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三題噺 超短編

作者: 23人委員会
掲載日:2019/10/31

 オレの日課は庭に穴を掘ることだ。

 死んだやつの骨をそこに隠すのだ。

 死ぬまでずっと。


 時々、近所の奴らが「陰惨な趣味だ」「アイツに近付くな」とオレの悪口を言うが構うものか。


 誰に笑われても一向に構わない。


 ……しかし、こんな無意味なことをはじめたのは、子どもが家を出て行ってからだ。

 冒険者になるとか何とか言って、飛び出したきりもう3年も会いに来ない。


 だから、今日もオレは憎たらしい骨の野郎を、人目をはばかり穴に埋めてそれから、フードとやらをもらう為に父親の足元にすり寄っていく。


 安楽椅子に腰かけた父親はオレの喉元を偉そうに撫でながら、

「お前も寂しいよなあ…」

 とポツリと言った。

「バウ!」

 ネコ野郎みたいにシュンとしてるので、おう、と力強く返事をしてやった。


「今日久しぶりにあいつから手紙が来てなあ…」、父は嬉しそうにそう言ったきり、メガネをかけて手元に視線を落とした。


「………」


 今日のこいつはダメだ。

 そう思った僕は、「バウ!!」とエサを催促してから陽の当たる庭へと駆け出した。


 父はどうやら手紙とやらに夢中なようだ。

 まあ元気ならそれでいいさ。


 僕は前足を巧みに使い、一生懸命穴を掘る。死ぬまでずっと。

 穴を掘っている姿は誰にも見られてはならない。そう決めた。当然、父親にもだ。けれど、いつかアイツが帰ってきたときには……。アイツがもっと幼かった頃よく遊んだ思い出に免じて…、この穴に埋めた宝物を見せてやっても構わない。


 そして、アイツの前で高らかに吠えてやるのだ。

 俺も元気にやってたぞ!と。


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