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構陣師  作者: ゲラート
第3章 残虐戦機の脅威
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接触

「魔王軍の対勇者が?!間違いないんですか?」

私は小声で沙夜ちゃんに聞きました。

「ええ。あのメガネは間違いないわ」

沙夜ちゃんも小声で返して来ました。判断基準そこなんですね。

「そうですか…。でもなぜこんな所に?」

「襲撃前の下見って所かしらね。おそらく襲撃の前後でMePhoneを買うか奪うかするつもりでしょうから色々探ってるんでしょう」

沙夜ちゃんは冷静に分析しました。

「えっ。わざわざお金出して買うんですか?」

「姿知られてないならそういう手もあるわ。破壊活動をするのは機械でしょうし」

沙夜ちゃんはそう言ってMePhoneを取り出してすぐしまいました。おそらく写真撮りましたね。


「あら。何かあたしたちの方見てるわ」

沙夜ちゃんは小声でそんなことを言いました。

「あっ。こっちに歩いて来てるわね。バレたのかしら」

沙夜ちゃんは面白そうに話した。

「何でそんなに落ち着いているんですか!」

「焦った方が怪しまれるわよ。あんたもこんな所で戦いたくないでしょ」

沙夜ちゃんは冷静に言いました。

「向こうは憎しみの共有のことは知っていても、憎しみの共有で情報を知られているという確信はないはずよ。変な反応しなきゃ大丈夫よ多分」

沙夜ちゃんはものすごく投げやりに言いました。

「ちなみに左斜め後ろから来てるから話しかけられるまで向かないでね」

「その情報今要ります?!」

私は思わずツッコんでしまいました。


「あの、今スマホが見えたんですけどもしかして勇者ですか…?」

本当に左斜め後ろから声がしたから振り向いていると、灰色の髪でメガネをかけた女の子がいました。沙夜ちゃんが話してくれた通りの見た目をしてますね。

「スマホを知ってるの?あんた何者なのよ」

沙夜ちゃんは白々しい顔をして効きました。

「これは失礼…。私はマヨ・シルバーキャッスル…。転生者です…」

転生者、ですか。確かに転生者ならスマホ知ってる言い訳にはなりますね。

「そう。この国には多いとは聞いてたけど生で見るのは初めてだわ。所でマヨさんは他の転生者知ってるかしら。知ってるなら紹介してもらいたいんだけど」

沙夜ちゃんはマヨさんの目をジッと見て聞きました。

「すみません…。私もこの国に来たのは初めてなのでよくわかりません…」

マヨさんは申し訳なさそうに言いました。

「つまり品評会があるから来たってことですね」

「はい…。異世界の物が品評会に出されるなら…見てみたいと思いまして…。勇者が来たら…何か知識が得られるかもしれませんからね…」

マヨさんはそう言ってにっこりと笑いました。


「ねえ、よかったら一緒に屋台見て回らない?色々話を聞きたいわ」

沙夜ちゃんはマヨさんに話を持ち掛けました。監視でもするつもりでしょうか?

「いいですよ…。私も色々見たかったですから…」

マヨさんはそう言って微笑みました。


「お二人ともすごく食べますね…。私そんなに食べられないです…」

マヨさんはフランクフルトを手に持ちながら呟きました。

「体育会系だからですかね。剣術の練習やってると食べないと体が持ちませんから」

特に白峰流はすごく走りますからね。色々足さばきも大事ですし。

「私そこまで運動は得意じゃないです…。射的は得意ですけど…」

マヨさんはそう言って射的の屋台に行きました。

「1回お願いします…」

「まいど!銅貨3枚で5発だよ」

マヨさんが銅貨を払うとおじさんが銃とコルクの弾をマヨさんに渡しました。マヨさんは慣れた様子で銃口からコルク弾を込めました。


「ふっ」

マヨさんが置いてあるお菓子を撃つと、見事に当たって下に落ちました。

「次…」

マヨさんは2発目もお菓子に当てて落としました。

「…何か欲しい物あります?」

マヨさんは私に聞いて来ました。

「いいんですか?ならあの白い小鳥のぬいぐるみで」

「ならあたしは黒いタカが欲しいわ」

私と沙夜ちゃんはマヨさんにリクエストしました。

「わかりました…」

マヨさんはそう言うと宣言通り2発ぬいぐるみを落としました。

「後は…。これで」

マヨさんはついでのように灰色のフクロウを落としました。

「はい、どうぞ…」

マヨさんは小鳥とタカを私たちに差し出しました。

「ありがとうございます。大切にしますね」

「ありがとう。本当にうまかったわ」

私と沙夜ちゃんはマヨさんにお礼をしました。


「あ、そろそろ待ち合わせの時間でした…。今日は楽しかったです」

マヨさんはそう言って笑いかけました。

「私たちも楽しかったです。ありがとうございました」

「また会えたらいいわね」

私たちはマヨさんに手を振りました。

「きっとまた会えますよ…。近いうちに…」

マヨさんはそう言って後ろを向いて歩き出しました。


「普通だったら後で敵だと知ってショック受けるパターンなんでしょうね。あたしはもう敵だと知ってるけど」

沙夜ちゃんは冷静に言いました。

「本当にあの子が襲撃計画なんて立ててるんですか?信じられません…」

私は思わず呟いてしまいました。

「金田が絡まなければ普通にいい子なんでしょうね。ただ金田を苦しめたいという思いが強すぎるだけよ」

沙夜ちゃんは冷静に返しました。

「…一体金田さんはマヨさんに何したんでしょうか?」

「さあね。とりあえず写真撮ったから後は衛星カメラでストーキング出来るわ。この国にいる間は監視カメラで行動を見れるわよ」

沙夜ちゃんはMePhoneを取り出してニヤリと笑いました。

「…やってることが勇者パーティーらしくないですね」

「いいのよ。あたしは対勇者だもの」

沙夜ちゃんはよくわからない理由で自分を正当化しました。

雑に接触させてみました。次も繋ぎになると思います。

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