冷酷な戦機
『報告。宴ノ会場ノ社長タチガ魔導機械ヲ操作シテ帝都ノ民ノ救援ニ差シ向ケタトノコトデス』
エリザの近くにいるボールがエリザに伝言した。
「ありがたいであります。さすがに1人では捌ききれませんからな。…ただウィルスとやらは大丈夫でありますか?」
エリザはチェーンソーで機械を切りながら聞いた。
『ゴ心配ナク。魔導機械ニ入ッタネットガードガ撃退シテクレマス』
「ドーターのお仲間がついているのでありますか。それなら安心でありますな」
エリザはそう言いながらドリルで機械をまとめて貫いた。
「これでヒカリ殿の精神的負担が減るといいでありますな」
エリザはマシンガンを乱射しながらひとりごちた。
ーーー
『魔導機械ガ機械ヲ撃退シテヤガルダト?!ウィルスハ何ヤッテヤガル!』
残虐戦機はイラつきながらレーザーを撃ってきました。
「沙夜ちゃんがボスの相手をしてますからね。ウィルス部隊の指揮は出来ないんじゃないですか?」
私はレーザーを躱し、光線を撃ちました。
『カッ。アノ脳筋ニ指揮出来ル頭ナンテネェヨ!他ノウィルスノ動キガ鈍ッテルッテコトハ他ニ邪魔シテルヤツガイルッテコトダ!』
残虐戦機は怒鳴りながら光線をシールドで受け止めました。
「ならあの場にいた社長たちが立ち上がったというだけの話でしょう。通信妨害してなければ遠隔操作する手段があってもおかしくはないです」
私はそう言いながら光線を撃ちました。
『バカナ!アンナ怯エテバカリノヤツラニ何モ出来ルワケネェ!』
残虐戦機は叫びながら腕を伸ばして来ました。
「そうやって人間を無礼るから足下をすくわれるんです。通信を遮断しておけば防げたでしょう」
私は腕を避けながら答えました。
『カカッ。逐一勇者ヤ人間共ガ傷付ク姿ヲ見セテヤルオレノ親切心ガ分カラネェノカ?人間ハ頭ガ悪クテ困ルゼ』
私の指摘に残虐戦機は暴言で返しました。
「…どうやらこれ以上話しても理解し合えないようですね」
私はそう言って紅雪を抜きました。
『カッ。理解スルツモリダッタノカ?オメデタイナ!』
残虐戦機は腕からミサイルを放ってきました。
「空断」
私は斬撃を飛ばしてミサイルを斬りました。斬撃はそのまま胴体に向かって行きます。
『カッ。効カネェヨ!』
残虐戦機はシールドで防御しました。
「しぶといですね。長引くと危ないかもしれません」
私はチラリと下を見下ろしました。魔力が切れたら普通に落ちちゃいますね。
『人間ハ脆イモンナァ。オレハ落チタ所デ何トモネェヨ』
残虐戦機がそう言って殴りつけたタワーからは甲高い音が響きました。
「そちらは硬いですね。シールドなくても大抵は大丈夫そうです」
そう考えるとわざわざシールドを出しているのはコアの近くに飛んでるからなんですかね。万が一傷付いたら大変なことになるでしょうし。
「コアの位置の目星もついて来ました。決着は近いがもしれませんね」
私はそっと紅雪に語りかけました。
あまり話進みませんでした。次はもっと動かせればいいと思います。