表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界樹と生きる  作者: 池田瑛
第1部 Δάφνη
2/73

1.0歳

 私が目を覚ますと、私は宙づりにされていた。天地が逆さまだ。だが、眩しくて目を開けてられない。


「Εσθηρ Μη εκλαιεν αυτος, Μη εκλαιεν?」


「Θαρσει. Θαρσει. Αλλα καθευδει」


 ん? 言葉のようなものが聞こえるけど、どう聴いても日本語じゃない。


 パシ! パシッ! パシ! パシッ! パシ! パシッ!

 

 痛い! 痛い! めっちゃ、お尻を叩かれてる! 痛い! 逆さ吊りにされて、お尻を叩かれている!!


「おぎゃ! おぎゃ! おんぎゃあ!」


 あれ? 『助けて!』って叫んだつもりだけど、うまく舌が回らない。なんだろう。まるで赤ちゃんの産声みたいだ……。やばい……。


おぎゃ(助けて)! おぎゃ(助けて)! おんぎゃ(誰か助けて)!」


「Εσθηρ εκλαιεν! Εσθηρ εκλαιεν!」


「Κεχαριτωυενη!!」


 私が泣いて、みんな歓声をあげている。どうやら私を複数人で囲んでいるようだ。そして、みんな、私が泣いているのを喜んでいるし! 


 って、今度はお湯の中に入れられた! 逆さ吊りのあとは、水攻め! どんだけなの! こんな事が許されていいの? 


おぎゃ(助けて)! おぎゃ(助けて)! おんぎゃ(誰か助けて)!」


 って、やっと目が光りになれてきた。って、めっちゃ巨人! 私を抱き上げているのは、めっちゃ巨人! 巨人のおっぱいが、私の頭の大きさを越えている! Hカップとかを遙かに超えている! 少なくとも四サイズ負けた! って、この女巨人は私を抱き上げてどうするつもりなんだ! もしかして、食べるのか!


おぎゃ(助けて)! おぎゃ(助けて)! おんぎゃ(誰か助けて)!」


「Εσθηρ! Εσθηρ!」


 女巨人が柔やかに笑いかけている! なんか、女巨人が言っている言葉、『デリシャス、デリシャス』って言っている気がする! 『おいしそう。おいしそう』って意味だっけ? 


おぎゃ(助けて)! おぎゃ(助けて)! おんぎゃ(誰か助けて)!」


 つっ! 叫んでいたら口を塞がれた! 逆さ吊りの後は、水攻め! からの猿ぐつわか! 私に助けを呼ばせないつもりだ!


 って、牛乳の味がする……。なんだか懐かしい味な気がする……。 あれ? 美味しい……。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ