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構陣師  作者: ゲラート
第3章 残虐戦機の脅威
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閑話 別次元の戦い

ヒカリとサヤたちが出てからも機械の大群は途切れることはなかった。

「くっ。キリがないぞ!」

「一体どれだけ倒せばいいんだ!」

機械を相手にする護衛たちは不満を漏らした。

「転移を止められればよいのだが…。逆に送り込むことは出来ねのか?」

皇帝は険しい顔で呟いた。

「何度か隙を見て召喚獣を送り込んではいますが…。送り込んでいる拠点が多すぎてどうしようもありませんね。1つずつ転移装置を潰しても際限がないです」

何度か試したが送り込んで来る場所がバラバラで絞り切れてない。残虐戦機というのは案外頭が働くようだ。


「弱音を吐くことはありませんわ。イドルお兄様さえいれば死ぬことはありませんもの」

チェリルは会場に飾られている花で機械を迎撃しながら言った。

「そうですね。支援魔法を受けてからかなり体が動きます。まるで自分の体ではないように楽に機械も切れますし」

護衛はそう言って機械を容易く切り裂いた。

「…これ一度に何個強化重ねてるんですか?」

護衛たちは自分の手を見つめながら言った。自分でもそんな力が出るなんて信じられないんだろうな。

「力と速さと防御力を重点的に強化した。後自動回復もつけたな」

おれは機械に雷撃を与えながら答えた。

「一気にそれだけ?!どうやったらそんなこと出来るんですか?」

「単に魔法陣を一度に多く書けるだけだ。そんなことより迎撃に集中しろ」

おれは護衛たちに呼びかけた。

「はっ!…それにしてもこの場から離れられないのは辛いな」

「帝都の民を助けに行くことも出来ぬとは…。不甲斐ない」

護衛たちは歯ぎしりしながら言った。


「…いえ、何とかなるかもしれません。我がペア社の魔導機械の力を使えばね」

後ろでジョーブがボソリと呟いた。

「そうは言ってもここには魔導機も兵器もないぞ」

そもそも宴の会場には危険な魔導機械は持ち込み禁止だ。ハッキングされると面倒なことになるからな。そのため皇帝の護衛ですら人間だけという状況だ。

「問題ありません。Mephoneにはネットガードで遠隔操作するアプリがあります。我が社にある魔導機を使えば機械と戦えるでしょう」

ジョーブは自信を持って言い切った。

「せやかてジョーブはん。ネットガードをペア社に送り込めるん?ネットにウィルスがあふれとるやろ」

チカゲは最もな疑問を口にした。

「別にネットガードを送り込めなくても電話でペアにあるネットガードを送り込めるよう指示すればいいんですよ。幸いここは圏外になってませんしね」

ジョーブは自信を持って言い切った。


「電波対策もないとは残虐戦機も案外詰めが甘いな。しかしここから電話をかけられたとして向こうに繋がるのか?すでに全員避難している可能性が高いだろう」

もちろん更に悪い状況になっている可能性もある。あまり考えたくはないがな。

「…わかってますよ。でも今私に出来ることは他にないじゃないですか!」

ジョーブは拳を震わせながら叫んだ。


「…リンゴー社長。その遠隔操作とやらは我が社の製品でも出来るのか?」

後ろに控えていた社長の1人はジョーブをまっすぐ見て言った。

「可能ですが…。ペア社の私に自社の製品を預けてくれるというのですか?」

ジョーブは信じられないという顔をした。普段何かと因縁があるのかもしれない。

「こんな非常事態でそんな護衛言ってる場合じゃない。魔王軍に対抗出来る力があるなら証明してみろ」

社長は挑発的な笑みを浮かべた。

「な、なら我が社のも使ってくれ!」

「他社に我が魔導機の性能を見せつけてやるわ!」

他の社長たちも憎まれ口を叩きながら協力を申し出た。


「…それなら手が足りないので皆さんもMephoneを使って下さい。チカゲさん」

「しゃあないな。ただで貸したるわ。気に入ったんならそのまま買うてくれな」

チカゲはそう言って空間魔法からMephoneを取り出して、その場にいる社長たちに配った。

「それでは皆さん。我々の魔導機械の扱いのうまさを見せてご覧にいれましょう」

「「「おう!」」」

社長たちはそう言ってMephoneを操作し始めた。

「そちらでも戦いが始まったようですわね。わたくしたちも負けてられませんわ!」

チェリルは護衛たちを鼓舞した。

「「「はっ!」」」

護衛たちは士気を上げて機械たちを切り裂いて行った。本当に頼もしいな。

「ならおれも自分の役目を果たすとするか」

おれは魔筆を蠢かせながら、魔法陣を書くことに意識を向けた。

どうも膠着状態だと書きにくいですね。次は話を動かしたいです。

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