」
そう言ってリディアの頭を撫でる。
「それまで待ってくれるか?」
「うん」
笑顔で頷いてくれたのを見て俺は次にルゼルに目をやることにした。
「あ、あのお2人は結婚するのですか?おめでとうございます!」
今までの会話を聞いていてそう祝福してくれるルゼル。
「俺はお前に対しても責任を取りたいと思っている。昨日あんなに好き好きと言ってくれたもんな」
「え?えぇぇぇぇ?!!!わ、私は奴隷ですよ?!サーガ様?!それにごめんなさい。私なんかに好かれても嫌ですよね?」
「いや、嬉しかった。嫌だと言うなら無理強いはしないが」
「か、考えてもいいですか?私が………サーガ様と………なんて………夢のようです」
「気が向いた時に返事をしてくれればいい」
頭を抱えるルゼルを見て少し笑ってからリディアにも目をやった。
「この事をあいつらにも伝えてくることにする」
「分かった。待ってるね」
そう言ってくれたのを聞いてから俺は部屋を出て先にサーシャの部屋に向かうことにした。
扉には札がかけられていた。
【†失われし楽園†を探しに精神世界に旅立っています。探さないでください】
どうやら睡眠中で起こさないで欲しいようだな。
しかしもう朝だ。今日ばかりは起きてもらおう。
「サーシャ?入るぞ?」
一応ノックしてから入ることにした。のだが。
「だ、だめです!だめです!」
中から声が聞こえた時には遅かった。
ガチャりと扉を開けたそこには
「………」
「//////!!!!」
絶賛着替え中のサーシャがいた。
出直そう。
そう思ってドアを閉めて少し待ってから入ることにした。
「ひ、酷いですぅ………」
「悪かったな」
そう答えながらサーシャの隣に座った。
「どうしたんですか?急に」
「リディアと結婚することにした。いつかは分からないが」
「そう………ですか」
視線を下げるサーシャ。
「そこで、だ。サーシャもどうかと思ってな。幸い一夫多妻は認められている。なので」
「私もいいんですか?!」
急に笑顔になるサーシャ。
「あ、あぁ」
「やったです!結婚します、します!」
そう言ってくれる彼女。
抱きついてくるので引き離すのに少し時間がかかったが、さて後はビクティか。
サーシャと別れて俺はビクティの部屋まで来ていた。
「入るぞ」
ノックしてから部屋に入る。
「お、ダーリンじゃん」
「今、いいか?」
「べりべりオッケー♡」
「俺と結婚しないか?」
ド直球に告げてみたが。
「え?!まぢ?!」
頷いてリディア達のことも話す。
「私的にはオッケーだけど、てか私むしろダーリンが他の女の子と歩いてるとことか見ると興奮すんだよね♡」
それはやばいな。
「あー私のダーリンが奪われてる!とか思っちゃう系なんだけどそれがなんつーかそそる?」
「………」
「引くなっつーの!」
「まぁ、そういうことだから考えておいてくれ」
「私的にはペリベリオッケーだから………てか今すぐ来てよ………いいよ。ダーリンなら」
「また今度な」
「はぁ?!ちょーぜつイミフなんすけど?!今の流れからしてズッコンバッコンする流れっしょ?!〇〇〇〇して〇〇〇で〇〇〇〇なんだけど?!」
何を言いたいのかさっぱりだな。
「ちょ、無視すんな!このクール気取ってるだけの陰キャ童貞系!」
「別に気取っている訳では無いがな」
「そういう態度も気取ってますケドー」
じどーっとした目で見てくるビクティ。
「てか私の部屋に来た意味分かってる?」
「?」
「死ぬまでイカせてあげるから♡」
やばいな。
こいつ今目の色が変わった。
「吸い殺してあげるから覚悟するべ!」
俺に突撃してくるビクティ。
俺と吸い殺そうとしてくるビクティの戦いは続くのであった。
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