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構陣師  作者: ゲラート
第3章 残虐戦機の脅威
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次なる目的地

「あっ、イドルはん。ちょっとええか?」

次の目的地を模索しつつ仕事をしている時にチカゲがやって来た。

「何だ?」

「実はマシニクルで新製品の品評会があってな。ウチがジョーブはんのMePhoneの推薦人としてプレゼンすることになったんや。それでプロトタイプを持っとるサヤはんに実演してもらいたいっちゅーわけや」

チカゲは申し訳なさそうに説明した。

「それでおれにサヤがマシニクルに行くよう説得しろというわけか」

「みんなが勇者パーティーで忙しいことはわかっとるんやけどな。やっぱりサヤはんがいてくれた方が華があるし色々説明してもらえるやろ。品評会に勝つために協力してくれへんか?」

チカゲはそう言ってウィンクして手を合わせた。


「…マシニクルの近くには残虐戦機率いる機械の拠点があったな」

おれはルーシーに話を振った。

「はい。元々マシニクル周辺は機械族の魔物の生息地ですからね。マシニクルで機械が発展したのも機械族の死骸が次元漂流物を再現するのに最適だったからと伝わっています」

ルーシーは淡々と説明口調で答えた。

「なら魔王軍討伐のついでに行くことにしよう。どうせ方針も決まってないしな」

おれの言葉にチカゲは顔を上げた。

「来てくれるん?!ホンマおおきに!」

チカゲはおれの両手を取って大きく振った。

「気にするな。どうせ方針が決まってないなら君に貸しを作った方がいいと思っただけだ」

「せやな。そういうことにしといたるわ」

チカゲは笑いながら言った。

「後はサヤ様を説得するだけですね。夢で魔王軍の次の標的がマシニクルになればいいんですが」

ルーシーはそう言ってメガネを光らせた。

「そこまで都合いいことはないだろう」

おれはルーシーに適当に返した。


ーーー


「マシニクルである新製品の品評会を襲撃するだと?そんなのほっとけばいいだろ」

茶髪ヤンキーがやる気なさそうにメリットメガネを見ながら言った。

「マシニクルには私たちの世界から来た物が流れ着くらしい…。しかも人間側には勇者がいる…。今の最新の技術を破壊すれば敵の力を削げるし、奪えば魔王軍を強く出来る…。襲撃するメリットはあってもデメリットはない…」

メリットメガネはそう言ってメガネの位置を直した。

「一理あるのう。さっそくヴァイラスに襲撃させるよう魔王様に進言してくるぞい」

対勇者の側にいるジジイはそう言って姿を消した。やっぱり結構な地位にいるようね。


「それにしても珍しいじゃねえか。お前があいつ以外のことでやる気を出すとはな」

それはあたしも気になってたわ。そもそもなぜ憎しみの共有で新製品の品評会の襲撃計画を覗けるのかしら。あまり関係なさそうなのに。

「対勇者召喚陣は勇者召喚陣と連動して発動するはず…。ということは私たちのようにスマホを持ったまま召喚された可能性が高い…。ここで奪って情報をバラまけばスマホが世に出る頃にはあの男の悪評を拡散出来る…。そうなればあの男の名は地に落ちるでしょう…」

思い切りSNSを悪用しようとしてるわね。スマホが行き渡るようになったら当然考えられる可能性だわ。


「もうそんなことする必要ないのにえげつねえな。有名になってるの泣き虫とかいう方だけだろ。わざわざ名を下げるまでもなく勝手に落ちてくんじゃないのか?」

茶髪ヤンキーはめんどくさそうな顔をした。

「だからこそ私が突き落としたいの…。一度悪評を広められればあの男は二度と這い上がれなくなる…。どうせなら私自身が手を下した方が気が晴れる…」

メリットメガネは黒い笑顔を浮かべて言った。

「あいつも嫌われたもんだな。お前の恨みは買いたくねえよ」

茶髪ヤンキーは若干引きながら返した。

「安心して…。私に害を与えない限り何もしないから…」

メリットメガネはそう言ってメガネを光らせた所で悪夢から目覚めた。


ーー


「サヤ。次の目的地はマシニクルにしたいんだが。チカゲに用事を頼まれたんだ」

体に流れ込んできた嫌な気分を吹き飛ばすために矢を放っている所にイドルが来た。

「それってやっぱり品評会があるから?」

あたしが聞くとイドルは一瞬固まった。

「…夢で見たのか」

「ええ。MePhoneを強奪して金田の悪評を広めて名を下げるとか言ってたわ」

あたしが返すとイドルは額を押さえた。

「覗けたのが奇跡だな。下手すれば知らないうちに広まっていたかもしれない」

「相手はMePhoneの存在知らないしね。技術発展を阻害するついでにスマホがあれば使えるくらいの考えじゃないかしら」

そう考えると出回る前に警戒されてるのはラッキーだったわね。来る前に止められるもの。 


「正直ついでにマシニクルの機械軍を討伐しようと思ってたから好都合だ。勇者パーティーがいれば襲撃も止められるだろう」 

イドルは珍しくやる気を出して言った。

「機械か…。あたしの毒通じるかしら」

あたしはストレス解消に近くに落ちている石を握り潰した。

「…多分矢で貫けば倒せるんじゃないか?」

イドルは呆れ顔で呟いた。

かなり雑に決めてしまいました。予知とかあるとどうしてもご都合主義になってしまいますね。

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