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構陣師  作者: ゲラート
第3章 残虐戦機の脅威
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摩天楼の戦い

『勇者ダト?バカナ!アソコニハマダ機械ヲ送リ込ミ続ケテルハズダ』

残虐戦機は私に怒鳴って来ました。

「…あの場は皆さんに任せて来ました。誰かがあなたを止めないといけませんからね」

私はそう言って紅雪を強く握りしめました。

『クカカ。ヨウハ見捨テテ逃ゲタッテコトダロ。テメェガ助カルタメニヨ』

残虐戦機はそう言って私を嘲笑いました。なかなか痛い所をついてきますね。


「私は勇者パーティーのみんなを信じて託してきたんです。逃げたいならわざわざ敵のボスの所に行きませんよ。数が多くても七魔将よりは対処しやすいでしょうしね」

私は挑発に乗らないように気持ちを落ち着かせました。沙夜ちゃんなら煽り返すのでしょうけど、私にはこれが精一杯です。

『カッ。ドッチデモ変ワラネェヨ!ドウセテメェラハオレラ機甲鉄騎団ニ敗レルンダカラナ!』

隊の名前なんてあったんですね。もしかしたら獣王さんの部隊があったんでしょうか。

「私は負けません。ここで負けては私を送り出してくれた皆さんを裏切ることになりますからね」

私は紅雪を青眼に構えました。


『ンナモン勝手ニ裏切ッテロ。ドウセオレニ敵ウワケネェンダカラヨ!』

残虐戦機は手を修復し、腕を伸ばしてパンチしてきました。

「とっ」

私はパンチを飛び越え、伸びた腕の上を走りました。

『ハッ!甘ェ!』

残虐戦機は関節から無数のトゲが生えました。

「やっ」

私はトゲの前でバク転しました。

『フン。カカッタナ!』

残虐戦機は飛んだ所にトゲを放ってきました。

「レイ」

私が光線を放つとトゲは爆発しました。どうやらミサイルのような物だったみたいですね。

『チッ!』

残虐戦機は貫通した光線をシールドで防ぎました。防御力も高いんですね。


「攻撃が多彩ですね。すごい初見殺しです」

私は空中にシールドを出して着地しました。

『ハッ。回避シタ後ニヤラレテモ嫌味ニシカ聞コエネェヨ!』

残虐戦機はそう言って指を突きつけて来ました。

『大体オレハ当タルヨウ計算シテ攻撃シテンダ。何デアンナ簡単ニ躱セルンダ?!』

残虐戦機はマザータワーに手のひらを叩きつけました。

「自分でもよくわかりません。ほとんど反射で避けてますから」

私は正直に答えました。気付いたら体が反応しているのでよくわからないとしか言いようがないです。


『クッ。フザケルナァ!』

残虐戦機は指から弾丸を放ちました。

「白峰鏡月流、巻月」

私は回転して弾を切りました。

「とっ」

私は回転しながら空中にシールドを出し、前に大きく飛びました。

「光旋嵐」

私は空中で刀を振るい残虐戦機の首を刈りました。

『グガァッ!バ、バカナ…』

残虐戦機はそう言って体をダランとさせました。


「終わりましたね。早く皆さんを助けに行かないと」

私はいつも通り涙を拭こうとしましたが一滴も流れてませんでした。

「…おかしいですね。機械だから?」

私は後ろから何か来るのを感じて首を傾けました。

「きゃっ?!」

傾けた所に太いレーザーが通っていきました。かなり危なかったですね。 


『クッソ!完全ニ不意ヲツイタノニ何デダヨ!』

声がした方を見ると首だけの残虐戦機が喋っていました。

「首を斬っても機能停止しないんですか。高性能ですね」

私は鍔を左手で弾いて居合いの構えを取りました。

『カッ。オレハ動力源ノコアヲ破壊サレネェ限リ死ナネェンダヨ!何度斬ッテモ無駄ダゼ!』

残虐戦機はそう言って腕を伸ばして頭を拾いました。そのまま頭を胴体にくっつけます。

「魔王と同じというわけですか。厄介ですね」

でも裏を返せば仮想魔王戦が出来るということですね。コアの場所をわざわざ教えてくれる相手なんてそうはいないから自分で掴まないといけません。

「…うちの流派に空の極意なんてないんですが」

急に降りかかって来た見えない物を斬るという課題を前に、私の紅雪を持つ手が少し震えました。

いちいちカタカナにするのが面倒なのは内緒です。

次は沙夜の方に移りたいです。

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