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構陣師  作者: ゲラート
第3章 残虐戦機の脅威
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マシニクル観光

「こうして見ると本当にサミュノエルと違うでありますな。楽しみであります」

エリザはおれの右手を握ってはしゃいでいる。国外に出たことがないから物珍しいんだろう。

「はしゃぎ過ぎですわよ。少しは落ち着いて下さいまし」

チェリルはおれの左手をそっと握りながら言った。エリザを注意しつつもそわそわしている。箱入り娘だから外国に興味があるんだろう。


「別にいいでありましょう。どうせ機械が攻めてくるまで我々はヒマなのですから」

エリザは清々しい顔で言い切った。

「…事実ですがはっきり言われると辛いですわね。イドルお兄様は忙しくなかったんですの?」

チェリルは上目遣いで聞いてきた。

「おれはあくまで中身の機械部分担当だからな。出来た製品のプロモーションは専門外だ」

そこらへんはサヤやチカゲに任せた方がいいだろう。そこまで機械を使いこなせるわけでもないしな。

「まあ外に出せる情報ではないから仕方ないですわ。扱っているのが企業秘密ですもの」

チェリルが言う通りだ。外でおいそれと話すわけにもいかないだろう。


「難しいことはともかく武器を見に行きましょう。屋台には銃しかなかったですから物足りなかったであります」

エリザは意気揚々として言った。

「正直屋台で銃が売ってる時点で十分な気がするんだが。まあエリザの武器が増えるに越したことはないからいいけどな」

おれたちは通りにある武器屋に入った。

「こ、これは…。先が螺旋になっているであります!」

エリザは店に並べてあるドリルを手に持った。

「それはドリルという物だ。本来は回転して掘り進むための道具だな」

「回転でありますか!男のロマンが刺激されるであります」

エリザは女のはずだが。まあ武器に対する感性は男と同じな可能性はあるかもしれない。


「義手もありますな。手と武器を換装出来たりしないのでしょうか」

エリザは真顔で物騒なことを言った。

「鑑定で解析した限り体に触れている物しか空間魔法内の物と入れ換えられないぞ。仮に出来たとしても二度と手は返ってこないだろうな」

おれはあえて真面目に答えた。

「それが問題でありますね。もし腕が斬られたとしたら考えることにします」

エリザはそう言って義手を棚に戻した。

「そんなこと考える暇があるなら腕を失わないようにして下さい。神に頂いた大事な体なんですよ」

チェリルは珍しく巫女らしいことを言った。

「斬られる覚悟くらいあるという意味でありますよ。いちいち怯えていても仕方ないでしょう」

エリザは淡々とした口調で言った。

「…はあ。戦闘狂も程々にして欲しいですわ」

チェリルは呆れた顔をして武器を選ぶエリザを見ていた。


ーー


一通り武器を見た後、おれたちは市場に来た。

「…徹底的に管理されているようですわね。機械で温度や日照時間を調整して育てているのが見えますわ」

チェリルはトマトを手に取って情報を読み取った。

「チェリル殿が環境に適応した作物を生み出すのとは真逆の方向性でありますな。まあおいしいからいいでありますが」

エリザは軽い口調で真理をついた。

「魔法でも機械でも本来ある植物の在り方を歪めているのは同じですわね。それが人類の傲慢さといえばそれまでですが」

チェリルはそう言って溜息を漏らした。

「その傲慢さと向上心があるから人類の技術は進歩して来たんだ。それがいいことか悪いことかはわからんがな」

「そうですわね。それが人類の本質なんでしょう」

チェリルは遠い目で言った。


「そんなことはいいからみんなにお土産でも買っていきましょう。きっと喜んでくれるであります」

エリザはいきなり会話をぶったぎってきた。

「そうだな。何か買っておいた方がいいだろう。サヤに責められそうだ」

「ストレスをぶつけられても困りますわね。何か矛先を逸らす物を買っておきましょう」

それからおれたちは市場を見て回ることにした。

間の話はあまりうまく書けませんね。次の予定は未定です。

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