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命令と平和  作者: 森青ガエル
1/1

1 伝令と違和

超大型新人「佐藤令和」デビュー前から話題騒然(5月11日)


ジェイ事務所期待の若手俳優「佐藤令和」の勢いが止まらない。無料動画配信サイトでの再生回数は公開2日間で1500万回越え、ツイッターでも「佐藤令和」がトレンド上位入り。と言っても驚くなかれ、この二十歳の青年は現状、正式デビュー前なのだ。

ツイッタユーザーの反応;

「いやマジ彗星のように現れたな佐藤令和」

「佐藤令和クソ美形過ぎワロタwww」

「リアルでこの微笑み拝んだら白昼堂々即逝き…(どこへだよ笑)」

「ジェイ事務所のゴリ押し!だがしかしッ!…あえて乗ろーじゃないかw」


こうした狂騒ぶりに本人は、10日に配信された最新動画の中で、

「こんなデビュー前の、どうなるかもわからん奴を応援してくださって…みなさん本当にありがとうございますっ!」

爽やかにカメラの前で微笑むのだから、世の女性たちのヴォルテージもさらに上がってしまうというもの。

数本のCMと、今期のライダーシリーズへの参加が既に決まっているこの「佐藤令和」、とりあえず覚えておいてソンはない。



…というネットニュースを読んでいたから、その「令和」が芸名につく俳優を知ってはいた。というか、そういう名前でデビューできるんだという事実についてを。

すぐに連想したのは、「平成ヤバンジンズ」、正しくは「ヤバンジンズ(元平成ヤバンジンズ)」のことだ。

新元号に変わった直後ぐらいか、彼らのことが、少しだけ世の中で話題になった。特許庁のお触れで、平成その他の元号は商標登録できなくなりますよ、ということにいつのまにかなっていたそうで、すぐに改名を発表したのだった。「平成ヤバンジンズ」だったからこそ、えも言われぬ魅力をまとっていたんだけどな。僕は今でもそう思っている。コアなファンである僕のその思いは、もしかするとメンバー当人たちよりも強いのかもしれないとさえ思うけれど。


ツイッターのタイムラインに、佐藤令和のことが時おり入ってくる。

え!この人がこの話題RTしちゃう…とか、冷静に冷徹に、眺めている。

こんなの単なるひまつぶしの参加型伝令だ。総大将に恭順であれ、批判的であれ、ここに加わればもう、とんでもない欺瞞に参戦しているのとイコールで。

なぜ平成ヤバンジンズはダメで、大手芸能事務所がバックについてる佐藤令和はイイのだ?…って答えをしゃべっちゃってるが。

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