反撃開始
「伝令!獣王軍が夜襲を仕掛けてきました!」
伝令兵が司令官に伝えてきた。
「ご苦労。下がっていいぞ」
「はっ!」
伝令は敬礼して去って行った。
「夜襲ですか。幹部は出て来るでしょうか?」
光はポツリとそんなことを言った。
「来るとしても夜戦指揮官とかじゃないかしら。獣は活動時間が違うからね」
サヤはそう言って口を押さえた。
「昼とは違う敵と戦えるのはラッキーでありますな。腕が鳴るであります」
エリザはそう言って左の掌に右拳を叩きつけた。
「相変わらず脳筋だな。仕方ないから私も出てやる」
ロベリアは石突を地面に突き立てた。
「わたくしも援護しますわ。少しは動かないといけませんもの」
チェリルはそう言って地面から生えた木の手に乗った。自分の足で歩く気はないようだ。
「よかった。やっと敵を燃やせるよ~」
姉さんは体から手から火の粉を撒き散らしながらにっこり笑った。
「まあ何にせよ出来ることをやるか」
それぞれ気合いを入れておれたちは出陣した。
「まずは明かりの確保ですね。ライトボール」
ヒカリは光の玉を5つ浮かべた。
「チュ?!チュチュチュ!」
「ウー!ガルルル!」
いきなり照らし出された獣たちは驚いて動きを止めた。
「おおっ!獣の位置が丸見えだ!」
「さすが光属性だな。これなら戦える!」
ノルマルの兵たちは獣たちに斬りかかった。
「じゃあもっと明るくしてあげるね。王女の雛!」
姉さんは三段重ねにした火属性の魔法陣から火を纏った雛を出した。雛はそのまま獣に向かって飛んで行った。
「ホー?!ホホー!」
「ギニャー!」
獣たちは断末魔の叫びを上げて燃やされた。相変わらず容赦ないな。
「ならおれも照らすか。サンダーボルト」
おれは後ろに控えている獣の上から雷を落とした。
「な、なぜ上から?!ぐはっ」
指揮官らしきキツネ男はその場に倒れ込んだ。
「ウォォオン!」
あまりの被害に見かねたのか森の中から狼の遠吠えが聞こえてきた。
「グル、グルルル!」
「キシャー!」
獣たちは叫び声を上げて逃げて行った。
「深追いはするな!夜に森に入るのは危険過ぎる」
司令官は兵たちに指示を出した。
「こいつは捕らえた方がいいわね。あたしが通訳するまでもなく情報が聞き出せるでしょうし」
サヤはしびれて倒れたキツネをダークバインドで縛り上げた。
「少しならいいですよ、紅雪」
ヒカリが許可を出すとベニユキにキツネの血を飲ませる。
「ふむ。少しは投げた方がよかったかもな。イドルの召喚獣と見分けがつかないから戸惑ってしまった」
ロベリアは槍を持って投げる素振りをした。
「自分も少しは銃を乱射してもよかった気がするであります。当てない自信はないですが」
エリザは換装で銃を出した。
「…いくら瀕死になったら召喚獣の領域に戻ると言っても精神的ダメージは受けるんだがな」
おれは呆れながら召喚獣が送ってくる情報に意識を集中させた。
あまり話進みませんでした。次あたりで森を攻略したいです。